TRIUMPH Tiger 800 (2018)の特徴と買う・売る時のポイント
タイガー800は2018年3月10日に新エンジンの採用と200箇所以上を改良するフルモデルチェンジを行いました。シリーズ車種のタイガー1200も同時にフルモデルチェンジしていますが、ライバルや兄貴分との違いをまとめました。
中古の型落ちモデルの購入・売却を検討している方は、先代モデルの特徴を紹介したページを用意しています。
タイガー800(先代モデル)
タイガーは歴史の古いトライアンフを代表するシリーズ車種です。タイガー800は兄貴分のタイガー1200よりもオフロードテイストが高く、豊富なグレード設定で欧州車の本格アドベンチャーバイクをお手軽な値段で購入できます。
タイガーシリーズ独特のフロントマスクは先代からの踏襲ですが、1200と共通デザインで遠くから見ればリッタークラスのような迫力を感じます。タイガー800は見た目は1200に似ていても中身は全くの別物。オフロードを重視した足回りに細いタイヤで悪路になるほど威力を発揮します。
フルモデルチェンジによってエンジンレスポンスは大幅に向上され、3気筒エンジン特有の軽やかなノビと中低速時の太いトルクはそのままに、ピークパワーの出る9,000回転までは低振動で気持ちよく加速していきます。足回りはオフロード色が強いので、峠のワインディングには弱いですが、街乗りや高速走行では95PSのエンジンパワーを活かして快適に巡航できます。
先代のタイガー800も、トライアンフミドルクラスの3気筒バイク「ストリートトリプル」よりマイルドで扱いやすい設定になっていますが、新型タイガー800は先代の良さをさらに熟成させました。
このページの目次です
タイガー800の装備・グレード
2018年モデルのタイガー800はオンロード向けのXRシリーズを3グレード、オフロード向けのXCシリーズを2グレード、合計5グレードのラインナップです。各グレードの装備と価格は以下のとおりです。
タイガー800のグレードラインナップの特徴は、コスト重視のグレード(XR)を用意している点です。ブレーキとサスペンションは上級グレードに劣りますが、パワフルなトリプルエンジンに剛性重視のスチール製フレームによって本格的なアドベンチャーバイクの乗り味は健在です。
予算に応じて自分好みのバイクを選べるのもタイガー800の魅力で、公式ホームページでは自分のバイクをつくるシュミレーション機能を用意しています。先代ではロー仕様の用意がありましたが、新型では全てのグレードに高さ調整機能付きシートを標準されました。
■XR
価格:1,430,000円
・19インチアルミキャストフロントホイール
・12V&USB電源ソケット
・イモビライザー
・シート高、ハンドルバーポジション、ブレーキ、クラッチレバー調整機能
・切替式ABS&トラクションコントロール
■XRX
価格:1,616,600円
・XRの主要装備
・フルカラー5インチTFT角度調整式ディスプレイ計器
・Brembo製プレミアムフロントブレーキ
・5段階調整式スクリーン&エアロデフレクター
・最新式クルーズコントロール
・センタースタンド
・グリップヒーター
・ハンドガード
■XRT
価格:1,813,400円
・XRXの主要装備
・Showa製アジャスタブルフロントサスペンション
・5種類のライディングモード(ロード、レイン、スポーツ、オフロード、ライダープログラムマブル)
・LED補助ライト
・ライダーと同乗者用シートヒーター
■XCX
価格:1,699,800円
・フロント21インチ、リア17インチスポークホイール
・Brembo製プレミアムフロントブレーキ
・5段階調整式スクリーン&エアロデフレクター
・最新式クルーズコントロール
・5種類のライディングモード(ロード、レイン、スポーツ、オフロード、ライダープログラムマブル)
・フルカラー5インチTFTディスプレイ計器
・12V&USB電源ソケット
・イモビライザー
・シート高、ハンドルバーポジション、ブレーキ、クラッチレバー調整機能
・切替式ABS&トラクションコントロール
・グリップヒーター
・ハンドガード
・フロント、リア共フルアジャスタブルのWP製サスペンション
・エンジン保護バー
・アルミニウム製サンプガード&ラジエターガード
■XCA
価格:1,856,000円
・XCXの主要装備
・フルカラー5インチTFT角度調整式ディスプレイ計器
・ライディングモードにオフロードプロ追加(合計6種類)
・TFTの表示スタイルを3種類追加
・センタースタンド
・ライダーと同乗者用シートヒーター
・前後にプレミアムなWP製アジャスタブルサスペンション
・CNC機械加工によるフットレスト
トライアンフ タイガー800のスペック
車種名 | TIGER1200XR |
---|---|
メーカー | TRIUMPH (トライアンフ) |
排気量 | 800cc |
