カワサキ NinjaZX-25Rの特徴と買う・売る時のポイント

NinjaZX-25Rは2020年9月10日に発売される4気筒本格スポーツバイクです。
250ccクラスで4気筒バイクが国内販売されるのは、カワサキのバリオス2やホンダのホーネットが2007年に生産終了されて依頼13年ぶり。インジェクションの250ccバイクでは初めての4気筒バイクです。

さらにフルカウルのスポーツバイクで見た場合、カワサキは1995年に生産終了したZXR250以来25年ぶり。ホンダのCBR250RR(MC22)など他メーカーのバイクを含めても20年ぶりのことになります。

ZXR250など当時のバイクを知っている著者から見れば、排ガス規制が厳しくなった時代に250cc4気筒本格スポーツバイクが復活したことを非常に嬉しく感じます。
「250ccの4気筒は何が違うの?」と疑問を抱いている方に対しても4気筒バイクの魅力を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

ラムエア加圧時に46PSを発生するスペック以上に速いバイクで、Ninja400など現行の400ccクラスよりも峠やサーキットに速く走ることができるバイクです。
ただし、旧モデルになるCBR250RR・ZXR250に比べると、車両重量が重たくてホイールベースが長いため、エキスパートのライダーがサーキットを走れば旧型よりも遅くなる恐れがあります。

当サイトでは、CBR250RR(MC22)およびCBR250RR(MC51)など、新旧のライバルモデルと比較したスペックやサーキット・峠での速さを特に詳しく掘り下げています。
このほか新車値引きや中古車価格の推移情報まで幅広く紹介していますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

2019年の東京モーターショーで公開された際の情報を元に、装備の特徴や4気筒バイクの魅力・構造を解説した記事も用意しています。
250ccクラスにおける4気筒バイクの仕組みや歴史を知りたい方はコチラのページをご覧ください。

(参考):新型ZX-25Rが凄い!4気筒本格スポーツ投入で中古バイク市場が変化する可能性も!?

カワサキ Ninja ZX-25Rの特徴と装備

Ninja ZX-25Rは、最大46馬力の高出力エンジンの他に以下の特徴を持ちます。

・Ninjaシリーズらしい顔付きとスクリーン下にラムエアダクトを搭載したフロントマスク
・メーターデザインはNinja250とほぼ共通、タコメーターは最大2万回転まで表示するフルスケール
・カワサキの250ccクラス初の電子制御スロットル
・トラクションコントロール&コーナリングABS
・クイックシフト(SE標準・STDオプション)
・ライディングモード変更機能
・ショーワ製「SFF-BP 」倒立フロントフォーク
・ZX-10Rを彷彿とさせるホリゾンタルバックリンク方式のリアサスペンション
・ラジアルマウントキャリパー
・大型バイクでもトレンドのショートタイプマフラー
・湾曲タイプの左右非対称スイングアーム
・Ninja ZX-10RRのシャーシ設計思想を踏襲した軽量トレリスフレーム
・シートは厚めで長距離ツーリング対応
・サーキット走行を想定したボルトオンで簡単脱着可能のリヤフラップ
・LEDヘッドライト&テールランプとハロゲンウインカーの組み合わせ
・タイヤサイズは前110/70R17・後150/60R17

このように、スタイリング・エンジン・足回り・電子制御技術の全てでカワサキの持っている技術を惜しみなく投入されています。
装備の充実度は650cc以上の大型バイクに匹敵する内容です。

4ストクォーター最強の46馬力

NinjaZX-25Rで最大の目玉になるのが最大出力45馬力(PS)、ラムエア吸気時は46馬力になる最大出力の高さです。
4ストエンジンのクォーター(250cc)バイクでは、1990年代前半に発売されたCBR250RR(MC22)とZXR250の45馬力が最高でした。

90年代に席巻した2つの車種はZXR250が1993年、CBR250RRが1994年に自主規制によって40馬力へ引き下げられています。
NinjaZX-25Rは当時よりも圧倒的に厳しくなった排ガス規制をクリアしながら、歴代最大出力を確保したことが素晴らしいです。

ラムエア吸気とは?

ラムエア吸気とは走行風を直接エアクリーナーへ送り込むシステムのことで、ラムエアを用意していないバイクに比べてエンジンへ取り込める空気量が最大で2倍に増やせます。
簡単に言えば走行風の力を使ってターボチャージャーやスーパーチャージャーのように、大量の空気を送ってエンジン内の爆発を強くする仕組みです。

スペックにラムエア吸気時の記載があるのは、速度・風向き・気圧によってはラムエアが効果を発揮するための正しい空気を取り込めないことが関係しています。
簡単にまとめると直線で高速走行を続けている場合は高い確率でラムエア吸気が行われ、スタート時の発進や速度の落ちるコーナリング前後はラムエア吸気の条件を満たせないことが多いです。

インドネシア仕様は51馬力

日本仕様の正式発表より10日早く公開されたインドネシア仕様では、驚異の最大出力50馬力・ラムエア吸気時最大51馬力を誇ります。
残念ながら日本仕様は排ガス規制などの影響で出力を5馬力下げる設定変更が行われました。

しかし、海外モデルで最大51PSを確保しているのは、簡単なチューニングで出力を高められるポテンシャルを持っている証拠です。
また、並行輸入などでインドネシア仕様が国内に流通する可能性も高いでしょう。

スペック以上にライバルを圧倒する?

