2018 MOTO-GP 4、5戦を総括〜早くもマルケスが独走体制!!〜

2018年のMOTO-GPは、5月21日にフランスGP(ル・マン-ブガッティ・サーキット)の決勝が行われ、マルク・マルケスが3戦連続になる優勝を飾りました。すでに2位以下に大きな差を付ける展開で、3年連続チャンピオン獲得に向けて独走体制になっています

まだ全19戦中5戦を終えたシーズン序盤ではありますが、できればマルケスの独走ではなく、後半までチャンピオン争いがもつれこむ展開になってもらいたいものです。マルケスへの追撃のできる可能性のあるライダーを含めて、第5戦を終えた時点での総括を紹介します。

2018年のMOTO-GPは第三戦を終えた時点で、ポイントリーダーはドヴィツィオーゾ、1pt差の2位にマルケス、以降はビニャーレス、クラッチロー、ザルコと続く内容でした。
2018 MOTO-GP 1〜3戦を総括〜注目ライダーのレース内容評価〜

今年もマルケスとドヴィツィオーゾがポイントランキングを牽引すると見られていましたが、マルケスが連勝した一方で、ドヴィツィオーゾは2戦連続リタイヤになりポイントランキングは9位に後退しました。ポイントランキング2位には、大崩れをしていないビニャーレスが入っていますが、すでにマルケスと36pt差が付いています。

2018年MOTO-GP第5戦フランスGPを終えた時点のポイントランキングは以下の通りです。

●ポイントランキング : ライダー名 /チーム(メーカー) / 獲得ポイント / 第1戦順位-第2戦順位・・・第5戦順位
1位:マルク・マルケス / レプソル・ホンダチーム(HONDA) / 95pt / 2位-18位-1位-1位-1位
2位:マーベリック・ビニャーレス / モビスター・ヤマハMOTO-GP(YAMAHA) / 59pt /6位-5位-2位-7位-7位
3位:ヨハン・ザルコ / モンスター・ヤマハテック3(ヤマハ) / 58pt / 8位-2位-6位-2位-Rit
4位:バレンティーノ・ロッシ / モビスター・ヤマハMOTO-GP(YAMAHA) / 56pt / 3位-19位-4位-5位-3位
5位:ダニロ・ペトルッチ / プラマック・レーシング(DUCATI) / 54pt / 5位-10位-12位-4位-2位
6位:ジャック・ミラー / プラマック・レーシング(DUCATI) / 49pt / 10位-4位-9位-6位-4位
7位:アンドレア・イアンノーネ / チームスズキ・エクスター(SUZUKI) / 47pt / 9位-8位-3位-3位-Rit
8位:カル・クラッチロー / LCRホンダ・カストロール(HONDA) / 46pt / 4位-1位-19位-Rt-8位
9位:アンドレア・ドヴィツィオーゾ / ドゥカティチーム(DUCATI) / 46pt / 1位-6位-5位-Rit-Rit
10位:ダニ・ペドロサ / レプソル・ホンダチーム(HONDA) / 29pt / 7位-Rit-7位-Rit-5位
11位:エステベ・ラバト / アビンティア・レーシング(DUCATI) / 24pt / 11位-7位-8位-14位-Rit
12位:アレックス・リンス / チームスズキ・エクスター(SUZUKI) / 22pt / Rit-3位-Rit-Rit-10位
・・・
19位:中上 貴晶 / LCRホンダ・イデミツ(HONDA) / 10pt / 17位-13位-14位-12位-15位

●コンストラクターランキング
1位:ホンダ 120pt
2位:ヤマハ 92pt
3位 ドゥカティ 82pt
4位:スズキ 61pt
5位:KTM 19pt
6位:アプリリア 18pt

●MOTO2の日本人情報
長島哲太:Moto2クラス / イデミツホンダチーム・アジア / 24位 / 3pt / 21位-17位-19位-13位-25位

●MOTO3の日本人情報
佐々木歩夢:Moto3クラス / 17位 / 17pt / 8位-14位-12位-12位-16位
鳥羽海渡:Moto3クラス / 19位 / 16pt / 7位-11位-15位-9位-17位
鈴木竜生:Moto3クラス / 14位 / 24pt / Rit-18位-17位-6位-9位
真崎一輝:Moto3クラス / 25位 / 3pt / 13位-24位-21位-20位-18位

第4戦スペインGPのレース内容

決勝日時:5月6日
サーキット:ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエト

レースウィークを快晴で迎えたスペインGPでは初日のフリー走行でクラッチローがトップ、中上は15番手でルーキーの中ではトップでした。2番手はペドロサ、3番手はザルコと続き、マルケスは残り3分のアタック中に転倒したこともあって5番手に付けていました。

予選も初日フリー走行の流れを引き継ぎ、クラッチローがポールポジションを獲得、ペドロサが2番手、ザルコが3番手でした。2列目には、ロレンソ、マルケス、リンス、3列目はイアンノーネ、ドビツィオーソ、ペトルッチでした。

何かが起こりそうなスターティンググリッドで、気温24度、路面温度39度のドライコンディションで争われた決勝レースでは、4番手スタートのロレンソが好スタートでホールショットを決めます。前輪にソフトタイヤをチョイスしたロレンソは序盤はリードするも、マルケスが徐々に差をつめて、8周目でトップを奪います。中盤以降はさらにペースを上げてマルケスは独走体制に入ります。

2番手争いはロレンソ、ドビツィオーソ、ペドロサの3台で争われていましたが、18周目のバックストレートエンドで2番手を走るロレンソのインを突こうと、ドビツィオーソが強引に入ってロレンソとともにラインを外します。そこに4番手を走っていたペドロサが前へ出ようとしますが、ラインへ戻ってきたロレンソと接触。この転倒にドビツィオーソも巻き込まれ2番手争いをしていた3台が同時にリタイヤしてしまいます

