ホンダ X-ADVの特徴と買う・売る時のポイント
X-ADVは2017年4月に発売した、大型アドベンチャースクーターです。開発コンセプトは「平日は都会をスマートに移動し、休日は日常を離れて冒険へといざなう“アドベンチャースピリット”を持つモーターサイクル」。発売時に発表されたコンセプトは「GO EVERYWHERE with EXCITEMENT〜アクティブな心躍る気持ちでどこへでも行ける〜」です。
NC750をベースにスクーター化を行い、ミッションはDCTのみの設定です。エンジン、メインフレームはNC750用を流用し、ビッグスクーターのボディと融合させました。ミッションバイクとスクーターの双方の良いところを併せ持ち、アドベンチャーバイクの要素も取り入れたことで、既存車種にはない守備範囲の広さを実現しました。
DCTとの組み合わせでミッションバイクのようなエンジンフィーリングを実現し、バンク角を出せるので峠のワインディングもこなせます。シート下にはフルフェイスを収納可能なラゲッジスペースを用意し、スクーターのフロアポジションによって街中を快適にクルージングできます。使い勝手は車のSUVに近いですが、2輪ならではのスポーツ性もプラスされた快適で楽しいバイクです。
https://www.honda.co.jp/より
ホンダ X-ADVの特徴
車種名 | X-ADV |
---|---|
メーカー | HONDA (ホンダ) |
排気量 | 745cc |
販売時期 | 2017年4月 |
エンジン形式 | 水冷4ストローク直列2気筒/OHC4バルブ |
タイプ | アドベンチャー |
シート高 | 790mm |
軸距 | 1580mm |
燃料タンク容量 | 13L |
燃費 | 国土交通省届出値40.0km |
トランスミッション形式 | 電子式6段変速(DCT) |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 |
燃料供給方式 | 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
車両重量 | 238kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 40kW(54PS) / 6,250rpm |
最大トルク | 68N・m(6.9kgf・m)/ 4,750rpm |
新車価格 | 1,236,600円 |
中古車相場 | 90-100万円(2017年式) |
X-ADVの装備
エンジン | NC750シリーズで使われている745cm3のRC88E型水冷4バルブSOHC4ストローク並列2気筒エンジンを搭載。ギア比などの設定を変更、排気量の問題でAT限定免許では乗れません |
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トランスミッション | NC750シリーズでは上位モデルのみの設定になるDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を標準装備 |
駆動 | チェーンドライブ方式、見た目はスクーターですが走行機関はミッションバイクに近い |
シャーシ | NC750シリーズのダイヤモンドフレームがベース。専用のアルミ製極太スイングアームを組み合わせる |
フロントサスペンション | インナーチューブ41mm倒立フロントフォーク、プリロード調整機構(伸び側の減衰力調整機構付き) |
リアサスペンション | プロリンク式モノサス、プリロード調整機構 |
ホイール、タイヤ | フロント120/70R17、リア160/60R15、アルミ製のスポークホイール |
ブレーキ | フロントブレーキにCRF1000L Africa Twinにも採用されているラジアルマウント式対向4ポッドブレーキキャリパー+ダブルディスクを採用、リアブレーキはシングルディスク |
電子制御 | オフロード向けのGスイッチ、Honda セレクタブル トルク コントロール、ABS |
シート下収納 | 21Lラゲッジスペース、フルフェイス1個収納可能、ライト&アクセサリーソケット付き |
灯火類 | フルLED |
メーター | フル液晶多機能メーター、同時に多数の表示をできるスクエア型 |
ウインドスクリーン | 工具不要で5段階の手動調整可能 |
ハンドル | オフロードテイストの強いバーハンドル、ナックルガードを標準装備 |
その他の標準装備 | スマートキー、ETC、グリップヒーター |
悪路走破性能について
X-ADVは、未舗装道路やちょっとした林道も走れるようにフロント17インチのホイールを装備しています。リアは収納スペースと足着き性を重視した15インチの小型ホイール、チューブレスタイヤとスポークホイールで衝撃吸収性能に優れています。
XーADVはスクータースタイルにしながら、電子制御の力で高い悪路走破性能を可能にしました。最新のセレクタブルトラクションコントロールに加えて、DCTの設定をオフロード向けにするGスイッチを用意し、場面に応じて簡単にオフロード仕様へ最適化できます。