ライバルメーカーの2気筒バイクに比べて、4気筒バイクはスペック以上にレスポンスと加速性能が優れています。
参考までに、ヤングマシン誌が検証したCBR250RRの新旧0-1,000mの直線対決(ゼロセン)では、旧型であるMC22型が現行モデルを圧倒しています。

旧型CBR250RR(MC22)は規制後のモデルで最大出力40馬力。新型CBR250RR(MC51)は最高出力38馬力のため、スペック上の馬力差はごく僅かですが、ゼロからの加速などシーンによっては大きな差が出ます。
新型NinjaZX-25Rについても、2気筒エンジンを搭載しているライバル車種を加速性能で圧倒できるでしょう。

ちなみに、2気筒エンジンを搭載した400ccバイクのNinja400は最高出力48馬力です。スペック上はZX-25Rをリードしていますが、2気筒エンジンの特性から加速性能ではZX-25Rに劣ります。
4気筒エンジンを搭載したホンダ・CB400SF/SBの最高出力は56馬力になりますが、ギア比をマイルドに設定していて重量が重いため、初心者や中級者が峠やサーキットを走った場合はZX-25Rの方が速いタイムを出しやすいです。

重くてホイールベースのあるバイクでも完璧に操るエキスパートライダーが乗り比べた場合は、テクニカルなコースを除いて排気量が大きなCB400シリーズの方が速いタイムを出せるでしょう。

CBR250R(MC21)より遅い?

スペック上は20年以上前のモデルにあるCBR250RR(MC22)と同等スペックで、規制後と比較すれば5~6馬力ほど最高出力でリードしています。
しかし、サーキットや峠を速く走れる点では、以下のスペックで旧モデルの方が優れています。

CBR250RR(MC22) ZXR400 NinjaZX-25R
車両重量 157kg
(乾燥重量147kg)
装備重量非公開
(乾燥重量141kg)
183kg
(ZX-25R SEは184kg)
ホイールベース 1,345mm 1,360mm 1,380mm

スペック上は大きな差になりますが、新型NinjaZX-25Rはフレームの剛性やマスの集中化、サスペンションの性能アップなど足回りに最新技術が詰め込まれています。
25年以上も時代が異なるバイクですので、実際にバイクへ乗って走り出せばNinjaZX-25Rの方が軽いバイクに感じられるでしょう。
古い構造のフレーム・サスペンションを完璧に乗りこなせる腕があるエキスパートライダーであれば、旧モデルの方が速くコーナーを駆け抜けられる可能性があります。

価格とグレード

グレードはSTD(標準)とSEの2種類です。SEはKRTエディションのグラフィックカラーを用意しています。

グレード一覧

・NinjaZX-25R … 825,000円
・NinjaZX-25R SE … 913,000円
・Ninja ZX-25R SE KRT EDITION … 913,000円

SEの違い

・KQS(カワサキクイックシフター)
・USB電源ソケット
・ウインドシールド(スモーク)
・フレームスライダー
・ホイールリムテープ

STDでもSEの装備をオプションで用意することができます。
クイックシフト単体で40,810円。SE向けの全ての装備を装着しても95,932円ですので、SEのお得度は2万2千円程度です。
全ての装備を装着したい方や、KRTエディションのグラフィックカラーを選びたい方はSEを検討してみてください。

カワサキ Ninja ZX-25Rのスペック

車種名 NinjaZX-25R(ニンジャゼットエックス・トゥエンティファイブ・アール)
メーカー KAWASAKI (カワサキ)
排気量 249cc
販売時期 2020年9月10日
エンジン形式 水冷4ストローク直列4気筒/DOHC4バルブ
タイプ スポーツ
シート高 785mm
軸距 1,380mm
燃料タンク容量  15L
燃費 国土交通省届出地 24.0km/L
トランスミッション形式 常噛6段リターン
クラッチ形式 湿式多板
燃料供給方式 インジェクション
フレーム形式 トレリス
車両重量 183kg(SEは184kg)
乗車定員 2名
最高出力 33kw(45PS) / 155,000rpm ※ラムエア吸気時34kw(46PS)
最大トルク 21N・m (2.1kg・m) / 13,000rpm
新車価格 825,000円(STD)/913,000円(SE)
中古車相場

