バイクオークションで取引したバイクの名義変更
オークションでバイクを売った場合、ネックになるのが名義変更です。
個人売買の場合は、名義変更を買い手が行うのが基本で、業者に売却する時のように専門家のサポートがありません。
バイクの名義変更の知識やノウハウが無い方は、個人売買の利用を慎重に検討しましょう。
バイクオークションは、業者用オークションとネットオークションの2種類があります。業者用オークションの場合、落札者はオークション会場に保証金を払い保証人を立てている業者会員になるので、トラブルリスクはほとんどありません。
(参考:バイクの業者用オークションとは)
名義変更のトラブルが起きやすいのは、ネットオークションです。ネットオークションは基本的に決まった取引ルールがなく、出品者が自由に名義変更などの取引ルールを設定します。
しかし、行政書士など名義変更代行サービスや出品者による有償サービスなどで手数料を徴収すると買い手がつきにくくなります。そのためネットオークションでは、買い手がバイクや書類を預かって名義変更を行うルールが一般的です。
ネットオークションなどの個人売買は業者用オークションとは違い、買い手が素人の個人のため、名義変更をめぐるトラブルが多いです。
このページの目次です
名義変更のトラブルを防止する方法
ネットオークションでも、出品者にリスクがなくバイクを売る方法があります。
トラブルリスクが少ないネットオークションの取引ルールは次のものがあります。
・出品者が名義変更を行ってから受け渡しをする
・一時抹消した状態でバイクを受け渡す
・ナンバーと書類だけ預けて先に落札者に名義変更してもらう
・名義変更預かり金を設定する
すべての方法で、必ず代金は名義変更をする前に全額前払いで受け取るようにしましょう。
それぞれ詳しく解説します。
出品者が名義変更を行う
名義変更の知識があり、陸運局などに手続きしに行く時間の余裕がある場合、出品者が名義変更手続きを行ってしまえば、確実に落札者の名義に変えられます。
ただし、名義変更は落札者の住所の管轄の陸運局や役所で行う必要があるので、遠方の落札者の場合、出品者が対応する事が難しいです。また、手続き代行費用を徴収すると買い手が付きにくくなります。
250ccを超える車検が切れているバイクを車検取得とセットですべて代行する条件にすれば、相応の代金を請求しやすくなります。
一時抹消した状態でバイクを受け渡す
バイクの個人売買では一時抹消をした状態で受け渡しをする方法が人気です。一時抹消してナンバーを返納すれば、車両受け渡しと代金の受領さえできれば、あとは落札者がすぐに名義変更(登録手続き)をしなくても、売り手に害はありません。
しかし、一時抹消すると自走で乗って帰れないデメリットが発生します。一時抹消をしたバイクを個人売買で取引する場合、出品者か落札者が車に積載して運ぶか、仮ナンバーを取得して自走する必要があります。
250ccを超えるバイクは、車検が残っていても一時抹消すると車検切れの状態になってしまいます。すでに車検が切れている250ccを超えるバイクは、ナンバーが付いていても自走すると交通違反になるので、一時抹消をしてから売るメリットが大きいです。
ナンバーと書類だけ預けて先に落札者に名義変更してもらう
先に名義変更を済ませてから、バイクの車体を受け渡すと落札者が名義変更せずに逃げるリスクが少なくなります。もし、同じ陸運局や役所の管轄でナンバーの変更が必要ない場合は、書類のみで手続きできます。
250ccを超えるバイクで車検切れの場合は、ナンバーと書類だけ渡しても名義変更できません。車検切れのバイクは、陸運局に車体を持ち込んで保安基準適合検査を受ける必要があります。
どうしても車検切れの250ccを超えるバイクを、車両受け渡し前に名義変更してもらいたい場合は、一時抹消して出品者が予備車検を行う方法があります。予備車検とは、一時抹消済みの車両を登録前に保安基準適合検査を受けて、購入者が書類のみで車検付きの条件で登録できる制度です。
名義変更預かり金を設定する
名義変更預かり金とは、ネットオークションで定番になっている取引ルールで、名義変更が完了するまで落札者から保証金を預かる取引方法です。ナンバーが付いているバイクをそのまま受け渡しする場合に活用します。
名義変更預かり金の相場は3万円で、後日名義変更完了した登録書類をFAXやメールで送付してもらい、確認できたら名義変更預かり金は全額落札者へ返金します。3万円ほどの費用を預かる事で落札者は名義変更を後回しにせず、早急な対応を期待できます。
ネットオークションで名義変更をめぐるトラブルが起こった場合
ネットオークションなど個人売買で起こる名義変更のトラブルは、主に落札者が名義変更を行わない事です。ここまでで紹介している通り、抹消渡しや預かり金を受け取れば名義変更のトラブルリスクは少なくなります。
しかし、個人売買では交渉によって預かり金を省略したり、預かり金を受け取ったけど名義変更してもらえないなどといったトラブルが頻繁に起こっています。
ネットオークションなどの名義変更トラブルで難しいのは、車両代金を受け取っている場合です。車両代金を受け取っている以上、落札者が名義変更せずに乗り回しても盗難にはなりません。
お金を受け取っている以上、民事の話になるので、警察に相談しても何も対処してくれません。まずは、根気強く落札者にアプローチをして連絡を取る努力をしましょう。
最終的には陸運局に相談して強制抹消の手続きをするか、民事訴訟での解決になります。取引履歴を証明する書類やオークション履歴の情報を保管しておき、内容証明郵便で催促するなど、証拠を確保する事が大切です。
万が一、落札者が名義変更しないで事故や違反を起こした場合、名義人である出品者に警察などから連絡が入るケースがあります。事故や違反をした時の運転者でなければ責任を被る必要はありません。
オークションで売った証拠を提示して、違反や事故を起こしたのは落札者だと弁明しましょう。
落札者が名義変更前に事故や違反を起こした時に無実を証明できるように、免許証のコピーを預かったり、誓約書を交わし、取引履歴を保存しておくようにしましょう。
まとめ
ネットオークションでバイクを売った場合、名義変更をめぐるトラブルが多いです。
個人売買は名義変更をめぐるトラブルに売り手の責任もあると判断されて、警察や役所はなかなか対応してもらえません。
トラブルリスクをなくす対策を行い、何かあった時には自分の立場が不利にならないように証拠を残しておきましょう。
名義変更の対策を正しく取れないのであればネットオークションは利用しない方が良いです。
業者用のバイクオークションであれば、名義変更のトラブルリスクは少ないです。
売却ではなく購入でオークション代行を利用する場合は、名義変更をしないトラブルが起こると会員の代行業者がペナルティを受けるので、必ず代行業者が手数料を徴収して名義変更手続きを行うルールになっています。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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