スズキ SV650の特徴と買う・売る時のポイント
SV650はスポーツ性の高いVツインエンジンを搭載したネイキッドバイクです。
SVシリーズの歴史は1998年に発売したSV400が始まりで、当初はハーフカウルを装着したSV400SとネイキッドスタイルのSV400を販売していました。1999年にSV650/S、2003年にSV1000Sを発売し、400ccと1,000ccは2008年に排ガス規制の影響で生産終了になり、2009年にはSV400の後継車種のグラディウスが発売しました。
SV650は、1999年に発売するも、国内では中途半端な排気量を理由に売れ行きが悪く、わずか1年で生産終了しています。海外では軽量で取り回しの高い650ccクラスの需要があることから、SV650をフルモデルチェンジして輸出専用モデルとして販売していました。
2016年のフルモデルチェンジにて国内でもSV650ABSを17年ぶりに復活させ、2018年1月にはカフェレーサー風カスタムをしたSV650X ABSを発売しました。
2016年のフルモデルチェンジでは海外向けにSV650と並行して販売していたグラディウス650をベースに、軽量化と極低回転域での補助を行う「ローRPMアシスト」を搭載して大幅なパワーアップを遂げています。
さらに2019年モデルではブレーキを4ポット化にする改良を行いました。熟成された印象を強く受けるロングセラーバイクです。
ここでは、スズキ(SUZUKI)SV650Sの特徴や買取相場を紹介します。
出典:http://www1.suzuki.co.jp/motor/
このページの目次です
SV650Sの特徴まとめと買取相場
車種名 | SV650ABS |
---|---|
メーカー | SUZUKI (スズキ) |
排気量 | 645cc |
販売時期 | 2016年8月11日(国内仕様復活のフルモデルチェンジ) |
エンジン形式 | 水冷4ストローク90度V型2気筒 / DOHC4バルブ |
燃費 | 国土交通省届出値 37.5km/L |
トランスミッション形式 | 常時噛合式6段リターン |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
車両重量 | 197kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 56kW(76.1PS) / 8,500rpm |
最大トルク | 64N・m(6.5kgf) / 8,100rpm |
新車価格 | 752,400円 |
中古車相場 | 45〜55万円(2016年式) |
ライバルヤマハ・MT-07との比較
SV650の国内モデルを復活させた背景には、2014年に発売して大ヒットしたヤマハ・MT-07の存在があります。MT-07はリーズナブルな価格で扱いやすい並列2気筒689ccエンジンを搭載したモデルとして、ミドルクラスのネイキッドバイクとしては歴史的な大ヒットを遂げます。
ライバル車種の成功によって、SV650も軽量化を行うフルモデルチェンジをきっかけに、排ガス規制に適合させて国内モデルを復活させた経緯があります。MT-07をはじめ、ライバル車種は製造コストを重視した並列2気筒エンジンを採用しているなかで、SV650は歴史のあるスポーティーなVツインエンジンを搭載しています。
パワー的にもMT-07を上回っていますし、ABS搭載モデル(現行モデルはABS標準装備)と比較しても安い価格設定でライバル車種に対抗しました。
MT-07と主要スペックの違いは以下の通りです。
・価格
SV650ABS:752,400円
MT-07:792,000円
・最高出力
SV650ABS:56kW(76.1PS) / 8,500rpm
MT-07:54kW(73PS)/9,000rpm
・重量
SV650ABS:197kg
MT-07:183kg
欠点のスタイリングをSV650Xでカバー
SV650ABSとMT-07のスペックを比較すると、重量でMT-07より14kg重い欠点がありますが、製造コストとスポーツ性の高いVツインエンジンを搭載して安い価格にまとめたことを考えれば魅力的なパッケージングです。
それでもMT-07に販売台数に大きな差を付けられたのは、先進性のあるストリートファイタースタイルのMT-07に対してSV650ABSはデザインに古さを感じる王道ネイキッドスタイルだった点です。スタイリングでMT-07を選ぶ人の多い中で、2018年に発売したSV650Xは国内シェアを伸ばすための派生モデルです。
ヘッドライトカウル、セパハン、タックロールシートを合わせた流行のカフェレーサースタイルにしたのは、重量の重くて基本デザインの古いSV650ABSの魅力を高めるのに最適なカスタムスタイルだと評価できます。
SV650X ABSの価格は796,400円です。STDより約4.5万円高いですが、追加した装備を考えればお得感のあるパッケージングです。
スズキ SV650ABSの評価
近所の街乗り ★★★☆☆
通勤・通学 ★★★☆☆
ツーリング ★★★★☆
峠・サーキット ★★★★☆
足着き性 ★★★★☆
扱いやすさ ★★★★☆
タンデム ★★★★☆
カスタム性 ★★★☆☆
MT-07に比べると14kgの重量差ですが、650ccクラスの中では軽量の部類に入ります。ひとつ下のクラスになる、4気筒エンジンを搭載したGSR400に比べて、パワー、軽さ、新車価格の安さの全てでSV650の方が優れています。大型免許の問題をクリアできるのであれば、400ccクラスよりもお得に乗れます。