サスペンションのストロークは短めなので、コースを走ったり崖を登る本格的なオフロード走行はできませんが、ツーリング先の未舗装道路は電子制御の力で快適に走れます。見た目以上の悪路走破性能があり、電子制御の進化がなければ実現しなかったコンセプトのバイクです。
ホンダ X-ADVの評価
近所の街乗り ★★★☆☆
通勤・通学 ★★★★☆
ツーリング ★★★★★
峠・サーキット ★★★☆☆
足着き性 ★★★★☆
扱いやすさ ★★★★☆
タンデム ★★★★☆
カスタム性 ★★★★☆
オーナー満足度の非常に高い車種です。アドベンチャーバイクとして悪路を積極的に走っている人は少ないですが、DCTと大排気量によってTMAX530などの大型ビッグスクーターとは比べ物にならない加速性能を誇ります。NC750ベースなので見た目よりも重量が軽くて扱いやすいです。
ただし、ネックになるのは価格設定です。NC750XのDCT仕様が約95万円なので、X-ADVは30万円弱割高です。標準装備が充実しているとはいえ、価格設定を高く感じます。250ccミッションバイクと同等水準の低燃費性能を誇りますが、ランニングコストが安くても車体価格が高ければ魅力は薄れてしまいます。
アドベンチャーテイストをなくして、一部の外装やホイールを簡略化させたオンロード重視の派生車種を作ってくれれば、より多くの人から購入候補に入る車種になると思います。割高に感じますが、T-MAX530とほぼ同等の価格帯なので、排気量やDCTなど装備の充実度を考えば割安なパッケージングです。
唯一無二のバイクで真っ向からぶつかるライバル車種はありません。スクータースタイルや積載性など、X-ADVならではの特徴や装備に魅力を感じたら選んで後悔ことはありません。
ホンダ X-ADVの新車値引き・カスタムに関して
ディーラーではライバル車種のないことから値引きなしの強気な販売を行っています。本来はドリーム店でしか扱えない車種ですが、一部の格安販売業者は15万円前後の値引き販売をしています。DCTを含めたメンテナンス可否を確認した上で購入する販売店を決めてください。将来的にもディーラーが大幅値引きすることは考えにくいです。
カスタムは、ノーマルでも攻撃的なアップマフラーを採用するなどスポーツ性が高く、スポーツ性や走行性能を高めるためにイジる需要は低いです。長距離ツーリング向けの車種でシート下収納が小さいのでリアボックスを付ける需要が高いです。そのほか、フロアパネルやフォグランプなどの純正オプションを活用したカスタムが人気です。
中古バイク・買取情報
人気・査定額 ★★★☆☆
タマ数 ★★☆☆☆
カスタム比率 ★★★☆☆
発売して1年半が経過して、少しずつ中古のタマは増えています。新車価格に比べると割安ですが、一部の格安販売店が新車を車両価格110万円前後で売っていることを考えると中古相場は妥当な水準です。まだ将来の中古価格の推移は予想しにくいですが、価格帯からTMAX530に近い価格で推移すると予想します。
AT限定免許では乗れませんが、大型AT免許を持っている方は少ないので、購入対象者は他の大型ビッグスクーターと大きな差はありません。スクーター、ツアラー、アドベンチャーバイクなど幅広い車種を検討している方が興味を持つ車種です。安ければ買いたいという需要が高いので、経年数による大きな値崩れはないでしょう。1〜2年で売ると割安になりますが、大切に保管できれば将来高く売れるバイクです。
発売当初に購入した方は、実績の少ない中で攻めたコンセプトの高級バイクを買える資金力のあるオーナーです。豪華装備を多数装着して、ディーラーでしっかりメンテナンスをしていた中古車両が多いです。装備を含めれば新車に比べて割安な中古が多数あります。
おわりに
X-ADVはスクーターとアドベンチャーバイクの両方の特性を持った素晴らしいスペックのバイクです。しかし、もし私だったらX-ADVに120万円以上払うのであれば、中古でビッグスクーターとロードバイクを2台買うことを考えます。保管環境の問題もありますが、私の周りではバイクにハマる人は2台、3台と複数持ちする人が多いです。
何台も持つと結局乗るバイクが偏ってしまい、乗る機会が少なくてエンジン不調になるバイクが出てきたり、メンテナンスの負担を大きく感じてしまうものです。X-ADVは1台しか保管場所を持っていない人をはじめ、複数台持ちから集約させる目的で購入する需要もあります。
複数台のバイクを持つのと、オールマイティのバイクを1台持つのを比べると、どっちが良いかは価値観や環境によって変わってきます。X-ADVを検討している方は、複数台持ちの選択肢も入れて比較検討すると良いと思います。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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