Moto-GP 2019 ストーブリーグ最新情報〜2018年6月12日時点〜

2018年シーズンのMoto-GPは第6戦まで終えて全体の約3分の1を消火しましたが、ストーブリーグ(来季のシート争い)の話題も活発です。2018年6月4日には、ホンダに18年在籍していたダニ・ペドロサの契約終了が発表され、6月6日には3度の年間チャンピオン実績を持つホルヘ・ロレンソが、ホンダと2019年シーズンより契約すると発表しました

もともとホンダは王者マルケスが早々に2019年シーズンの契約延長を発表しており、またダニ・ペドロサは近年の成績から見ても契約満了になる今シーズンで退団が濃厚と見られていました。ペドロサの空いた席に誰が入るのか注目されていましたが、ロレンソのホンダ加入はちょっとしたサプライズ発表でした。

多くのトップチームライダーが2018年シーズンまでで契約を終了するため、2019年のストーブリーグは活発です。最注目されていたホンダ(レプソル・ホンダチーム)のシートが確定して、6月11日には決まっていなかったスズキ、アプリリアのシートも確定、2019年のワークスチーム体制が出揃いました。

残るはプラマック、LCRホンダ、Marc VDS、アビンティアのセカンドシートが未確定となっているのみです。ペドロサ、ミラーなど来季の予定が決まっていない有力ライダーの去就と、2019年の契約更新が決まっていないLCRホンダの中上貴晶が、2019年もMoto-GP参戦を継続できるかが注目ポイントです。

MOTO-GP 2019 参戦チームと契約ライダー*2018年6月6日時点

ワークスチーム

『レプソル・ホンダチーム』
マルク・マルケス:2/2契約更新発表
ホルセ・ロレンソ:6/6ドゥカティ・チームからの移籍による契約発表

『ヤマハ・ファクトリーレーシング』
マーベリック・ビニャーレス:1/25契約更新発表
バレンティーノ・ロッシ:3/15契約更新発表

『ドゥカティ・チーム』
アンドレア・ドビツィオーソ:5/18契約更新発表
ダニロ・ペトルッチ:6/6サテライトチームのアルマ・プラマック・レーシングより2019年シーズンより昇格を発表

『チームスズキエクスター』
アレックスリンス:5/17契約更新発表
ジョアン・ミル:6/11Moto-2マルクVDSより移籍によってMoto-GP昇格を発表

『レッドブルKTMファクトリー・レーシング』
ヨハン・ザルコ:5/3モンスター・ヤマハ・テック3からの移籍による契約発表
ポル・エスパルガロ:5/3契約更新発表

『アプリリアレーシング・チーム・グレシーニ』
アレイシ・エスパルガロ:5/17契約更新発表
アンドレア・イアンノーネ:6/11チームスズキエクスターからの移籍による契約発表

サテライトチーム

『LCRホンダ』
カル・クラッチロー:2018-2019の2年契約中
未定

『テック3(KTM)』
ハフィシュ・シャハリン:詳細不明
ミゲル・オリベイラ:5/5Moto-2レッドブルKTM Ajoより2019年シーズンからMoto-GP昇格を発表

『プラマック・レーシング(DUCATI)』
フランチェスコ・バニャイヤ(※):2/23Moto-2SKY Racing Team VR46より2019年シーズンにドゥカティとワークス契約を結びプラマックからMoto-GP昇格を発表
未定
※フランセスコ・バグナイアと表記されることもあります。英語表記は「Francesco Bagnaia」

『アビンティア・レーシング(DUCATI)』
チャビエル・シメオン:詳細不明
未定

『エストレージャ・ガリシア・0,0・マーク・VDS(ホンダ)』
フランコ・モルビデッリ:詳細不明
未定

契約未定の有力ライダー

()内は2018年在籍チーム

ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)
ジャック・ミラー(アルマ・プラマック・レーシング)
中上 貴晶(LCRホンダ)

ミラーは第6戦スペインGP終了時点でポイントランキング9位につけていて、優勝争いに加わるレースも多く成長著しい23歳の若手ライダーです。有力チームのシートが埋まった中で、現時点では現在のプラマックと契約更新するのが有力です。注目ライダーは以下のいずれかの去就になるでしょう。

ペドロサ → 引退 or サテライトチーム移籍 or Moto-GP以外に移籍
ミラー → プラマックと契約更新
中上 貴晶 → LCR残留 or Moto-GPのシート獲得できず

中上貴晶については、ルーキーの中では活躍しているものの、チームメイトのクラッチローが今シーズン絶好調なので、比較されると厳しい状況です。もともとMoto-2で実績を残して昇格したのではなく、オフシーズンのテスト走行で好タイムを出し、ポテンシャルの高さを買われて抜擢された経緯があります。

Moto-2よりもMoto-GPの方が適正が高いと期待されていた部分が大きいだけに、スペインGP終了時点のポイントランキング19位付近で停滞して、上位争いに加わるレースを作れない状況が続けば契約を切られる可能性が高いです。LCRホンダの2019年ライダーが遅れているのは、中上貴晶がMoto-GPに順応できるかもう少し見たい気持ちもあるのでしょう。

有力チームのストーブリーグを採点

当サイト独自に2019年に獲得したライダーを元にチームの期待値と将来性を採点してランキングにまとめました。

1位:レプソル・ホンダチーム 100点
2年連続で年間チャンピオンに輝いていて、2018年シーズンもポイントランキングを独走しているマルケスと早々に2年契約延長できたのは大きいです。近年はひとつのメーカーで複数回チャンピオンになったライダーは、実力を証明するためにライバルメーカーに移籍する傾向が強まっています。