発売時期 | 2018年3月10日 |
エンジン形式 | 水冷4ストローク並列3気筒/DOHC12バルブ |
燃費 | EURO4規制:107g/km |
トランスミッション形式 | 常噛6段リターン |
クラッチ形式 | 湿式多板 |
燃料供給方式 | マルチポイントシーケンシャル電子燃料噴射(フューエルインジェクション) |
フレーム形式 | チューブラースチールトレリスフレーム |
車両重量 | 199kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 70kW(95PS)/9,500rpm |
最大トルク | 79Nm(8.0kgm)/8,050rpm |
新車価格 | 1,430,000円 |
中古車相場 | 60万円〜70万円(2012年式) |
トライアンフ タイガー800の評価
同じクラスのライバルにはBMWのF750GSとF850GSがいて、タイガー800はライバルに大きな遅れを取っています。オーナーレビューや専門家の評価で、走行性能や完成度でBMWに劣っている評価を受けていましたが、2018年のモデルチェンジで細部を徹底的に見直して改良しています。
3気筒エンジンの特性も活かしたアップグレードで、ライバルとの差は縮めています。2018年モデルのタイガー800で評価できるのはパッケージングです。シート高調整機能や大型液晶メーターを追加して総合力を高めています。
ライバル車種にも言えることですが、タイガー800など下のクラスのアドベンチャーバイクは決して、上級グレードの廉価版ではありません。軽さを活かしたオフロード性能を持っていて、大型バイクの高速巡航性能や快適性、ゆとりも兼ね備えています。どこへでも冒険に出かけられる(アドベンチャーできる)バイクという意味では、タイガー1200より優れています。
タイガー1200のように電子制御サスペンションや電動スクリーンはついていませんが、実用性を兼ね備えてバイク本来の持ち味で勝負しています。
TRIUMPH タイガー800の新車値引き・カスタムに関して
トライアンフのバイクは基本的に値引き販売をしていません。モデルチェンジを行うと、型落ち値引きの在庫処分価格で売ってくれるケースもありますが、すでにタイガー800の2017年モデルはほとんどの店舗で売り切れていて、ネットのバイク情報サービスでも確認できませんでした。
モデルチェンジした新型の値引きは期待できないので用品値引きやサービスで交渉しましょう。
カスタムは純正のパニアケースが人気です。全グレードで完成度の高いタイガー1200とは違い、マフラーやサスペンション、タイヤなどカスタムの余地はあります。マイルドな乗り味なので、カスタムベースに選ぶ人は少ないですがプチカスタムのよく似合うバイクです。
TRIUMPH タイガー800の中古バイク・買取情報
トライアンフのバイクは全般的に中古相場は安いですが、流行している大型アドベンチャーバイク人気の影響もあって、高い水準で下げ止まりしています。高年式で見るとBMW、KTM、ドゥカティのライバル車種に劣る面もありますが、初期モデルの2012年前後の中古はライバル車種と遜色のない水準で推移しています。
アドベンチャーバイクは、海外を含めてブームがすぐに過ぎ去ることはなさそうですが、国内では外国メーカーの低年式という印象をネガティブに捉えられる可能性があります。売却を検討している人は早めの検討をオススメします。
中古はタマ数自体が少なく、オーナーもこだわりを持ってタイガー800に乗っているので長く乗る傾向が強いです。中古購入を検討している人は気長に探す覚悟が必要です。
おわりに
東京モーターサイクルショー2018でタイガー800の現車を見ましたが、写真やカタログ以上に迫力を感じました。オフロード性能を重視するとタイヤやボディは細くなるので、安っぽく見られてしまうこともありますが、タイガー800は個性的なフロントカウルのデザインでカバーしています。
販売台数の少ない車種で、モデルチェンジの内容も大きなインパクトを感じるものはありませんでした。しかし、海外では人気の高い車種で、タイガー800最大の特徴はアドベンチャーバイクでは他社にはない3気筒エンジンの採用です。
トライアンフは豊富な3気筒エンジンのノウハウを活かして、ストリートトリプルとは全く違う乗り味に仕上げています。エンジンフィーリングに個性のあるバイクで、先代では課題もあった部分を細かく見直して総合力を高めています。
パッケージングも進化して価値のあるモデルチェンジになったと評価できます。ツーリングの中で本当に林道や未舗装道路に入っていきたい人はタイガー1200よりオススメです。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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