スズキ ジェベル250 XCの特徴と買う・売る時のポイント
ジェベル250(XC)はかつてスズキから販売していたオフロードベースでツーリングまで楽しめるデュアルバーパスバイクです。1992年にオフロードバイクのDR250Sをベースに、大型ヘッドライト、ヘッドライトガード、正立フォークを採用したツーリングモデルとして登場しました。
1995年にDR250SがDR250Rにモデルチェンジするのと同時に、ジェベル250XCにモデルチェンジしました。XCはクラスカントリーの意味を持ち、17リットルの大型タンク、大型ヘッドライト、標準装備のリアキャリアを身につけて人気を集めます。
その後はキャブレターバイクの規制が入る2008年まで販売されていました。初代ジャベルは3年弱の販売期間しかなく、中古で流通している大半はジャベルXCです。
当時のスズキが代名詞にしていた油冷エンジンを搭載していて、本格的なオフロード走行を可能にしつつ、街乗りやツーリングの適正を兼ね備えるなど、スズキの歴代250ccクラスバイクの中でも人気の高かったロングセラー車種です。
兄弟車として、オフロードバイクのDR250シリーズと、海外向けのエンデューロモデルDR-Z250があり、シリーズ車種ではジェベル200とジェベル125を用意していました。
モデルごとの違い
ジェベル250シリーズは、大きく以下の3つの年代で評価が分かれます。
・1992-1994年式
初代ジェベル250
ベースになったDR250Sと同じ容量の燃料タンクを装着
・1995-2000年式
1995年のモデルチェンジでジェベル250XCへ名称変更し、大型燃料タンクとリアキャリアを標準装備
2000年の排ガス規制の影響を受けるまでは、強制開閉方式の加速ポンプ付キャブレター「TM28SS」を装備
・2001-2008年式
細かい仕様変更はあるものの、大きなモデルチェンジはありません
2001年式以降は強制開閉方式の加速ポンプ付きキャブレターが廃止になります。
高年式は程度が良いので中古市場で高評価を得ていますが、走行性能の評価が高いのは1995ー2000年式です。
加速ポンプとは、スロットルを一気に開けた時に燃料が不足するのを防止するために、スロットルと連動してガソリンを多く流し込む機構です。
加速性能が高く、見た目以上にレーシーな乗り味が特徴です。
スズキ ジェベル250XC(1996式)のスペック
車種名 | DJEBEL250XC (ジェベル250XC) |
---|---|
メーカー | SUZUKI (スズキ) |
排気量 | 249cc |
販売時期 | 1992年-2008年 |
エンジン形式 | 油冷4ストローク単気筒 / DOHC4バルブ |
タイプ | オフロード |
シート高 | 885mm |
軸距 | 1450mm |
燃料タンク容量 | 17L |
燃費 | 47.0 km/L ( 60 km/h走行時) |
トランスミッション形式 | 常時噛合式6段リターン |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング |
燃料供給方式 | キャブレター |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |
車両重量 | 137kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 22.8kW〈31PS〉/ 8,500rpm |
最大トルク | 27.5N・m(2.8kgf〉/ 7,000rpm |
新車価格 | 499,000円 |
中古車相場 | 20-25万円(1998年式) |
スズキ ジェベル250XCの評価
近所の街乗り ★★★★☆
通勤・通学 ★★★☆☆
ツーリング ★★★★☆
峠・サーキット ★★★☆☆
足着き性 ★★★☆☆
扱いやすさ ★★★☆☆
タンデム ★★★☆☆
カスタム性 ★★★☆☆
ジェベル250XC最大のライバルはヤマハ・セローです。オフロード性能を高めた状態でツーリング性能も兼ね備えた250ccデュアルバーパスバイクですが、ジェベルはスポーツ性能とツーリング性能を高い次元で両立しています。
見た目以上にエンジンはパワフルで、現行オフロードモデルのホンダCRF250Lの最高出力24馬力を大きく上回ります。さらに油冷エンジンの特性上、ちょっとしたカスタムで出力向上がしやすくて、強制開閉ポンプ装着モデルは加速力に優れています。
ストリートでも目立つ大型の丸目ヘッドライトやスタイリング、オフロード走行時のポジショニングに悪い影響を与えないデザインの大型燃料タンクなど、うまく快適装備を融合しています。ネックになるのは耐久性です。走行性能の評価は2000年以前が高い一方で、中古相場は高年式低走行車が高く評価されています。
強制開閉ポンプはキャブやエンジンの負担が大きいので、小まめにキャブのオーバーホールをするなどメンテナンスに気を使わないといけません。油冷エンジンなので、渋滞時のゴー&ストップ時のオーバーヒートにも注意しましょう。
スズキからは2000年発売のストリートテイストを強めたグラストラッカーシリーズもありますが、中古市場ではジェベル250XCの方が評価されています。エンジン設定をマイルドにしてツーリング性能を高めたバイクではなく、現行の排ガス規制では搭載の難しい油冷エンジンの魅力を最大限に活かしたツーリング向けオフローダーです。
見た目以上にシート高は低く、標準仕様より4cm低いシート高845mmになる低車高仕様の用意もあります。オフロードバイクにも強かった90〜2000年代のスズキらしい名車で、今後も中古市場では評価を高めていくでしょう。
中古バイク・買取情報
人気・査定額 ★★★★☆
タマ数 ★★☆☆☆
カスタム比率 ★★☆☆☆
新車販売していた当時から評価が高く、高年式、低走行では販売価格で40万円以上の高値水準をキープしています。2000年代まで発売していたスズキの小排気量モデルの中では中古相場と買取価格が高いです。
ただし、耐久性の低いことから走行距離による減点が大きいです。売却を検討している方は、距離を売り時を見極める指標にするとよいでしょう。長期的に見ると、この先プレミアム価格が付く可能性もあります。新車の販売台数が多かった中で中古の流通量は低いです。
状態の悪い低年式は廃車になったケースも多く、油冷エンジンがラインアップから消えたことでコアなファンが手放さずに大切に乗ることも多いようです。マイナーな車種ですが、排ガス規制の緩い時代の廃盤車種ならではの魅力があります。
あくまでもツーリングを最大の目的にしたバイクなので、エンジンやマフラーなど吸排気をカスタムする需要は低いです。ローダウンシートやサスペンション、リアボックス、スクリーンなど実用性重視のカスタムが人気です。
おわりに
ジェベル250XCは横から見ると、本格モトクロッサーのようなスパルタンでシャープな印象を与え、正面から見ると大型ヘッドライトによってストリートテイストの強い印象を抱きます。新車の250ccオフロードバイクのラインナップが少なくなったことで、中古購入に興味を持つ方が増えています。
セローなどツーリングメインの使い方をしたい人は是非、ジェベル250XCも候補に入れることをオススメします。ただし、現行のインジェクション車に比べると、耐久性がなくてセッティングがずれてエンジン不調を起こすリスクが高いです。
コンセプトは初心者向けの要素もありながら、ハイパワーでデリケートなエンジンとキャブレターなど、中身は玄人仕様になっています。中古のタマ数が減っているので、興味がある人は早めの購入をオススメします。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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