ホンダ NSR50の特徴と買う・売る時のポイント
NSR50は1987年から1999年まで販売していたホンダの50cc本格スポーツバイクです。関東では「エヌチビ」、関西では「エヌゴ」の愛称で親しまれていて、現在でもミニバイクレースで主流になっている車種です。12インチのコンパクトなボディは取り回しが良くて、タイトなコーナーで抜群の旋回性を誇ります。
発売当時はスズキのGAG、ヤマハのYSP50が原付スポーツバイク市場を既に開拓していました。先行していた2車種はスタイリングにこだわったレーサーマシンの最小版という位置づけでしたが、NSR50は本物のマイクロ・レーサーをコンセプトにして走りにこだわって開発されました。
1993年に発売したヤマハのTZM50RがNSR50と正面からぶつかるライバルです。
NSR50の4つのモデル
NSR50は以下の4つのモデルに分類されます。
初期型(1987-1988年式)
3本スポークのホイールに鉄製トップブリッジなど歴代のモデルのなかで装備は劣ります。それでもパワフルなエンジンと旋回性は健在で、兄貴分のNSR初期型(MC16)に比べて評価は高いです。
前期型(1989-1992年式)
チャンバーをアップタイプに変更しているのが特徴。サスペンションが強化されてコーナリング性能を高めています。3本スポークのホイールを装備していて、チャンバーやサスペンションは社外品に交換する需要が高いため、初期型を含めて92年式までを前期に区分されることもあります。なお、後期型以降の6本スポークより前期型の3本スポークの方がホイールの剛性は高くてミニバイクレースでは好んで前期型のホイールを使う方が多いです。
後期型(1993-1994年式)
6本スポークホイールを装着して、シリンダーヘッドの設計を変更するモデルチェンジをしました。ヘッドライトは常灯式へ変更し、サイドスタンドスイッチを導入しています。
最終型(1995-1999年式)
ライバルのヤマハTZM50Rの発売を受けて大幅にパワーアップさせた公道仕様の最終型です。フレームを新開発してスイングアームも左右非対称から左右対称に変更、新設計のクラッチ、大型ラジエターへの変更、フロントフォークの設計変更、新設計のアルミ製トップブリッジにしています。
足回りを大幅にパワーアップして、カウルも跳ね上がったデールデザインにするなど、後期型以前のモデルと外観の差別化を行われています。新設計の電気系が信頼性に欠けるなど欠点もありますがパッケージングは歴代のNSR50を大幅に上回り、中古市場でも大きなプレミアムが付いています。
ホイールのスポーク数で前期(3本)と後期(6本)で分類する動きもありますが、後期型と最終型では装備に大きな違いがあります。
NSR-miniとの違い
NSRーminiとはNSR50をベースにした競技専用モデルです。排ガス規制の影響で、NSR50が生産終了したあとも2009年まで生産を続けていました。
最終型のNSR50をベースにしていますが、電装系の強化など欠点を克服する改良をして、ラジエターをさらに大型化、タイヤサイズを小さくするなどコーナリング性能を強化しています。最終型に比べてもNSR-miniは高い評価を得ています。
NSR-miniは単純に保安部品を外したレースベース車ではなく、後から発売したことを強みに公道モデルをさらにパワーアップさせています。
ホンダ NSR50のスペック
車種名 | NSR250R |
---|---|
メーカー | HONDA (ホンダ) |
排気量 | 49cc |
販売時期 | 1987-1999年 |
エンジン形式 | 水冷2ストローク単気筒 / ピストンリードバルブ |
タイプ | スポーツ |
全幅 | 590mm |
軸距 | 1085mm |
燃料タンク容量 | 7.5L |
燃費 | – |
トランスミッション形式 | 常時噛合式6段リターン |
クラッチ形式 | 湿式多板 |
燃料供給方式 | キャブレター |
フレーム形式 | ダイヤモンド(ツインチューブ) |
車両重量 | 87kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 5.3kW〈7.2PS〉/ 10,000rpm |
最大トルク | 0.65kgf/ 7,500rpm |
新車価格 | 269,000円(1995式) |
中古車相場 | 20-60万円(年式不明) |
ホンダ NSR50の評価
近所の街乗り ★★★★☆
通勤・通学 ★★★☆☆
ツーリング ★★☆☆☆
峠・サーキット ★★★★★
足着き性 ★★★★★
扱いやすさ ★★★☆☆
タンデム ☆☆☆☆☆
カスタム性 ★★★★★
私はNSR50に乗っていた経験があります。バイクに乗り始めたのは2001年で、当時はNSR50が生産終了して間もなく、中古でプレミアムの付いていない時代でした。初めてNSR50を見た時は、おもちゃみたいなバイクという印象で魅力を感じませんでした。
しかし、峠やサーキットでNSR50の走りを見て、ミニバイクの凄さと奥深さに驚きました。その後、縁があって安く中古購入できました。私の身長は175cmなので窮屈で足をつった経験もあります。それでも12インチのミニバイクならではのコーナリング性能と、2ストのエンジンは他の車種にはない魅力を感じました。
現代においてNSR50の魅力は公道を走れる点です。エンジンフィーリングに惚れて競技目的で購入するのも悪くないですが、今からミニバイクレースをするなら4ストのNSF100を買った方が出れるレースが幅広いです。本格的なレースもできるフルカウルのミニバイクで公道も走れるのは、当時のバイクならではの魅力です。
2ストなので故障リスクは高いですが、単気筒エンジンのシンプルな構造なので、メンテナンスはNSR250に比べて楽です。キャブのオーバーホールくらいまでできれば、街乗りや通勤・通学などアクティブな使い方もしやすいです。
中古バイク・買取情報
人気・査定額 ★★★★★
タマ数 ★★☆☆☆
カスタム比率 ★★★★★
流通量はあるのですが、市場に売りに出る台数が少ないです。ミニバイクレースをする人などコアな需要があるので、知人や紹介などの個人売買で取引されることが多いです。程度の良い状態だと定価の2倍以上のプレミアムが付いていることもあります。
カスタム比率の高い車種ですが、中古ではカスタムよりノーマルの方が高く評価されています。転倒歴の多い車種で、カスタムペイントよりも純正カラーで転倒歴のない中古は高いです。
業者の販売している中古バイクでも安いものは、現状販売で大きな欠陥を抱えているケースがあります。購入するときは状態を見極める目利き力を求められます。程度の良くて整備済みの中古でも、乗っていると不具合を発生するリスクが高いです。ある程度は自分で整備する必要があります。構造は簡単で整備情報の多い車種なので整備スキルがなくても、やる気さえあればなんとかなります。
売却する際は状態が悪いと安く買い叩かれてしまいます。外装の綺麗な状態は業者への売却をオススメしますが、峠やサーキットで使っている転倒歴の多い中古は個人売買での売却も検討してみてください。
おわりに
NSR50を持っていたときは乱暴に扱っていましたが、私のライディング技術を成長させてくれた思い入れのある一台です。転倒するのを気にせずに乗れて、友人へ貸すことも頻繁にありました。近年はこうした遊び用バイクが少なくなっているのが残念です。
乗る時間がなくて売ってしまいましたが、その後にプレミアムがついたので後悔しています。今売れば高く売れたかもしれない気持ちではなく、高騰して買い直すことが難しくなったことへの後悔で、元オーナーとしては未練の大きいバイクです。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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