ホンダ CRF1000(1100)L Africa Twinの特徴と買う・売る時の特徴
CRF1100Lアフリカツイン(Africa Twin)は、ホンダの本格アドベンチャーバイクです。2013年にホンダが長年参戦を見送っていたダカール・ラリーへの参戦を復活させたことをキッカケに、かつて販売していたアフリカツインを彷彿とさせるバイクを作ることを発表しました。
2014年のミラノショーでコンセプトモデルを発表し、日本仕様は2016年2月12日にCRF1000Lアフリカツインを発売しました。ラリーも走れるオフロード向けのデュアルバーパスバイク(オンとオフを両方走れるバイク)で、ホンダ独自技術のノークラッチで自動変速するDCT仕様をラインナップしています。
シート高2段階調整機構・ETC車載器、後輪のみON/OFFスイッチ付ABS・3段階+オフに設定可能な、セレクタブルトルクコントロール・パーキングブレーキ(DCT車のみ)を標準装備しています。リアのみABSをオフにすることで、オフロードにおけるリアブレーキのテクニックを駆使した乗り方が可能です。
その後は2019年10月に排気量拡大・ボディの軽量化を行うフルモデルチェンジを行い、車名を「CRF1100Lアフリカツイン」へ変更しました。
コンセプトは「Adventure Sports(アドベンチャースポーツ)」で、オフロード性能を極限まで高めつつ、どこまでも走り続けられる長距離ツアラー性能を兼ね備えています。アフリカツインの名称で分かるように、エンジンは並列2気筒で、排気量1,082ccのSD08E型水冷4ストローク4バルブOHCエンジンを採用しています。
アフリカツインで初採用されたユニカムバルブトレインに加えて、270°位相クランクシャフト・クランクケース内蔵オイルタンク式ドライサンプ構造など、最新技術をふんだんに取り入れた専用開発エンジンです。
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ホンダ CRF1000(1100)LAfrica Twin(STD・MT車)の特徴
車種名 | CRF1100L Africa Twin (CRF1100Lアフリカツイン) |
---|---|
メーカー | HONDA (ホンダ) |
排気量 | 998cc |
販売時期 | 初代2016年2月12日、2代目2019年10月23日 |
エンジン形式 | 水冷4ストローク直列2気筒/OHC(ユニカム)4バルブ |
タイプ | アドベンチャー |
シート高 | 850mm/810mm(ロー設定) |
軸距 | 1560mm |
燃料タンク容量 | 18L |
燃費 | 国土交通省届出値 32.0km/L |
トランスミッション形式 | 常噛6段リターン |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
車両重量 | 226kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 75kW(102PS) / 7,500rpm |
最大トルク | 105N・m(10.7kgf・m)/ 6,250rpm |
新車価格 | 1,617,000円〜 |
中古車相場 | 85-100万円(2016年式) |
モデル一覧
・CRF1100L Africa Twin (STD・MT車)
価格:1,617,000円
特徴:ベースグレード
・CRF1100L Africa Twin Dual Clutch Transmission (DCT仕様)
価格:1,727,000 円
特徴:DCTによる快適走行、重量はMT車より10kg増
・CRF1100L Africa Twin Adventure Sports
価格:2,057,000円
特徴:ビッグタンク、可動式スクリーン、キャリアなどを装備したロングツアラー向けモデル
・CRF1100L Africa Twin Adventure Sports Dual Clutch Transmission
価格:1,914,000円
特徴:上記Adventure SportsのDCT仕様
・CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES
価格:1,947,000円
特徴:Adventure Sportsにショーワ製電子制御サスペンションを追加
・CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission
価格:2,057,000円
特徴:上述Adventure Sports ESのDCT仕様
先代のアフリカツイン
アフリカツインはCRF1000L/CRF1100Lのほかに以下の2つのモデルがあります。
・アフリカツイン(XRV650)
当時パリ・ダカールラリーの2輪部門で2連勝していたNXR750のレプリカモデルとして、1988年に500台限定で発売しました。ほとんど中古市場にも出回らない希少モデルで、647cc水冷3バルブVツインエンジンを搭載しています。エアアシスト付きフロントフォークなど、ワークスマシンのレプリカらしく豪華な足回りとパワフルなエンジンが特徴です。
・アフリカツイン(XRV750)
1990年にRD04型として500台限定発売、1993年にRD07型にモデルチェンジして300台限定で発売しました。RD07型の発売以降は2000年まで毎年イヤーモデルを変えながら年間200-300台販売していたため、中古市場でも流通している車種です。
現行のCRF1000Lアフリカツインは、XRV750から採用されたデュアルヘッドライトなど先代のデザインの継承をしていますが、CRFの冠がついたように基本構造は全く違います。
CRF1100(1000)Lアフリカツインはレプリカモデルではなく、ツーリング性能も重視した新開発並列2気筒エンジンを採用し、実用性を大幅に高めています。