昨シーズン終了時点ではマルケスも移籍する噂が出ていましたが、2020年まで契約延長したことで最低でも2年はホンダの大きく崩れることはないでしょう。さらにチームメイトに最高峰クラスで3度チャンピオンになっているロレンソを獲得できたのも大きいです。

マルケスはまだ25歳でMoto-GPライダーの中では若手です。チームメイトに若手を抜擢するよりも実績豊富なベテランライダーを獲得したのは理想的な結果です。

2位:レッドブルKTMファクトリー・レーシング  92点
2018年シーズン絶好調のザルコの獲得はストーブリーグの中でも大きなニュースでした。来シーズンに向けてメーカーの勝算はあるようですが、チームの実績とザルコの実績やポテンシャルを見比べると異例の移籍です。2019年シーズンにKTMは大躍進する可能性があります。

3位:ドゥカティ・チーム  85点
ドビツィオーソと契約更新した点を高く評価できます。ロレンソを逃したのは残念です。ドゥカティのマシンに順応できず苦戦していましたが、ホンダ移籍直前のスペインGPで待望の移籍後初優勝を遂げているので、今後の期待も高かったです。
将来のことを考えると今の30代のライダー2名体制を続けるよりも、若手の育成も同時進行で行う方針は評価できます。

4位:アプリリアレーシング・チーム・グレシーニ  82点
ラッキーな形でイアンノーネを獲得できました。スズキはイアンノーネとの契約更新を考えている様子はなかったですが、2018年シーズンではリンスを上回る結果を出しているベテランライダーです。2019年も楽なシーズンではないと思いますが、実績あるライダーの加入で2018年以上の結果を期待できます。

5位:チームスズキエクスター 80点
リンスとの契約更新は評価できます。もう1名のライダーにロレンソ獲得を目指していたので、Moto-2参戦1年目ミルを抜擢したのは意外でした。ミルは20歳で2017年にMoto-3で10勝を挙げる活躍でチャンピオンに輝きました。

2018年シーズンにMoto-2でランキング上位につけているライダーをサテライトチームに取られてしまいましたが、スズキはミルの素質に惚れ込んでいたのでしょう。ライダーの将来性はありますが、リンスも成長中の若手ライダーなので、できればチャンピオン獲得実績を持つロレンソを獲得したかったのが本音でしょう。

6位:ヤマハ・ファクトリーレーシング   76点
早々に既存ライダー2名と契約更新を発表したので、ヤマハとしては思惑通りの展開です。ロッシは2018年シーズンも大活躍中ですが、サテライトチームのザルコが成長著しいことを考えると世代交代を図るのに絶好のタイミングでした。

ビニャーレスはまだまだ成長する可能性もある素質の高い若手ライダーですが2018年シーズンは第6戦まで終えて表彰台1回は物足りない数字です。今シーズンもマシンで苦戦している要素はありますが、チャンピオン争いを目標にするチームだと考えれば有望な若手か実績のあるライダーの加入を期待したかったです。

ホンダと差が付いているマシンの性能を埋めるためにも、転倒の少ないビニャーレスとレジェンドのロッシによる現在の体制を継続したのはヤマハに合っています。今季中にビニャーレスが覚醒しないと、今季開幕前より来シーズンの前評判は低くなるでしょう。

おわりに

2019年のストーブリーグは大きな動きがあると予想していましたが、主力ライダーの残留が目立ちました。ザルコやクラッチロー、ミラーなどのサテライトチームから好成績を残しているライダーも多数いますが、ホンダ、ヤマハ、ドゥカティのワークス3強チームへの移籍のなかった点は残念に感じます。

このまま行けば、2019年シーズンも優勝争いはマルケスを筆頭にドビツィオーソ、ロレンソ、ロッシ、ビニャーレスといった2018年シーズンと同じような顔ぶれになるでしょう。ダークホースはザルコを獲得して来年から変われると自信満々のKTMです。

私個人的な意見としては、絶対王者の独走よりもチャンピオンをかけた白熱のバトルをシーズン終盤に見たいです。2019年シーズンを面白くするためにも、2018年シーズンはマルケスの独走を阻止してチャンピオン争いが接戦の展開になってもらいたいです。

こちらの記事もあわせてどうぞ

バイクの最新ニュース
バイクの新型モデル情報、バイクグッズや法律動向などバイクに関わるバイク業界関連情報、バイクレース情報の最新ニュースを紹介しています。
バイクの最新ニュース
バイクの基礎知識
バイクを持つ前・持っているときに知っておきたい初歩的な知識、バイクを購入するときに知っておきたいこと、バイクを手放すときに知っておきたいことを紹介しています。
バイクの基礎知識
バイクを売るコツ
バイクを売るコツをつかめば、早く売る、高く売る、簡単に売るなど自分の希望に応じた売り方を選ぶことができます。
「バイクを売るコツ」はこちら
どの買取業者に売るかお悩みの方へ
どこの買取業者に売るかで迷ったら、当サイトのおすすめ買取業者をご参考下さい。 みんながどこでバイクを売っているか、買取業者利用アンケートも紹介しています。
「おすすめのバイク買取業者」はこちらで紹介

コメントを残す

;
サブコンテンツ

ページの先頭へ