2017年グッドデザイン賞を受賞したバイクと二輪グッズまとめ
2017年10月4日、公益財団法人日本デザイン振興会が、2017年のグッドデザイン賞受賞結果を発表しました。ここでは、その中でもバイクおよびバイク用品の受賞情報をまとめました。
2017年グッドデザイン大賞は11月1日発表予定(※)ですが、今年は残念ながらバイク関連のノミネートはありませんでした。バイクの受賞では、ベスト100にX-MAX530が選出され、そのほかにバイク5車種、バイク用品4点が受賞しました。
※大賞候補はうんこ漢字ドリル、Venova(ヤマハの管楽器)、Xperia Touch(スマホ)、TRAIN SUITE 四季島、Micra経カテーテルペーシングシステム、陸前高田市立高田東中学校、SEND(農産物流通プラットフォーム)の7件
このページの目次です
ヤマハT-MAX530がグッドデザイン大賞ベスト100を受賞
■ T-MAX530
・車種: T-MAX530
・メーカー: ヤマハ
・発表: 2017年4月
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45370?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
2017年のグッドデザイン賞ベスト100に唯一選ばれたバイクです。2016年末から2017年にかけて発売された新型バイクの中でもデザインの観点で、もっとも高い評価を得たバイクです。
熱狂的ファンの多いT-MAXシリーズはモデルチェンジで6代目が登場し、歴代モデルのコンセプトを受け継ぎつつ、新しさと進化を期待できるデザインになりました。
スクーターでありながら、型落ちのスポーツバイクに勝る性能を持っていて、部品のひとつひとつが洗練されていて完成度が高いです。オリジナリティあるスタイルの卓越したバイクデザインが高く評価されています。
グッドデザイン賞を受賞したバイク一覧
ボンネビル ボバー
・車種: ボンネビル ボバー
・メーカー: トライアンフ
・発表: 2017年2月18日
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45366?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
プレミアムカスタム仕様のボンネビルの最新車種。1930年〜1940年代にかけて流行したボバースタイルを、世界最古のオートバイメーカーであるトライアンフが現代風解釈で見事に製品化したことに意義があります。
質感が高くレトロなだけではなく高級感が高い点も評価されました。
Vストローム250
・車種: Vストローム250
・メーカー: スズキ
・発売: 2017年7月
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45367?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
2017年にカワサキのヴェルシスXシリーズと並んで、新しいカテゴリーを開拓した250ccアドベンチャーバイクです。見た目は本格的なアドベンチャーバイクですが、アップハンドルに細身で低いシートを合わせ、街乗りでも最適なライディングポジションを確保した実用性を高く評価されました。
多機能フルデジタルメーターと12VのDCアウトレットなど装備面が充実。同じく受賞したGSX250Rと同じプラットフォームにも関わらずデザインで全く違うバイクに完成させています。
GSX250R
・車種: GSX250R
・メーカー: スズキ
・発売: 2017年4月7日
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45369?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
デザインコンセプトは「Urban Athlete」都市から郊外へ。日常を駆け抜けるスポーツバイク。GSX-Rシリーズのスポーティーなデザインに扱いやすさと実用域のパワーを重視したSOHC並列2気筒エンジンを組み合わせた250ccクラススポーツバイクです。
面発光LEDを採用したフロントのポジションランプとリアテールランプは個性を出しつつ、前後の被視認性を高める安全性への配慮をしています。
シート高が低く多くのライダーが扱えるスポーツバイクで、同時受賞したVストロームと共通のプラットフォームでありながら、全く異なるバイクにデザインにしています。
MT-10
・車種: MT-10
・メーカー: ヤマハ
・発売: 2016年5月
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45368?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
ヤマハのフラッグシップスポーツモデルのYZF-R1をベースにしたストリートファイターで、MTシリーズの最高峰に位置する新型バイクです。見る角度によって印象が変わるフロントフィルムとエンジンの存在感を活かしたデザインが高く評価されました。
街中とワインディングの双方をカバーして長距離ツーリングも可能にした万能性が魅力です。MTシリーズのコンセプトを取り入れつつ、全く新しい斬新で攻めたデザインで上質感も兼ね備えています。
X-MAX300
・車種: X-MAX300
・メーカー: ヤマハ
・発売: 2017年3月
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45371?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
スポーティーなスタイリングと実用性・快適性を兼ね備えたスポーツビックスクーター。2眼ヘッドランプのフロントデザインと側方のブーメランモチーフを組み合わせが高いデザイン力と評されました。
使い勝手がよくセンスあるパッケージング、スポーツスクーターをリードするヤマハのMAXシリーズにふさわしい新モデルです。
Electric Motorcycle 「SOCO TS Pro Smart Electric Motorcycle」
・車種:Electric Motorcycle 「SOCO TS Pro Smart Electric Motorcycle」
・メーカー: Supersoco Intelligent Technology(Shanghai)Co.,Ltd.