カワサキ NinjaZX-25Rの評価

近所の街乗り  ★★★★☆
通勤・通学   ★★★☆☆
ツーリング   ★★★★☆
峠・サーキット ★★★★★
足着き性    ★★★★☆
扱いやすさ   ★★★☆☆
タンデム    ★★★☆☆
カスタム性   ★★★★☆

現行モデルでは唯一の直列4気筒エンジンを搭載したバイクで、性能面ではライバルを圧倒しています。
スペックや直線・コーナリング性能では文句の付けようがありません。
価格は割高ですが、装備を考慮すれば納得のいく価格設定。エンジン性能の違いを考えればホンダのCBR250RR(821,700円)と同等水準の価格設定にまとめた点を高く評価できます。
間違いなくCBR250RRから大きくシェアを奪うことになるでしょう。著者も予算を気にせずに250ccバイクを買えるなら迷わずZX-25Rを選びます。

ZX-25Rのデメリットは、ランニングコストが高くなる点です。
燃費が悪いことに加え、4気筒エンジンのためプラグ交換は4本必要。高回転型エンジンになるのでオイルメンテナンスにも気を使わないといけません。
リッタークラススーパースポーツとは異なり、マイルドな乗り味でシート高が低いため、街乗りや通勤・通学、長距離ツーリングなど幅広いシーンで活用できます。

4気筒のレスポンスや2気筒エンジンを圧倒する加速性能は幅広いシーンで恩恵を感じられますが、峠やサーキットでの速さを追求しない方はコスパの悪いバイクです。
新古車であればZX-25Rの半額程度で買うこともできる2気筒や単気筒のバイクとも比較して、本当に歴代最強クラスのスポーツ性能が必要なのか整理した上で検討してください。

カワサキ NinjaZX-25Rの新車値引き・カスタムに関して

新車値引きに関しては発売前の情報ですが、メーカーは安売りせずに値引きを引き締めた販売を続けることになるでしょう。
ホンダ・CBR250RRは発売から1年ほど経過して値引き枠を拡大しましたが、カワサキのディーラーではホンダ以上に値引きを引き締める可能性があります。
発売直後に買いたい方は値引きなしの条件も想定してご検討ください。

カスタムについては、スポーツ性を高めるためにマフラーを交換する需要が高くなるでしょう。
海外モデルの最大51馬力を確保するために、吸排気とコンピューターのチューンをする需要が高くなる可能性もあります。
ただし、ホンダ・CBR250RRを見るとノーマルで乗っている方の比率が高く、公道で使う方はノーマル。サーキット使用はカスタムといった2極化をするかもしれません。
発売当初から社外メーカーがアフターパーツを続々と発売しているため、カスタムの選択肢は多くなりそうです。

中古バイク・買取情報

人気・査定額 ★★★★★
タマ数    ☆☆☆☆☆
カスタム比率 ☆☆☆☆☆

間違いなく中古市場で高い評価を得られるバイクです。在庫不足や遠い将来に生産終了すればプレミアムが付くことになるでしょう。
注意点としては、インドネシア仕様が5馬力高いスペックになっていることです。今後改良を進めて最大出力を高める改良が行われれば、初期型の買取価格は安くなるかもしれません。
それでも全体的にホンダ・CBR250RRより高い評価を受けられる可能性が高いでしょう。
新車価格は高いですが、売却する際のリセールを考えればお得な1台です。

カスタムに関しては高く評価されるかが不透明です。スポーティーなカスタムはエンジンの負担が大きい使い方をしていたことを懸念され、マイナス査定の対象になる恐れがあります。
クイックシフトなどを用意したSEであれば、無条件でSTDより高く売れる見込みです。カスタムを検討している方は、まずはSEを買うことを優先的に考え、マフラーなどのノーマルパーツを保管しておくとよいでしょう。

おわりに

NinjaZX-25Rはリッタークラススーパースポーツバイクを純粋にダウンサイジングしたようなバイクです。
実際にインドネシア仕様のバイクのスペックを見れば排気量に対して2倍の最大出力を出せる点がリッタークラスSSと共通。エンジンの圧縮比も同等水準になっています。

価格を見れば大型バイクを買った方がコスパに優れていますが、250ccクラスならではの旋回性と取り回しの良さが魅力です。
車検が不要になるため、中免(普通自動二輪免許)でとにかく速いバイクを探している方には強くおすすめできます。
大型自動二輪免許を持っている方でも、250ccクラスならではの手軽さやサーキットのショートコースで強みを発揮する旋回性がありますので、検討する価値がありますよ。

旧型のCBR250RR(MC22)やZXR250と比べると劣る面もありますが、シャーシやサスペンションの違いから初心者・中級者であれば新型NinjaZX-25Rを乗った方が速いタイムを出せます。
インジェクションエンジンによるメンテナンスの楽さや故障リスクの少なさも魅力ですよ。著者なら迷わずに古いモデルではなく新型を買います。

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