ホンダ CBR1000RR-R FIREBLADEの特徴と買う・売る時のポイント

2020年3月20日にホンダのフラッグシップスポーツバイクのCBR1000RRが、11年ぶりにエンジン・シャーシを一刷するフルモデルチェンジを行いました。
先代から26馬力アップする劇的な進化を遂げ、車名を「CBR1000RR-R FIREBLADE」に変更しています。
なお、正式名称の読み方は「CBR1000アールアールアール・ファイヤーブレード」ですが、「トリプルアール」の俗称で呼ばれることになるでしょう。

エントリーモデルの価格は先代から33.6万円の値上げになりましたが、スペック・装備の進化を見ればコストパフォーマンスでもライバル車種を大きくリードしています。
2020年に新車でリッタークラスSS(スーパースポーツ)を買うなら断トツでおすすめできる車種なので、是非詳細をご覧になってください。

ライバル車種との価格・スペックの比較や、旧型の中古・買取価格の分析情報などを幅広く紹介いたします。

cbr1000rr-r_fireblade
出展:https://www.honda.co.jp

ライバル車種との比較

CBR1000RR-R FIREBLADEは、エンジン・シャーシ・サスペンション・空力性能・電子制御の全てで旧型から大幅なパワーアップを遂げています。
先代よりもハイスペックであることは容易に理解できますが、エントリーモデルで242万円の価格設定がネックになっている方も多いでしょう。
国産メーカーの中では、もっとも高額な車種になり、一部で「欧州車と変わらない価格になった」といった声も聞かれます。

実際にBMWのS1000RRよりも高い価格設定になっていますが、最高出力をはじめスペックの違いを見ればコストパフォーマンスの高い価格設定だと評価できます。
また、電子制御サスペンションを搭載したモデルで比較すれば、CBR1000RR-R FIREBLADE SPはカワサキの「Ninja ZX10-R SE」とほぼ同じ価格設定で、YZF-R1Mよりも安いです。

最高出力の違いはプロレベルでないと実感できませんが、国内最強スペックに乗る優越感を考慮すれば割安な価格設定だと評価できます。

メーカー 車種 メーカー小売価格 最高出力 電子制御サス
ホンダ CBR1000RR-R FIREBLADE 2,420,000円 218PS ×
ホンダ CBR1000RR-R FIREBLADE SP 2,783,000円 218PS
ホンダ CBR1000RR(2019年旧型) 2,084,500円~ 192PS
ヤマハ YZF-R1 2,310,000円 200PS ×
ヤマハ YZF-R1M 3,135,000円 200PS
カワサキ Ninja ZX-10R 2,101,000円 203PS ×
カワサキ Ninja ZX-10R SE 2,706,000円 203PS
カワサキ Ninja ZX-10RR 2,981,000円 204PS ×
スズキ GSX-R1000R ABS 2,156,000円 197PS ×
ドゥカティ パニガーレV4 2,772,000円 214PS ×
ドゥカティ パニガーレV4S 3,442,000円 214PS
ドゥカティ パニガーレV4R 4,550,000円 221PS/234PS ×
BMW S1000RR 2,313,000 円〜 207PS

主な特徴・装備

CBR1000RR-R FIREBLADEの主な特徴と装備をまとめました。
旧モデルとの違いも添えて解説しているので、参考にしてみてください。

●エンジン
直列4気筒999ccエンジンは旧モデルと同じ仕組みですが、Moto-GPマシン「RC213V」の技術をフィードバックした完全新開発のエンジンを搭載。
大径バルブ・フリクション低減を狙ったショートストローク化・高強度アルミ鍛造ピストン・チタンコンロッドなど細部のアップデートによって、1,000cc直列4気筒では世界最高の218PSを達成。

●マフラー
軽量化とマスの集中化を行ったマフラーは、スポーツバイクの社外マフラーで高いシェアを誇るアクラポヴィッチ社と協同開発。

●シャーシ
アルミ製ダイヤモンドフレームを新設計。薄肉GDC(重力金型鋳造)製法の採用によって高精度な剛性チューニングが可能。

●外装
当初は1眼式など大規模なアップデートの噂もありましたが基本デザインは先代を踏襲。目玉になるのはサイドカウルに取り付けられた3段構造のウイングレッドです。
ウイングレット以外に見た目の大きな変化はないですが、タンク・シートカウルも変更されて空力性能を向上させています。

●電子制御
主に以下の8点が旧モデルからアップデート・新採用された電子制御装備です。

・BOSCH製6軸IMU(車体姿勢制御システム)
・TBW(スロットル・バイ・ワイヤシステム)
・エンジンだけではなく、全ての電子制御を一括切り替えするライディングモード
・SHOWA製ロッド式電子制御ステアリングダンパー
・ABSモード切り替え
・スタートモード制御機能
・SP用OHLINS Smart EC(電子制御サス)を第2世代にアップデート
・STDはニッシン製・SPはブレンボ製によるフロントブレーキの強化

このほか、Honda セレクタブル トルク コントロール(HSTC)、クイックシフト(SPに標準装備)など、旧モデルと同様の多彩な電子制御・先進装備を搭載しています。
新型フラグシップモデルだけあって、ホンダの持っている電子制御技術を惜しみなく投入されたパッケージングです。