・発売: 2017年4月26日
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45372?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
中国メーカーの電動バイク。完成度が高くデザイン性も一切妥協していない。実用面や耐久性でも考え抜かれたデザインが評価。
日本のグッドデザイン賞を受賞しましたが、メーカー、受賞バイクの国内情報を確認できませんでした。
M1 「NIU」
・車種: M1
・メーカー: NIU
・発売: 2016年4月21日
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45374?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
中国メーカーの電動スクーター。ドライバーが車両の状態を完全に制御・把握することを可能にするモニタリングアプリが特徴です。
シンプルを重視したコンセプトが明確で時代を経ても色褪せることのない象徴的な存在になると評価されました。
グッドデザイン賞を受賞したバイク用品一覧
エアバック内蔵式レーシングスーツ
・商品名: Mugello R D-Air
・メーカー: Dainese S.p.A. (Italy)
・発表: 2017年1月1日
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45375?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
エアバック内蔵式のレーシングスーツで衝突を電子的に検知します。
安全性だけではなく、動きやすさと装着性も兼ね備えたことが評価されました。
AGVの新型ヘルメット
・商品名: Pista GP R
・メーカー: AGV
・発売: 2016年12月
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45376?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
美しさ、心地よさ、強さが高い次元で融合したヘルメットです。モーターサイクル用らしいエッジの効いたフォルムは単なるデザイン面だけではなく、空気抵抗の軽減も考え抜かれています。
現役ライダーと共同開発して、広い視界や優れた換気性能も両立してレース分野で活躍するのも納得のデザインと性能と評されました。
二輪車始動用リチウムイオンバッテリー
・商品名: HYバッテリー
・メーカー: エリーパワー株式会社
・発売: 2017年度中発売予定
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45377?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
従来の始動用バッテリーは鉛電池が主流ですが、バッテリー上がりや寿命の短さが課題でした。リチウムイオンバッテリーは性能は高いですが、重量が重く低気温に弱いためバイクで採用されることが少なかったです。
HYバッテリーは軽量性や低温時の起動性に優れていて、使いやすくデザイン性に優れている点が評価されました。モデル(バッテリーの大きさ・容量)は統合して、汎用性を高めたことで低価格化も期待でき、次世代標準になる可能性もあります。
二輪用タイヤ(大重量アメリカンクルーザー用)
・商品名: バトルクルーズ エイチゴーマル(BATTLERUISE H50)
・メーカー: ブリジストン
・発売: 2017年2月1日
・URL: https://www.g-mark.org/award/describe/45378?token=j6J1ikPnTL
<<特徴、審査員の評価>>
特徴的なデザインであるクロスステッチパターンを採用した大型アメリカンバイク向けタイヤ。溝の形状は装飾的なものではなく、アメリカンクルーザーのユーザー特有の視点に基づいた実用性と安全性が高いデザインです。
市販品として商品化を実現した点が高く評価されています。従来モデルより2.7倍のロングライフを実現した機能面の進化も特徴です。
そもそもグッドデザイン賞とは
公益財団法人日本デザイン振興会の主催するデザイン性が高い商品やサービスに送られる賞です。メーカーなどの当事者がエントリー費用を払って審査を受けた物のみが受賞対象になります。
日本でも広く認知された賞で、各メーカーは毎年自信のある最新モデルを中心にグッドデザイン賞に応募しています。2017年は審査対象数(応募数)4,495件、受賞は1,403件でした。毎年およそ3分の1ほどが受賞しています。
大賞は内閣総理大臣賞と位置付けられ、政府から授与されます。大賞候補に選ばれても政府が承認されなければ認められず、過去には該当なしの結果になった年もあります(2013年)。
受賞作品の中でも大賞受賞、ノミネート、ベスト100は名誉があります。受賞だけであれば敷居が低いようにも見られますが、各メーカーが自信をもって応募した中で3分の2は落選するため、決して低いハードルとは言えません。
2017年の受賞商品を見ても、国内大手メーカーで新型車を多数投入したホンダとカワサキのバイクは受賞がありません。
グッドデザイン賞を受賞すると、受賞を証明するGマークを使用できる権利を得ます。受賞した商品は市場評価も高くセールスポイントにもなるため、応募数は年々増加を続けています。
まとめ
2017年の新モデルのバイクはホンダのCBR250RRが大きな話題になりましたが、グッドデザイン賞の受賞内容を見ると、実用性や扱いやすさを重視したバイクの方が高く評価されたことがわかります。サーキットやキャンプツーリングなど、バイクをフル活用するよりも、エントリー層が多い近年のバイク業界を繁栄している審査内容だったと感じました。
私は当初、グッドデザイン賞はものすごい名誉なことかと思っていましたが、毎年1,000を超える商品が受賞していることを知って、たいしたことではないと思ったこともありました。しかし、調べてみると新モデルでも落選するバイクや用品が多数あり、第三者の専門家からの評価を得たのは大きなアピールポイントになると思いました。
実際に受賞した全てのバイクと用品に魅力を感じます。バイク購入の車種選びで迷っている方は、グッドデザイン賞の結果や審査員の評価なども参考にしてみるとよいでしょう。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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