安さを重視しただけではなく、Vツインエンジンを搭載したスポーツネイキッドバイクで、サーキットでも楽しめる本格派です。走行性能に対して破格の価格設定だと評価できます。
奥の深いバイクで、初めて大型バイクを乗る人はもちろん、ツーリング、街乗り、サーキットまでマルチに使えるバイクを探している中級者以上のライダーにもオススメです。
デザインは少し古くて、SV650Xを選んでも先進性はそれほど感じられません。ライバルのMT-07に比べて弱点になるのはスタイリングです。SV650ABSは大きくて迫力のあるデザインなので、興味を持ったら一度販売店に現物を見に行ってください。
新車の展示車を用意しているディーラーは少ないので、現行モデルの中古バイク情報も併せてチェックしましょう。
実績のあるエンジンで耐久性も高く、購入価格の安い車種なので通勤・通学など距離を乗る使い方にもオススメです。パワーと軽量ボディ、Vツインエンジンのフィーリングを併せ持っているので、見た目以上に乗ると面白く感じられるバイクです。
スズキ SV650の新車値引き・カスタムに関して
定価も割安な設定ですが、値引き枠の大きいのもSV650ABSの魅力です。通常値引きで10万円前後、店頭在庫で15万円前後の値引きは手堅いです。イヤーモデルの型落ちや、格安販売業者を利用すれば20万円以上の値引きの出ているケースもあります。
車両価格で50万円台になれば400ccのバイクよりも割安な水準です。また、登場当初は値引きを引き締めていたSV650Xも大幅値引きを行うようになりました。販売店によってはSV650と同等の価格でSV650Xを買えるケースもあります。グレードはスタイリングの好みで決めるものですが、値引き後の乗り出し価格で比較すればSV650Xの方がお得です。
スポーツネイキッドスタイルなのでマフラーやフェンダーレスキット、ヘッドランプのカスタムがよく似合います。ただし、価格の安さに魅力を感じて購入する方が多く、ノーマルのまま乗る比率の高い車種です。
カフェレーサー風カスタムのSV650Xを選ぶのもいいですし、購入予算をカスタム費用に回して、STDから自分好みのバイクに仕上げる方法もオススメです。
中古バイク・買取情報
人気・査定額 ★★★☆☆
タマ数 ★★☆☆☆
カスタム比率 ★★☆☆☆
日本仕様発売から4年ほど経過して中古のタマ数は少ないです。新車値引きの増える中で中古価格は高めです。購入を検討している方は新車購入を比較検討するとよいでしょう。
姉妹車種でアドベンチャーバイクのVストローム650よりも中古相場は高めです。スズキの大型2気筒エンジンバイクの中では、中古相場の高い車種だと評価できます。他メーカーのライバル車種と同等水準のリセールを期待できるでしょう。
数は少ないですが、一部でモデルチェンジ前の海外モデルも中古で流通しています。型落ちモデルの中古購入は、重量やエンジンスペックが現行に大きく劣ることを認識した上で検討してください。
これから中古価格は少しずつ下がっていく見込みです。人気の高い大型ミドルバイクなので、ある程度の水準で底打ちすることも考えられますが、タマ数が増えた際は一気に値崩れを起こすかもしれません。売却を検討している方は早めの行動をオススメします。
おわりに
私は以前、大型バイクに乗っていましたが、結婚を機に大型バイクを購入するチャンスを失っています。以前大型に乗っていた経験があると、400cc以下では物足りないと思ってしまいます。Vツインエンジンを搭載した650ccの新車値きを含めて50万円台で買えるチャンスがあると聞くと、非常に魅力的に感じました。
値引き率は大きく、装備やエンジンスペックで比較すれば、国産メーカーの現行ランナップのなかで、SV650ABSはもっともお得感のある車種です。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
どのバイク買取業者に売るかお悩みの方へ
- 厳選の1社に買取依頼するなら「バイク王」がおすすめ
- バイクをなるべく高く、でもできるだけ手間をかけずに売却するには、面倒な手続きを代行してくれる「バイク買取業者」を利用するのがポイントです。バイク王は当サイト人気No.1。
『バイク王』の公式ホームページはこちら - 一括査定でじっくり売り先を探す
- 手間と時間をかけても一円でも高く売りたい方は、複数社の査定を受けるのもいいですよ。
『バイク比較.com』で一括無料査定はこちら
こちらの記事もあわせてどうぞ
- SUZUKIのバイクの特徴や買取相場
- SUZUKIのバイクの特徴や買取相場を、車種別に多数紹介しています。
SUZUKIのバイクの特徴や買取相場 - バイクの最新ニュース
- バイクの試乗会参加レポート、新型モデル情報の最新ニュースを紹介しています。
バイクの新型情報ニュース - バイクを売るコツ
- バイクを売るコツをつかめば、早く売る、高く売る、簡単に売るなど自分の希望に応じた売り方を選ぶことができます。
「バイクを売るコツ」はこちら - どの買取業者に売るかお悩みの方へ
- どこの買取業者に売るかで迷ったら、当サイトのおすすめ買取業者をご参考下さい。
みんながどこでバイクを売っているか、買取業者利用アンケートも紹介しています。
「おすすめのバイク買取業者」はこちらで紹介