KYMCO Racing 180 ABS+motocamの特徴と買う・売る時のポイント
Racingシリーズはキムコの主力スクーターです。ベースのRacingS125は、国産バイクでいうシグナスX SRのような存在で、軽量ボディとバンク角でスクーターレースでの人気も高い車種です。Racing 180 ABS+motocamは、125ccと共通のボディに180ccエンジンを組み合わせたモンスターマシンです。
シリーズのフラッグシップにあたり、標準とABS+motocamの設定を選べる150ccモデルとは違い、グレード設定は全てをセットにした1つのみです。150ccモデルから排気量を拡大しただけではなく、エンジンを水冷にしたことで大幅な出力アップを実現しました。
150ccモデルでは、上位グレードにのみ付いているABSと、2輪初の標準装備になったドライブレコーダー(motocam)を標準装備しています。最高速は口コミによると時速140km以上も可能になるようです。
高速走行を含めてそこまでスピードを出すことはなくても、時速80kmや100kmに達するまでの加速力とパワーのゆとりが違います。高速も乗りたいしすり抜けもしたいという人やレースやサーキット走行用に購入する方が多いです。125ccスクーターでは少しパワーの物足りない人には、有り余るくらいのハイパワーです。
出典:http://www.kymcojp.com/index.html
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2輪初のドライブレコーダー標準装備
Racing S180ではmotocamのドライブレコーダーを標準装備しています。バイクのドライブレコーダー標準装備モデルはRacing150と並んで世界初です。フロントマスク中央に埋め込んだドライブレコーダーは、スタイリッシュで見た目にも良い影響を与えています。
さらにABSも標準装備されているので装備は豪華です。エンジン以外の仕様はRacing 150i ABS+motocamと同じです。ただし、RacingS150に採用されているスマホ連動のスマートメーターの設定はありません。
万一の事故では映像の証拠で過失割合の変わるケースもあります。最近ではあおり運転のトラブルや検挙事例も増えているのでドライブレコーダーの普及率はバイクを含めて拡大していく見込みです。
標準の埋め込み式であれば、雨にも強くてカメラを付けっぱなしにするので、盗まれたりイタズラされる心配もありません。180ccモデルはエンジンの大型化コストで価格は割高なので、装備に魅力の感じた人は150ccモデルも検討してみてください。
KYMCO Racing 180 ABS+motocamのスペック
車種名 | Racing 180 ABS+motocam |
---|---|
メーカー | KYMCO(キムコ) |
排気量 | 175.1cc |
発売時期 | – |
エンジン形式 | 水冷4ストローク単気筒 / OHC4バルブ |
燃費 | 47.18km/L(60km/h) |
トランスミッション形式 | CVT |
クラッチ形式 | – |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
フレーム形式 | アンダーボーン(ハイドロフォーミングフレーム) |
車両重量 | 138kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 12.87kw(17.6PS)/8,250rpm |
最大トルク | 15.69Nm(1.6kgf-m)/7000rpm |
新車価格 | 518,400円 |
中古車相場 | 17〜22万円(2012年式Raicng180Fi) |
KYMCO Racing 180 ABS+motocamの評価
近所の街乗り ★★★★★
通勤・通学 ★★★★☆
ツーリング ★★★☆☆
峠・サーキット ★★★★★
足着き性 ★★★★☆
扱いやすさ ★★★☆☆
タンデム ★★★☆☆
カスタム性 ★★★★☆
スクーターレースで人気の高いヤマハ・シグナスX SRは、排気量を180cc前後まで拡大するカスタムが人気になっています。Racing 180 ABS+motocamはスクーター大国でもあり、日本よりもスクーターレースの盛んな台湾メーカーならではの設定です。
大排気量のハイパワーエンジンと125ccクラスでバンク角の出しやすいスポーツスクーターボディとの組み合わせは非常に相性がよく、リッタークラススーパースポーツに小さめのサーキットで互角の勝負をする動画が話題になったこともありました。
150ccモデルから少し排気量を大きくしたものではなく、水冷エンジンの搭載でモンスター級のパワーを手に入れています。国産の200ccクラスのスクーターとも全くの別物です。
CVTのスクーターなので扱えないほどのハイパワーまではいかないですが、値段を含めて峠やサーキットを走らない人には、パワーは有り余っていてもったいないくらいです。初心者が最初に買うスクーターではなく、スクーターを長年乗ってきたベテランライダー向けの車種です。
KYMCO Racing 180 ABS+motocamの新車値引き・カスタムに関して
125cc、150ccモデルとは違い、基本的に台湾への注文販売になり、値引きは0〜3万円です。一部の販売店では店頭在庫を用意して5万円前後の値引きを用意していることもあります。たまに割安な新古車も出ているので、安く買いたい人はGoo-Bikeなどで情報収集してみてください。
レース需要の高くカスタム要素の大きい車種です。マフラーやサスペンションをはじめ、走るコースに応じて駆動系の設定を変えている人が多いです。水冷エンジンで故障リスクもあるので、ある程度は自分でメンテナンスできる人にオススメのバイクです。
中古バイク・買取情報
人気・査定額 ★★★☆☆
タマ数 ★★☆☆☆
カスタム比率 ★★★☆☆
新車価格の高いことを考えると中古バイクの相場は安めです。水冷エンジンに加えてレースや峠で使っている人が多く、状態の悪い中古の多さと故障リスクがネックで中古は割安になっています。割安な中古バイクを買う時はエンジンコンディションを中心に入念な状態確認をしましょう。
全体の中古相場が安いので、大切に乗っていても買取時の価格は低く評価される可能性があります。Racingシリーズの中ではフラッグシップモデルでありながらリセールバリューは1番低くなっていることを踏まえて購入を検討してください。
型落ちのRacing180Fiの価格を見ても、新型登場による値崩れはありませんでした。ライバル不在の軽量大排気量スクーターなので、割安な中古を買おうとする需要もあり、買取価格は一定の水準で底打ちを期待できます。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。