Moto-GP第3戦アメリカズGPレポート〜スズキ・リンスが最高峰クラス初優勝〜

2019年4月14日にMoto-GP第3戦アメリカズGP決勝が行われ、スズキのアレックス・リンスが最高峰クラス初優勝を遂げました。スズキは2016年にビニューレス(現ヤマハ)が第12戦イギリスGPで優勝して以来3シーズンぶりの勝利で、Moto-GP復帰2勝目です。

アメリカズGPは2018年までマルケスが6年連続ポールトゥウィンを達成している得意コースです。そのマルケスは7年連続のポールポジションを獲得しますが、決勝でトップ走行中にまさかの転倒でリタイヤになりました。

ロッシは2戦連続の2位表彰台を獲得。3位にはミラーが今季初の表彰台を獲得します。ドヴィツィオーゾは表彰台を逃すものの手堅く4位に入ってポイントを稼ぎ、54ポイントでラインキングトップに躍り出ました。


Youtubeより

安定しない天候で難しいコンディションだった予選

初日のフリー走行は1回目のトップがマルケス、2回目はヤマハのビニャーレスがトップになり、初日総合トップを獲得します。2日目は悪天候によってフリー走行2回目が中止になり、初日のタイムで予選の組み分けが行われました。公式予選でも直前まで雨が降り、路面が半乾きの難しいコンディションでした。

予選Q1では、初日のタイムでQ2ダイレクト進出を逃していたドヴィツィオーゾがピットに留まる展開。結果的に後半からコースインしたドヴィツィオーゾは路面が乾いた影響で、それまでトップだったタイムを1秒以上更新します。その後は各ライダーがタイヤを新品に履き替えて2回目のアタックを行い、ベストタイムを大幅に更新していきます。中上は1回目のアタックで好位に付けるも2回目のアタックで順位を伸ばせず、3戦連続のQ2進出を逃します。

ほぼドライコンディションに回復したQ2では、マルケスが予選開始直後に好タイムを出し、結果的に最後までマルケスを抜くものが現れず、7戦連続のポールポジションを獲得します。マルケスはCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズの略称)の王と呼ばれている得意コースで、持ち前のコース適正を見せつけます。

2番手は前走で2位表彰台を獲得した好調のロッシ。3位は予選終了直前で順位を上げたクラッチロー。2列目はミラー、ポル・エスパルガロ、ビニャーレスと続きます。KTMのエスパルガロは予選で5番手を獲得し、昨年よりもパワーアップしています。

決勝で優勝したリンスは7番手からのスタート。ドヴィツィオーゾは天候によって調整できる機会が少なかった影響もありQ2では伸び悩み13位、Q2進出を逃した中上は15番グリッドでした。

決勝はマルケスが独走態勢からまさかの転倒

2日目、3日目と天候が悪かったアメリカズGPでしたが、決勝は快晴のドライコンディションに恵まれます。マルケスはホールショットを決め、1周目を終えて2位のロッシに0.7秒のギャップを付けます。得意コースということもありますが、第2戦に続いてマルケスだけ別次元の走りでした。

上位グループはロッシ、クラッチロー、ミラー、リンスと予選上位者が順当に占め、13番グリッドスタートのドヴィツィオーゾは好スタートを切って一気に6位まで順位を上げます。3戦連続シングルフィニッシュを狙う中上はスタートで失敗して18番手まで順位を下げ、今シーズン一番の苦しい展開を迎えます。

6番手スタートのビニャーレスはジャンプスタートでライドスルーペナルティを科され、ペナルティの内容をロングラップペナルティと勘違いしてしまいます。結果的にロングラップペナルティとライドスルーペナルティの2つを消化することになって大きく順位を下げます。

マルケスが逃げの体勢を取り、ロッシとクラッチローの2台が追う縦長の展開でレースは進んでいきます。マルケスは順当に差を広げ、ロッシとクラッチローが接近戦の2番手争いを繰り広げる隙にビニャーレスとリンスが2位グループに追いつきます。熾烈な2位争いの中で、3番手を走っていたクラッチローは5周目で転倒します。

マルケスは序盤戦で大きなリードを広げ、8周目には2位とのギャップを約4秒まで伸ばし、今回もマルケスの勝ちが堅いと思った9周目にターン12でまさかの転倒をします。再スタートを試みるもエンジンが掛からずにリタイヤとなってしまいます。

転倒の原因はフロントタイヤから滑らせたもので、油断ではなく不運な要素が強かったです。強引なライディングでも転倒しないのがマルケスの持ち味ですが、今回の転倒は次戦以降に引きずる内容ではないでしょう。

先頭を走っていたマルケスの転倒によってトップ争いがロッシ、ミラー、リンスの3名に変わります。ロッシは猛追するリンスをなんとかブロックしてトップを死守していましたが、残り4周でリンスがオーバーテイクします。すかさずロッシも抜き返しますが、クロスラインでリンスのトップは変わりません。

最終ラップまで接近戦を繰り広げますが、リンスがロッシとのバトルを制してMoto-GPクラス初優勝。ロッシは0.4秒差の2位。ミラーは最終的にトップと8秒以上の差を付けられたものの3位表彰台を獲得します。

