ヤマハ TMAX530の特徴と買う・売る時のポイント
TMAX530はヤマハの大型ビッグスクーターです。2001年に初代の国内モデルを発売し、2004年、2008年、2013年にフルモデルチェンジを行い進化してきました。2017年4月には、エンジン・フレームを一刷。電子制御を加えた5代目TMAX530に進化して大幅パワーアップしました。
TMAXシリーズは、従来のビッグスクーターで主流だったバックボーンフレームではなく、スポーツバイクで広く採用されている鉄鋼製ダイヤモンドフレームを採用しています。
エンジンの一部を強度素材として活用することで、初代モデルの時点でフレーム単体重量はマジェスティ(250cc)と同等の軽量ボディを達成していました。その後も軽量化のアップデートを行い、530ccの排気量を感じさせない軽快さを持っています。
コンセプトは「オートマチックスポーツコミューター」で、足回りに力を入れるなど、ビッグスクーターの概念を覆すスポーツ性で世界中で大ヒットしました。昨今は、BMWをはじめ欧州メーカーや台湾のキムコなども500〜600ccの大型スクーターに注力をしていて、世界中で需要の拡大しているカテゴリーです。
TMAX530は大型スポーツスクーターのパイオニア的存在で、世界中で幅広い賞を受賞した実績を持ちます。フルモデルチェンジして大幅進化を遂げた5代目の現行TMAX530の魅力に迫りました。
このページの目次です
ヤマハ TMAX530の特徴
車種名 | TMAX530 SX ABS |
---|---|
メーカー | YAMAHA (ヤマハ) |
排気量 | 530cc |
販売時期 | 2017年4月(5代目・SJ15J型) |
エンジン形式 | 水冷4ストローク直列2気筒/DOHC4バルブ |
タイプ | スクーター |
シート高 | 800mm |
軸距 | 1575mm |
燃料タンク容量 | 15L(ハイオク仕様) |
燃費 | 国土交通省届出値28.6km |
トランスミッション形式 | Vベルト式無段変速/オートマチック |
クラッチ形式 | 湿式, 遠心, 多板 |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
車両重量 | 215kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 34kW(46PS)/6,750rpm |
最大トルク | 53Nm(5.4kgm)/5,250rpm |
新車価格 | 1,242,000円 |
中古車相場 | 90-100万円(2017年式) |
TMAX相場情報・中古販売価格の推移
当サイトでは、ヤマハ TMAX530の相場情報を独自に調査、集計しています。
細かい情報をご覧になりたい方はこちらのデータをご参考ください。


先代からの主な変更点
・開発コンセプトは「Master of Scooter(マスター・オブ・スクーター」
・新設計の軽量アルミフレーム
・リンク式リアサスペンションの採用
・エンジンは先代と共通(平成28年環境規制への適合)
・エンジン搭載位置(重心)を変更してコーナリングフィーリングを向上
・リアホイールのサイズダウンおよび前後タイヤの構造変更による軽量化
・先代から7kgの軽量化
・電子制御スロットル「YCC-T(ヤマハ・チッフ゜・コントロールト゛・スロットル)」をスクーター初採用
・オプションだったABSを標準装備
・トラクションコントロールを採用
・2種類のパワーモード(Dモード)を採用(市街地向けのTモード、スポーツ向けのSモード)
・LED4灯ヘッドランプと導光体を組み合わせたフロントマスクなど灯火類の変更
・メインスタンドのロック解除もできるスマートキーの採用
2013年発売の4代目でフレームや走行性能は完成したと評されていた中で、新型フレームを投入して大幅な進化を遂げました。さらに電子制御技術を強化して、快適性と安全性を大幅に向上させています。
2017年モデルのグレード
TMAX530の2017年モデルと2018年の違いは、カラーリング変更のみで装備、スペック、価格は共通です。現行モデルは2つのグレードを用意しています。
TMAX530 SX ABS
・価格:1,242,000円
・トラクションコントロール、パワーモード、電子制御スロットル、スマートキーなどを標準装備したベースグレード
TMAX530 DX ABS
・価格:1,350,000円
・クルーズコントロール、リアサスペンションの調整機能、電動調整スクリーン、グリップヒーター、メインシートヒーターを標準装備した上級モデル
ヤマハ TMAX530の評価
近所の街乗り ★★★★☆