ホンダ CBR1000RR-R FIREBLADEのスペック

車種名 CBR1000RR-R FIREBLADE
メーカー HONDA (ホンダ)
排気量 999cc
販売時期 2020年3月20日
エンジン形式 水冷4ストローク直列気筒/DOHC4バルブ
タイプ スポーツ
シート高 830mm
軸距 1,455mm
燃料タンク容量  16L
燃費 21.0km/L
トランスミッション形式 常噛6段リターン
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式
燃料供給方式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
フレーム形式 ダイヤモンド
車両重量 201kg
乗車定員 2名
最高出力 160kw(218PS) / 14,500rpm
最大トルク 113N・m (11.5kg・m) / 12,500rpm
新車価格 2,420,000円/2,783,000円(SP)
中古車相場

ホンダ CBR1000RR-R FIREBLADEの評価

近所の街乗り  ★☆☆☆☆
通勤・通学   ★★☆☆☆
ツーリング   ★★★★☆
峠・サーキット ★★★★★
足着き性    ★★★☆☆
扱いやすさ   ★★☆☆☆
タンデム    ★☆☆☆☆
カスタム性   ★★★☆☆

車名変更する大きなモデルチェンジになったため、走行性能が著しく向上しています。出力・トルクだけではなくコーナリング性能も大幅に向上しました。
国産のライバル車種を大きくリードしているので、今から新車を買うのであれば積極的に検討してみてください。
レースシーンでは旧モデルよりも圧倒的に有利になるでしょう。

最高出力は192PS→218PS へ2割以上アップしていますが、峠やサーキットでのスポーツ走行を楽しむ素人レベルでは、出力アップの恩恵を感じるのは困難です。
電子制御の強化などで車両重量は旧モデルから5kg重くなっているので、人によっては旧モデルから買い換えることでサーキットのタイムが落ちるかもしれません。
今まで以上にレース用マシンへ近づけた改良で、峠などの公道では実力を活かしきれないバイクであることを理解しておきましょう。

リッタークラスSSは、最高出力が大きなステータスになります。使い切れるかは別にして、国産メーカーではライバルを大きくリードする218PSは大きな魅力になるでしょう。
ただし、保有する優越感で見た場合は、ウイングレット以外にスタイリングの劇的な変化があっても良かったと思います。

この先も2~4年周期でモデルチェンジを繰り返すことが予想されますが、スペックが大幅に進化する改良は当面ないでしょう。
ライバルメーカーが新型を投入しても、218PSを大幅に上回ることは考えにくく、この先10年前後は最強クラスのスペックを維持できます。
長期間にわたってスペック面でライバルに見劣りしない新型モデルという面で、購入価値が高い車種だと評価しています。

サーキットのスポーツ走行や峠のワインディングなど、スポーツバイクならではの活用を考えている方は、割安な中古の型落ちモデルがおすすめです。
新型CBR1000RR-R FIREBLADEは、多数のセンサーを配置した電子制御の強化と複雑な形状をしたサイドカウル一体型ウイングレットの装着により、転倒した時の修理代リスクが高くなる懸念があります。
趣味の範囲でスポーツ走行をアクティブに楽しみたい方は、旧モデル・他メーカーのSSを比較しながら慎重に検討しましょう。

新車値引き・カスタムに関して

ライバル車種を大きくリードしたスペック&装備の新型モデルなので、当面は値引きを一切期待できません。
旧モデルの在庫車両でも10万円弱の値引きしかしていません。2年以上の長期在庫はさらに値引きが大きくなることもありますが、現時点では値引き無しの条件で検討するべき車種です。

カスタムに関してはノーマルの完成度が高く、無闇に手を加えない方がいいでしょう。
アクラボビッチと共同開発したマフラーを装着しているため、旧モデル以上にマフラー交換をする需要が減る見込みです。
カスタムを希望する場合は、ハイウインドスクリーン・シングルシートカウルなどメーカー純正オプションを検討してみてください。

中古バイク・買取情報

人気・査定額 ★★★★★
タマ数    ★☆☆☆☆
カスタム比率 ★★☆☆☆

新型の中古が流通するには数年かかるでしょう。
メーカー小売価格が旧モデルよりも33.6万円高くなった影響で、中古を求める需要が高まるかもしれません。
旧モデル以上に高いリセールバリューを期待できるので、将来的な売却を視野に入れればお得な車種です。
なお、メーカーは旧モデル(初年度700台・2019年モデル250台)を上回る800台の年間販売計画を公表しています。
高価なバイクなので、注文が殺到して新古車にプレミアムの発生する状況にはならないでしょう。

カスタム比率が低くなる見込みなので、現時点では中古ではなく新車購入を中心に検討してみてください。
数年後の売却を前提に考えている方は、ライバルメーカーの新型車情報を含めて最新動向を小まめにチェックするとよいでしょう。

おわりに

私はスポーツバイク好きなので新型CBR1000RR-R FIREBLADEの装備とスペックに大きな魅力を感じました。
BMW・S1000RRよりも高い価格設定になったのは意外でしたが、国産メーカーの信頼性と部品供給量・メンテナンスのフォロー体制を考えれば外車よりもお得なバイクだと思います。
ただし、高額な価格設定になったことで、旧モデル以上に転べないバイクになったようにも感じました。
今後は、扱いやすさや転倒リスクなどオーナーレビューでどのような評価を得るかに注目しています。

これまでホンダのスポーツバイクはスペックよりも扱いやすさで勝負してきたので、218馬力のガチスペックは衝撃でした。
今後、スーパースポーツバイクは新たな時代に突入するのではないでしょうか。

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