ドヴィツィオーゾは中盤で目立った追い上げがなかったものの、上位の相次ぐ転倒などに助けられて4位フィニッシュ。ペトロナス・ヤマハSRTが5位と7位入賞の大健闘を見せました。中上はシングルフィニッシュこそならなかったものの決勝レースでは追い上げを見せ10位入賞を果たします。

ホンダのロレンソは予選からマシントラブルに悩まされていて、決勝でもマシントラブルによってリタイヤ。結果的にレプソル・ホンダチームは得意コースをノーポイントで終えました。

第3戦アメリカズGP 決勝リザルト

1位:A.リンス (チーム・スズキ・エクスター)
2位:V.ロッシ (モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)
3位:J.ミラー (アルマ・プラマック・レーシング※ドゥカティ)
4位:A.ドヴィツィオーゾ (ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)
5位:F.モルビデリ (ペトロナス・ヤマハSRT)
6位:D.ペトルッチ (ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)
7位:F.クラルタラロ (ペトロナス・ヤマハSRT)
8位:P.エスパルガロ (レッドブルKTMファクトリー・レーシング)
9位:F.バニャイア (アルマ・プラマック・レーシング※ドゥカティ)
10位:中上貴晶 (LCRホンダ・イデミツ)
11位:M.ビニャーレス (モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)
12位:A.イアンノーネ (アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)
13位:J.ザルコ (レッドブルKTMファクトリー・レーシング)
14位:M.オリベイラ (レッドブルKTMテック3)
15位:T.ラバット (レアーレ・アビンティア・レーシング※ドゥカティ)
16位:K.アブラハム (レアーレ・アビンティア・レーシング※ドゥカティ)
17位:J.ミル (チーム・スズキ・エクスター)
18位:H.シャーリン (レッドブルKTMテック3)

5Lapリタイヤ  A.エスパルガロ (アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)
5Lapリタイヤ  C.クラッチロー (LCRホンダ・カストロール)
8Lapリタイヤ  M.マルケス (レプソル・ホンダ・チーム)
10Lapリタイヤ  J.ロレンソ (レプソル・ホンダ・チーム)

Moto-3では鈴木竜生が見せ場を作る

今シーズンのMoto-3は第1戦で鳥羽海渡が優勝、第2戦では佐々木歩夢が自己最高の5位入賞を果たし、例年以上に日本人が活躍しています。第3戦アメリカズGPでは、小椋藍の11位が最高位。佐々木歩夢、鳥羽海渡、鈴木竜生がリタイヤ、真崎一輝は16位で結果だけ見るとイマイチです。

それでも、スタート後に鈴木竜生がトップに立つ見せ場を作ってくれました。トップ走行中に痛恨の転倒リタイヤをしてしまいますが、ここまでの3戦で毎回日本人の主役が入れ替わる展開です。5名の日本人が参戦するMoto-3は第4戦以降も注目です。

マルケス&ドヴィツィオーゾの2強は変わらず?

第3戦を終えて、ドヴィツィオーゾが54ptでラインキング1位。2位は勝利こそないものの抜群の安定感を見せるロッシの51pt、アメリカズGP優勝のリンスは49ptの3位に浮上します。リタイヤでノーポイントだったマルケスは45ptでランキング4位に後退。5位のペトルッチは30ptなので上位4名が一歩リードしている形です。

ビニャーレスとロレンソは後半巻き返しのチャンスがあるものの、苦しい前半戦になりました。特にビニャーレスはチームメイトのロッシとここまで大きな差が開くとはシーズン開始前には予想できなかった展開です。

現時点では4名によるチャンピオン争いになっていますが、今年も今の所マルケスがチャンピオン候補の最右翼です。転倒リタイヤで終わったものの、第3戦アメリカズGPでも1人だけ別次元の走りを見せていました。

ドヴィツィオーゾは昨シーズンに序盤戦で伸び悩んで後半にポイントランキング2位まで追い上げました。第2戦・第3戦で優勝争いに加われなかったですが、後半に優勝するレースが増える可能性があるので、チャンピオン争いの2番手です。

ロッシは好調ですが、チャンピオン争いをするには優勝するレースが必要不可欠です。どこかで1勝できれば、そこをキッカケに連勝もできそうな雰囲気を感じていて、チャンピオン争いでシーズン終盤まで残るには今シーズン早い段階で1勝する必要があります。ロッシは2019年シーズンを40歳で迎えていますが、衰えがなく昨年以上にパワーアップしています。

リンスは展開が味方したとはいえ、ロッシとのバトルを制して優勝したことに価値があります。チームとライダーの双方が成長を続けているので、私はチャンピオン獲得の可能性も十分あると見ています。

いずれにしても、上位4名の獲得ポイントが僅差なので、第4戦・第5戦で上位ライダーがリタイヤせずに着実なポイント獲得をすることが必要です。第4戦スペインGP、第5戦フランスGPの結果が今シーズンのチャンピオン争いに大きな影響を与えるでしょう。

〜今後の開催予定〜

・第4戦スペインGP
決勝日時:5月5日21時過ぎ

・第5戦フランスGP
決勝日時:5月19日21時過ぎ

※決勝の概算時刻は日本時間

生中継は日テレジータス(CS)、Huluなど

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