昨今はBMWのGSシリーズやドゥカティのムルティストラーダシリーズなど、大排気量のアドベンチャーバイクが世界中で流行しています。CRF1100(1000)Lアフリカツインは数少ない国産本格ツアラーバイクで、DCT車を設定するなど、ホンダの独自技術をふんだんに取り入れて個性を出しています。
海外メーカーのリッタークラス本格アドベンチャーを買おうとすると車両本体価格だけで200万円以上しますが、CRF1000LアフリカツインはベースグレードのMT車で161万円からのリーズナブルな価格設定も魅力です。
なお、初代CRF1000L発売当時の車両本体価格は約138万円でした。消費税増税や排気量アップ、製造コストアップの影響によって現行モデルは23万円の値上げが行われています。
CRF1100(1000)Lアフリカツイン相場情報・中古販売価格の推移
当サイトでは、CRF1000(1100)Lアフリカツインの相場情報を独自に調査、集計しています。
細かい情報をご覧になりたい方はこちらのデータをご参考ください。
ホンダ CRF1000L Africa Twinの相場情報の詳細


アフリカツインDCT車の試乗レビュー
当サイト執筆車のブルは2017年にお台場で行われたHonda Dream Festa試乗会で、CRF1000LアフリカツインのDCT車に試乗してきました。試乗した印象は車高が非常に高くて身長175cmの私でも、つま先立ちするのがやっとです。
車高が高くて大きな車体を、半クラッチなしのDCT車で発進して低速走行するのは違和感がありました。それでも、太い中低速トルクと電子制御の恩恵で安定感が非常に高く、隊列を組んでの走行でもすぐに慣れました。
車高が高いので、舗装道路をゆったり走るだけでも気持ちよくて、想像以上に楽しく走れました。
試乗レビューの詳細はコチラのページで紹介しています。
Honda Dream Festa試乗会レポート④ CRF1000L AfricaTwin編(2017/4/23)
ホンダ CRF1100L Africa Twinの評価
近所の街乗り ★★★☆☆
通勤・通学 ★★★☆☆
ツーリング ★★★★★
峠・サーキット ★★★★☆
足着き性 ★☆☆☆☆
扱いやすさ ★★★☆☆
タンデム ★★★★☆
カスタム性 ★★★☆☆
シートの高いラリー仕様のアドベンチャーバイクですが、ローダウン仕様(LD)とDCTの設定によって守備範囲が広いです。快適で楽しく走りたいのであれば、DCT車をオススメします。オフロードでの走行性能を重視したい場合は軽量のMT車を選ぶと良いでしょう。
大排気量で中低速トルクを重視した並列2気筒エンジンによって、軽量で扱いやすい乗り味です。車高が高い分だけ気持ちよく走れるので、オフロードを乗る機会の少ない人でも満足できます。
DCT車でも未舗装道路や林道などを軽快に走れますし、モード変更を活用することでスポーティーに走ることも可能です。リアのABSをオフにすることで、ブレーキングを駆使した乗り方も可能でベテランライダーまで満足できる設定です。
オンロード重視の方は足つき性を重視してLD仕様をオススメします。エントリーグレードにLD設定のない点を残念に感じます。シート高設定をローに設定して、純正オプションのローシートを組み合わせるとシート高は810mmまで下げられます。
2019年のモデルチェンジでCRF1100Lへ変わり、大幅な値上げを行われました。アップデートされた内容に対して値上げ額は高いと感じていますが、排気量の拡大と軽量化を同時に行う進化を遂げました。
機能性や総合力を重視する方は現行モデル。割安感を求める方は先代(CRF1000L)を狙うとよいでしょう。
CRF1100(1000)L Africa Twinの新車値引き・カスタムに関して
通常値引きで5万円ほどしか値引き枠がありません。モデルチェンジで大幅な値上げを行ったにも関わらず、最大20万円ほどの値引きが可能だった先代よりも値引きが引き締められました。メーカーが販売台数を求めない方針を持っているのでしょう。非正規ショップはドリーム店(ディーラー)に比べて保証内容の変わる可能性があるので、メーカー保証を受けられるか確認して検討しましょう。Adventure Sportsになると値引き枠が若干落ちるようです。
カスタムに関しては純正オプションのローシート、スクリーン、トップケースなどが人気です。専用オプションを多数用意しているので、新車購入時はオプション値引きの交渉もしてみましょう。マフラー交換の需要は低いです。
中古バイク・買取情報
人気・査定額 ★★★☆☆
タマ数 ★★★☆☆
カスタム比率 ★★☆☆☆
CRF1000Lアフリカツイン発売から4年経過して少しずつ中古のタマが増えてきました。ただし、フルモデルチェンジで値上げされた影響から、型落ちモデルの中古相場は新型発売前と同等水準です。新車が割高になったことを踏まえて中古か新車のどちらにするか決めるようにしてください。
ベテランライダーに選ばれるバイクですので、中古でも程度のよいバイクの比率が高いです。中古バイクの中ではコンディションを見極める必要性が低い車種だと言えます。
中古のカスタムは純正オプションが中心です。買取価格に付加価値は少なく、純正オプションは部品単体でも売りやすいです。時間のある方は車体とパーツで分けて売るとよいでしょう。
おわりに
私の周りには大型アドベンチャーバイクに乗っている方が数名いますが、オーナーの満足度が高く長期間乗っている方が多いです。ホンダは昔から大型オフロードバイクに強いメーカーだったので、国産のなかではおすすめの車種です。
DCTを選んでオプションの大型スクリーンを付ければ長距離ツーリングの快適性はクラストップです。総合力では欧州メーカーのアドベンチャーバイクの方が優れているかもしれませんが、価格やオプション設定、メンテナンス面ではCRF1100(1000)Lアフリカツインはもっとも優れています。
私も乗ってみて車高の高さと、ゆとりある中低速トルクが気持ちよくて欲しくなった車種です。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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