2番手グループから遅れて5番手を走っていたザルコが2番手、3番手争いはイアンノーネ、ペトルッチ、ロッシ、ミラーで競りますが、最後はイアンノーネが最終ラップでトップに立ってポジションを守り表彰台を獲得します。

ホールスタートのクラッチローは4番手走行中の8周目に転倒。中上はKTM勢とバトルを繰り広げた結果、12位入賞でポイントを獲得します。

第5戦フランスGPのレース内容

決勝日時:5月21日
サーキット:ル・マン-ブガッティ・サーキット

晴天に恵まれたフリー走行初日はドビツィオーソがトップ、2番手以降はマルケス、ロッシ、ビニャーレスと、実績豊富なライダーが上位に並びます。中上はルーキートップの17番手を記録するも、2回目のフリー走行で転倒して予選にも悪い影響を残します。

予選は母国大会になるザルコがトップ。なんとザルコは5戦連続で1列目の獲得となり予選の強さを強調する結果でした。2番手はマルケス、3番手は2回目のアタックで大きくタイムを伸ばしたペトルッチが入ります。2列目はイアンノーネ、ドヴィツィオーゾ、ロレンソが入りました。

気温24度、路面温度45度のドライコンディションで争われた決勝レースでは、6番手スタートのロレンソが好スタートで2戦連続になるホールショットを決めます。2番手ザルコ、3番手イアンノーネが続きますが、イアンノーネは6週目で転倒してリタイヤしてしまいます。3番手以降はアンドレア・ドヴィツィオーゾ、ペトルッチと続き、リヤハードタイヤを選択したマルケスは5番手で1周目を終えます。

4周目ではドヴィツィオーゾがザルコを交わして2番手、5週目ではロレンソを交わしてトップに立つも、6週目で転倒して無念の2戦連続リタイヤになります。再びロレンソがトップに立ち、ザルコ、マルケスと続く展開。先頭グループはこの3台で後続に差をつけます。

ロレンソは10周目までレースをリードしますが前後ソフトタイヤを履いた反動で失速し、10周目でマルケスがトップに立ちます。ザルコはマルケスがトップに立つ前の2番手争いのバトルの結果、8周目で一度抜かれたマルケスを抜き返してロレンソを追っている時に転倒してリタイヤします。

ペースを落としたロレンソは、その後ペトルッチとロッシに抜かれて4番手に後退します。マルケスはライバルの失速と脱落、そしてハードタイヤの恩恵を受けられる楽な展開になって、17周目にはファステストを更新し後続を引き離してそのままチェッカーを受けます。終盤に上位の大きな順位変動はなくペトルッチが単独2位、ロッシが単独3位で表彰台を獲得し、以降はミラー、ペドロサ、ロレンソと続きます。

ビニャーレスは終盤に追い上げて7位に入りますが、大きな見せ場は作れませんでした。中上は中盤までクラッチローの後ろの9番手付近を走るも終盤に失速して15位に終わります。

マルケスの対抗馬は今でもドビツィオーソ!?苦戦するヤマハとマシンは好調なドゥカティ

ドビツォーゾは優勝争いに加わる見せ場を作るも、4戦、5戦と痛恨の連続リタイヤに終わり、ポイントランキングは9位に後退しマルケスとは49pt差がついています。まだ序盤戦で残り14戦残しているとはいえ、1位で25ptを獲得できるMOTO-GPでは大きな差です。

ポイントランキングを見るとビニャーレスが2位に入っていますが、表彰台に入ったのはポールポジションを獲得した第3戦のみで、見せ場を作れないレースが多いです。ポイント差がついたこともあり、ここからマルケスを追撃するには、マルケスがリタイヤを続けて自滅しない限り、他のライダーが複数回優勝することが必要です。

2位のビニャーレスと4位ロッシのモビスターヤマハ勢は、昨シーズンの序盤に比べれば状態は良いものの、現時点でマシンの性能はホンダとドゥカティに一歩劣る印象があります。ザルコ、ペトルッチ、ミラー、クラッチローのサテライト勢は好調でしたが、マシンの性能とチームおよびライダーの経験値で劣る面はあり、1つのレースで優勝争いはできても、マルケスとの40pt前後のポイント差を埋めるのは非常に厳しいです。

マルケスを追撃するには複数の優勝が必要な状況を考えると、第1戦でマルケスとの熱いバトルを制して優勝し、第4戦、第5戦と見せ場を作ったドビツィオーソが最も可能性の高い存在だと評価できます。昨シーズンのドビツィオーソは第6戦イタリアGP、第7戦カタルニアGPと連勝してチャンピオン争いに加わりました。

マルケスの独走体制を阻止するためにも、6月3日に決勝が行われる第6戦イタリアGPは重要なレースになりそうです。第6戦、第7戦とマルケスが連勝し、ドゥカティ、ヤマハのワークス勢が苦戦すると打つ手のない独走状態になるかもしれません。

おわりに

マルケスは前半3戦は強引なレースをする場面もありましたが、第4戦、第5戦はタイヤマネジメントも成功して圧倒的な強さを見せています。ハードタイヤでも前半から好位につけられるのがマルケスの強さです。

ペドロサ、ドビツィオーソ、ビニャーレスなど優勝候補が軒並み苦戦していて、すでに今年もマルケスで決まりという声が増えています。マルケスの黄金時代の続く流れが強まっていますが、まだシーズン序盤で残りの14戦でどのような展開になっていくのか今から楽しみです。

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