通勤・通学 ★★★★☆
ツーリング ★★★★★
峠・サーキット ★★★★☆
足着き性 ★★☆☆☆
扱いやすさ ★★★★☆
タンデム ★★★★★
カスタム性 ★★★★☆
フルモデルチェンジで外観、走行性能、取り回し、電子制御デバイスなど幅広い面でパワーアップしました。先代から20万円近い値上げになりましたが、アップデートの内容やABS標準装備になったことを考えれば妥当な価格設定です。
取り回しが良くて耐久性にも定評があるので、街乗りや通勤用など幅広い用途で活用できます。長距離ツーリングでの需要も高く、スポーツ性を重視した大型スクーターだけあって万能な1台です。
ただし、新車価格の値上げによって高級バイクテイストが強まったことや、250ccクラスに比べて5〜6割に落ちる燃費とハイオク仕様など、ガソリンの高騰もあってランニングコストがネックになります。欧州メーカーに比べると維持費が安くて故障しにくいので、ライバル車種に比べればメリットは大きいです。
全国の主要なサーキットでシリーズ開催される、ビッグスクーターによるレース(TMAXカップ)も行われています。街乗り、ツーリング、レースまで幅広い楽しみ方ができて、スポーツ性能が高いため乗っていて飽きることはありません。乗れば乗るほど奥深さの伝わってくるスクーターです。
キムコのAK550が強力なライバルで、TMAXカップでもトップに迫るタイムを出して話題になりました。メーカー小売価格はTMAX530の方が安く、現時点ではアフターパーツの充実度でも勝っています。
最高速はAK550の方が高いレビュー投稿もあり、T-MAXのブランドを奪う存在として注目されています。2017年にモデルチェンジしたばかりですが、強力なライバルの出現で、メーカーは新型の開発に積極的になるかもしれません。
ヤマハ TMAX530の新車値引き・カスタムに関して
ディーラーでの通常値引きは10〜15万円ほどです。オプション値引きも併せて交渉しましょう。格安販売業者では、25万円以上の値引きで、車両価格は100万円を切り、乗り出し価格でも105万円ほどで売っています。
注文販売も受け付けているので、安く買いたい人は保証やアフターサポートの内容を確認した上で、ネットから格安販売店情報をチェックすると良いでしょう。
イヤーモデルの型落ちを条件に大幅値引きをしている業者もあります。2017年モデルと2018年モデルに大きな違いはないので、安く買えるならイヤーモデルの型落ち在庫を狙いましょう。
新型は流行のLEDヘッドライト搭載などスタイリングも進化しています。社外マフラーを交換する需要が高く、カスタム需要は現行モデルでも非常に高いです。マフラーとリアボックスの組み合わせも多く見られます。快適装備を追加したい場合は、標準装備の充実しているDXを選ぶとよいでしょう。
中古バイク・買取情報
人気・査定額 ★★★★☆
タマ数 ★★★★☆
カスタム比率 ★★★★☆
新車値引きは大きいですが、モデルを問わず中古市場で高い人気を誇ります。5年落ちでも店頭価格で60-80万円ほどの値段が付いています。購入を検討している方は少し無理してでも現行モデルを狙いたいところです。
海外でも人気の高いバイクで、国によっては日本ほど電子制御装備を重視されていないため、輸出需要によって先代の中古価格も下がりにくいようです。
新車値引きが大きくて新型が出ても高く売りやすい車種なのでお得感のある車種です。マフラーとリアボックスの付いている中古は人気なので、売る時は若干のプラス査定を期待できます。
定価の高い車種なので中古を狙う人が多いことや、新車購入する人はお金をかけてメンテナンスや保管をしているので、全体的に状態の良いタマが多いことも中古相場の高い要因です。
おわりに
キムコのAK550の注目度が高まっていますが、ディーラーのサポート体制やこれまで築いてきたブランド力もあり、国内で買うならTMAX530をオススメしたいです。AK550も品質で勝負している車種で評価は非常に高いので、比較することも忘れないでください。
これまでは国内で大型ビッグスクーターを買うなら、TMAX以外の選択肢はありませんでしたが、比較できるライバルができたのは良いことです。スポーツ性よりも快適性を重視したい方は、BMWのC650GTなど欧州メーカーのスクーターもオススメです。
他メーカーのライバル車種は、実績が少なくて将来売る時のリセールバリューが読みにくいです。TMAX530は大きく値崩れを起こす心配のない点を魅力に感じます。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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