MV AGUSTAのバイクの特徴や買取相場


MVアグスタ(MV AGUSTA)はイタリアのバイクメーカーで、「走る宝石」とも呼ばれています。ロードバイク専門メーカーで、歴史は古いのですが、1976年バイク部門を解体していて1999年に復帰をしています。

「高性能の市販車」をコンセプトにしたバイクメーカーで、復帰後のレース参戦はありませんが、エンジンはフェラーリのエンジニアを使い、コストを惜しまずにこだわり抜いたバイクを作っていて、細部の質感は国産バイク以上です。

レースで勝つには国産バイクやドゥカティ、BMWのバイクの方が有利ですが、MVアグスタは速さだけではなく質感やスタイリングにこだわった高級バイクを得意にしています

MVアグスタの歴史

MVアグスタは1923年にアグスタ伯爵家によってジョバンニ・アグスタ航空会社を設立して飛行機の製造販売をしたのが始まりです。

1943年に2スト100ccエンジンを搭載したモペッド(ペダル付き自転車兼用オートバイ)を製造を開始します。1945年に第二次世界大戦が終戦しイタリアは飛行機の生産を禁止されたため、モペッドから発展させたオートバイメーカーへシフトします。

性能をアピールするために積極的にレースへ参戦し、航空機エンジンで培った技術を活かして輝かしい成績を残します。ジレラやドゥカティなどライバルメーカーから優秀な開発スタッフを引き抜いて急成長を遂げ、1952年にはロードレース世界選手権125ccクラスでチャンピオンを獲得します。

さらに1958年から1960年までの3年間は、ロードレース世界選手権(WGP)の全クラスでチャンピオンを獲得するなど黄金時代を築きます。
黄金時代は1970年代前半まで続きますが、バイク部門に力を入れていた2代目社長が1971死亡して弟が会社を引き継ぐと、1976年にはバイク部門を解散させ、復活していた航空機部門に注力する一本化を行いました。

1997年にカジバというイタリアのバイクメーカーがMVアグスタのブランドを取得して再建が始まり、1999年にF4を発売させます。2004年にはプロトンが買収し、2000年代は売却や買収を繰り返して運営母体がコロコロ変わっていました。

2008年にハーレーダビッドソンへの買収で合意になりますが、翌年にはハーレーダビッドソンが売却を発表し、2010年にオーナー一族が再び買取を行いました。

2006年には破産申請を行い倒産する報道も出ましたが、なんとか復活を遂げ、2018年の東京モーターサイクルショーにも出店するなど存在感を出しています。

MVアグスタの魅力
フラッグシップモデルにあたるF4シリーズはリッタークラススーパースポーツに分類され、シリーズによってスペックは異なりますが2017-2018年モデルは200馬力前後の最高出力を出しています。
足回りにも徹底的にこだわっていて、スペック的には国産メーカーのスーパースポーツと遜色ありません。

購入価格をはじめ、転倒時の部品代も高価なため、レースで使う人は少なくツーリングやサーキットのスポーツ走行を楽しむ用途が中心です。
オーナーの大半は走行性能やコストパフォーマンスを含めたパッケージングではなく、スタイリングや質感に惚れ込んでいます。

購入しても、もったいなくて思いっきり走れないという意見も多く、最近ではF4よりも下のクラスにあたるF3やネイキッドのブルターレシリーズがよく売れています
財政難から立ち直るべく、今後はF4の製造を終了させて販売台数を稼げるミドル車種に注力する方針を出しています。

MVアグスタの魅力は財政難になって破産手続きをする段階になるまで開発への投資を惜しまなかったことで、商売を度外視した豪華装備や細部へのこだわりが詰まったバイクです。

バイク好きには「走る宝石」というブランドイメージが定着していて、イタリア車らしい美しいフォルムと高い質感による保有する優越感が1番の魅力です

レースになればライバルメーカーに負けるかもしれませんが、アマチュアレベルであれば性能差を感じられないくらいの走行性能を持っています。

MVアグスタ F4シリーズの特徴や買う・売る時のポイント
MVアグスタ F3 675の特徴や買う・売る時のポイント
MVアグスタ F3 800の特徴や買う・売る時のポイント
MVアグスタ BRUTALE800の特徴や買う・売る時のポイント
MVアグスタ BRUTALE DRAGSTER 800の特徴や買う・売る時のポイント
MVアグスタ BRUTALE 1090の特徴や買う・売る時のポイント
MVアグスタ RIVALE800の特徴や買う・売る時のポイント
MVアグスタ TURISMO VELOCE800の特徴や買う・売る時のポイント
MVアグスタ RVS#1の特徴や買う・売る時のポイント

新車の売れ筋バイク

1位:ブルターレ800
2位:F3 800
3位:RIVALE 800
4位:F4
5位:F3 675

かつてはF4を代名詞にした4気筒エンジンが主力でしたが、近年は800ccクラスの3気筒エンジンが売れ筋です。国内での売上はここ数年2桁成長を続けていて、比較的リーズナブルに購入できるミドルクラスが人気を牽引しています。

高いブランドイメージのほか、楽しく走れて高い走行性能を両立している点が評価されています。F4は生産終了を発表し、駆け込み需要によって販売台数を増やしています。

MVアグスタのバイクの中古買取相場や中古市場動向

車種名 / 排気量 / 買取相場(目安) / 平均
F3 / 675cc / 55〜100万円 / 70万円
F3 800 / 800cc / 65〜100万円 / 80万円
F4 / 1,000cc / 50〜100万円 / 70万円
F4RR / 1,000cc / 100〜180万円 / 130万円
ストラダー800 / 800cc / 30〜60万円 /40万円
ブルターレ800 / 800cc / 30〜60万円 /40万円
ブルターレ800RR / 800cc / 50〜75万円 /60万円
ブルターレ1090 / 1,090cc / 50〜80万円 / 65万円
ブルターレ1090R / 1,090cc / 70〜80万円 / 75万円
ブルターレ1090RR / 1,090cc / 70〜80万円 / 75万円
リヴァーレ800 / 800cc / 45〜70万円 / 55万円

高く売れるバイク

1位:F3 800シリーズ
2位:F3 675シリーズ
3位:F4シリーズ
4位:ブルターレ1090

MVアグスタは全般的に中古買取相場は安いです。維持費のかかるバイクメーカーで、価格と性能で見れば国産バイクの方がコストパフォーマンスに優れているため、ベテランでお金を持っている方に好まれるバイクメーカーです。

オーナー層に偏りのあるため、中古で購入したい需要が低くて新車購入にこだわるユーザーの比率が高いため、中古相場は安くなっています。

新車の売れ筋車種はブルターレシリーズですが、中古市場ではフルカウルのスポーツバイクの方が高く評価されています。スポーツバイクでも、サーキット走行で使われていた中古車両は少なく、専門店でミッチリ整備されてきたバイクの比率が高いです。

維持費や故障と転倒時の破損リスクは高いですが、新車価格と中古バイクの状態の良さを考慮すれば割安感の出やすいメーカーなので中古購入は狙い目です。

おわりに

MVアグスタはオーナーの評価が高いバイクメーカーです。ただし、売る時の査定価格はそれほど期待できません。高年式になるほど割安感は高いですが、ブランド力があるので一定の水準で底打ちします。

オーナーの大半は大型バイクを乗り継いできたベテランライダーです。国産バイクでは物足りなくなった人や、他の人と車種やメーカーの被ることが嫌な方にオススメです。
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