佐々木歩夢&真崎一輝Moto-GP登竜門を制した日本人ライダーに注目

2018年のMoto-GPでは、4年ぶりに中上貴晶が最高峰クラスの日本人フル参戦のシートを獲得しました。ここでは、中上貴晶に続く未来のMoto-GPライダーとして期待のかかる2名の若手日本人ライダーを紹介します。

それぞれMoto-GPの登竜門と言われる、「Moto-GP・レッドブルルーキーズ・カップ」でチャンピオンを獲得した実績があり、2018年はMoto-3クラスでフル参戦します

2007年より始まったMoto-GP・レッドブルルーキーズ・カップで、2016年に佐々木歩夢がはじめて日本人でチャンピオンに輝きました。2017年には参戦1年目の真崎一輝がチャンピオンを獲得して、日本人がMoto-GPの登竜門と呼ばれるレースで、2年連続チャンピオンを獲得しています。

佐々木歩夢は2017年よりMoto-3にフル参戦。1年目は苦戦する場面も多くランキング20位ではありましたが、ルーキーオブザイヤーを獲得しました。真崎一輝は2018年1月15日に、RBA・ボエ・スカル・ライダーのチームのMoto-3レギュラー参戦のシートを獲得しました。

2018年シーズンは、昨年より継続参戦する鈴木竜生、鳥羽海渡を加えた、4名の日本人ライダーがMoto-3に参戦します。

Moto-GP・レッドブルルーキーズ・カップとは

Moto-GPのヨーロッパラウンドと併催されて、KTMのMoto-3マシンでもある「RC250 RB」のワンメイクで行われる、若手中心の国際的なバイクレースです。Moto-GPの登竜門という位置づけになっていて、ヨーロッパを中心に世界の若手有望株が集まっています。

2007年より始まったレースで、今年Moto-GPデビューしてサテライトチームながらランキング6位を獲得したヨハン・ザルコをはじめ、多くのライダーを輩出しています。

日本人はイデミツ・アジア・タレントカップで好成績を残すと、Moto-GP・レッドブルルーキーズ・カップにステップアップできる流れが確立されていて、Moto-3ライダーの鳥羽海渡も2015年(9位)、2016年(5位)に参戦していました。2017年は全7戦13レースが行われ、チャンピオンに輝いた真崎一輝のほかに、小椋藍、山中琉聖も好成績を収めています。

オーストリア戦 レース1では日本人が表彰台を独占する成績を収めるなど、日本人の若手バイクレーサーは非常に充実していると評価できます。

世界に早く挑戦できる環境が整って期待される日本人の育成

現在のMoto-GPトップライダーの大半は、スペイン人をはじめとしたヨーロッパ出身者です。日本よりもモータースポーツ人気の高いということもあり、ポケバイやミニバイクを小さい内から始める人が多く、スペインの国内選手権や欧州選手権は、全日本選手権やアジア選手権よりもレベルが高いです。

欧州のバイクレースが世界標準になっていて、日本国内の子供から若手向けのバイクレースのレベルと差があることが、日本人ライダーの育成に遅れていた一つの要因です。

しかし、Moto-GP・レッドブルルーキーズ・カップができてからは、有望株は10代のうちから世界を相手に戦う環境が整備されています。当初は世界とのレベルの違いに苦しみましたが、早いうちから世界を意識できる環境が整備されたことで、ここ数年は一気に日本人ライダーの活躍が増えています

ポイントになるのは、ヨーロッパでシリーズ開催されているMoto-GPの登竜門と呼ばれるバイクレースで、2年連続日本人が優勝したことです。佐々木歩夢と真崎一輝はどちらも17歳で同期にあたります。

佐々木歩夢のMoto-3初年度は初めて走るサーキットも多く苦しんだとコメントしていますが、ルーキーオブザイヤーを獲得して2年目の飛躍を期待できます。真崎一輝は、Moto-GP・レッドブルルーキーズ・カップ参加初年度でチャンピオンを獲得して、Moto-3昇格を決めました。

5年後には複数の日本人が最高峰のMoto-GPクラスに参戦し、チャンピオン争いを行うような時代になっているかもしれません。

佐々木歩夢選手の特徴

佐々木歩夢(ささき あゆむ)
生年月日: 2000年10月4日 (17歳)
出身地:神奈川県横須賀市
所属チーム(マシン):ペトルナス・スプリンタ・レーシング(ホンダ・NSF250RW)

主なキャリア
2015年:シェルアドバンス・アジア・タレント・カップ ランキング1位
2015年:レッドブル・ルーキーズカップ ランキング3位
2015年:FIM・CEVレプソル国際選手権の最終戦バレンシア大会スポット参戦、デビュー戦で3位表彰台獲得
2016年:レッドブル・ルーキーズカップ ランキング1位
2017年:ロードレース世界選手権Moto3クラス(SIC・レーシング、ホンダ・NSF250RW)ランキング20位 ルーキー・オブ・ザ・イヤー

エピソードその1・父親は元GPライダー

父親は元GPライダー佐々木慎也です。父親はバイクレースを強要せず、小学生低学年のころはスノボーを1番の趣味にしていたようです。

小学校4年生のときに、祖父よりポケバイをプレゼントされてバイクをはじめると、そこからポケバイ、ミニバイク、ロードレースで連勝街道を突き進み、すぐにその名前を全国区にしました。久しぶりに現れた日本人の天才と呼ばれています。

英語力に優れている

両親は海外ビジネスを行っていて、小学生の時にはミニバイクレースで頭角を表したことから、将来Moto-GPライダーで活躍するために、中学校はインターナショナルスクールに進学しています。

英語力に優れていて海外のレーシングチームでも言葉の壁がないことも、海外のレースで結果を残した要因です。

ビッグマウスで強気な性格

佐々木歩夢は日本人には珍しく、強気な性格として知られています。中学3年生の時にアジア・タレント・カップでチャンピオンに輝いた時のインタビューでは、将来はマルケスに勝って世界チャンピオンになると発言しました。

自分よりも速いライダーしか「さん付け」で呼ばないと決めていて、Moto-3に参戦する前は、GPライダー以外は年齢を問わずファーストネーム(呼び捨て)で呼んでて、「現時点では自分より速いライダーはGPライダーしかいない」とも発言しています。

バイクレースは強気な性格を求められていて、多くのトップライダーを輩出するスペイン人と比べて日本人はメンタル力に劣るとも言われています。今後は年齢とともに、多少は丸くなっていくことも考えられますが、ビックマウスで強気な性格はライダーとしての資質もあり、スター性もあります。

ビッグマウスの背景には、人一倍負けず嫌いな性格もあり、才能だけではなく努力を惜しまないのも佐々木歩夢の魅力です。

真崎一輝選手の特徴

真崎一輝(まさき かずき)
生年月日: 2000年8月22日 (17歳)
出身地:福岡県
所属チーム(マシン):RBA・ボエ・スカル・ライダー(KTM RC250GP)

主なキャリア
2010年:ポケバイ74GP全国2位
2013年:アジア選手権UB130ランキング5位
2014年:アジア選手権UB115ランキング5位
2014年:地方選手権、鈴鹿サンデー 岡山国際でチャンピオン獲得
2017年:レッドブル・ルーキーズカップ ランキング1位

経歴・エピソード

父の影響で3歳からポケバイに乗り始めます。地元の九州をはじめ関西のレースで実績を残しますが、佐々木歩夢と同学年ということもあり、全国大会クラスでの大きなタイトルはありません。大きなライバルがいたからこそ成長できて、お互いに切磋琢磨できたことが大きかったでしょう。

レッドブル・ルーキーズカップ に参戦できたのは、2017年からでライバルの佐々木歩夢より2年遅れました。しかし1年目からチャンピオンを獲得できたのは、影で努力を惜しまなかった証拠で、ここ数年で急成長したライダーです。アジアタレントカップなど国際的なレース経験も大きな影響を与えたのでしょう。

2015年に全日本ロードレース選手権に参戦した時も、J-GP3クラスをデビュー戦で優勝するなど、レベルの高いレースに昇格してもすぐに結果を残せる順応性があります。現時点では佐々木歩夢に比べて注目度は低いですが、Moto-3参戦で飛躍する可能性があります。

レッドブル・ルーキーズカップチャンピオンの肩書きもあるだけに、将来はMoto-GPクラスまで昇格して、佐々木歩夢と優勝争いをするマンガのような展開を期待したいです。

おわりに

ここ数年は、日本人の若手で世界からも速いと認められるようなライダーは数年出ていませんでした。現在17歳と、まだまだ成長を見込める同学年の2人が、Moto-GPの登竜門と呼ばれる「Moto-GP・レッドブル・ルーキーズカップ」で優勝したのはすごいことです。

GPライダーへのステップアップの方法が、WGP500時代とは違いますが、若いうちから世界で実績を残して世界選手線に昇格するケースは前例がありません。さらに同学年のライバル2人が同じタイトルを獲得してMoto-3に昇格したのは素晴らしいです。

まだ若いので、大きな事故を起こさずに一歩ずつステップアップしていってもらいたいです。2018年は例年以上にMoto-3クラスに見所があります。

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