名作バイクレース漫画の誕生か!?いま「トップウGP」がアツイ
バイクレースの漫画といえば、私は巨摩 郡(こま ぐん)が、走り屋からGPライダーの頂点に登りつめるストーリーを描いた、「バリバリ伝説」を思い浮かべます。バリバリ伝説は、週刊少年マガジンで1983年から1991年にかけて連載されたバイクレース漫画で、今でもバイク好きの間では定番の漫画として定着しています。
バリバリ伝説が完結してから約25年が経過して、新たなバイクレース漫画の「トップウGP」が評判になっているニュースを見ました。早速単行本を読んでみましたが、バリバリ伝説よりも理屈やバイクの基本に忠実にバイクレースを解説していて、初心者から上級者まで楽しめる内容でした。
ストーリーやキャラクター設定もよく、漫画としてのクオリティも非常に高いです。
バリバリ伝説以来の名作バイクレース漫画?!
トップウGPは、2016年4月より月間アフタヌーンで連載スタートした、藤島康介さんによるバイクレース漫画です。作者の藤島康介さんは、これまで「逮捕しちゃうぞ」、「あぁ女神さま」の漫画作品や、ゲームもテイルズオブシリーズのキャラクターを描いてきた方です。
藤島さん自体はバイクレースの経験はありませんが、バイクや自転車の描写が好きな方で、バイクレースのMOTO-GPを題材にした漫画を描くにあたって、バイクメーカーの「ホンダ」、「筑波サーキット」、バイク用品メーカーの「ダイネーゼジャパン」が全面協力しています。
バイクレース好きの私が読んでも参考になることが多く、バイクがどうしたら速く走れるのかを分かりやすく解説しています。もちろん、一度見ただけでコーナーでのパワースライドを再現しようとするなど、漫画ならではの世界観もあるので読み応えがあります。
2017年8月現在、単行本は2巻まで発売されています。月刊誌による連載のため、ストーリーが進むスピードはゆったりになるでしょう。当記事を書くにあたって、一部ネタバレの内容も含まれていますが、これからトップウGPを読む方でも楽しめるように配慮をしております。
登場人物
●宇野突風(うのとっぷう)
トップウGPの主人公で、冒頭で史上最年少によるMOTO-GPクラスの優勝をかけて最終戦を走るところを紹介されています。
一度見たものは何でも覚えられる天才肌の持ち主です。
●新井真音(あらいまいん)
突風の隣に住んでいる2歳年上の女性ライダー。トップウGPのマドンナ的存在でライダーとしても突風が目標にしています。
突風からはお姉ちゃんと呼ばれていて、幼馴染のような関係です。
●宇野鉄平
突風の父。小説家で突風の才能を理解して、あえて不利なバイクでミニバイクレースを戦わせたりしている。
●高台吉哉(たかだいよしや)
突風のライバルで2巻より関西からの転校生として登場します。生意気だけど小学生らしさがあって憎めない性格。
●石橋大也(いしばしだいや)
新井真音の250ccクラスのレース初戦で前年チャンピオンとして登場します。
ストーリー・あらすじ
冒頭では、18歳の宇野突風がMOTO-GPの最終戦に挑む姿が紹介され、すぐに7年前のバイクを始めたときの話に戻ります。突風の父、鉄平は真音(お姉ちゃん)のバイクレースのサポートをしていて、鉄平と真音に誘われる形で突風もバイクもレースに出ることになります。
私(現在32歳)はミニバイクといえば2ストを思い浮かぶものですが、モデルになっているのは、おそらくNSF100の4ストバイクで、舞台は筑波サーキットのショートコースだと思います。見て覚えることのできる突風は、お姉ちゃんの走りを見ていたことを再現して、抜群のセンスを見せつけます。
しかし、お姉ちゃんが参加するOPEN(改造あり)クラスと、突風が参加するノーマルクラスでは、バイクの性能差があって、同じ走り方が通用しません。そのほか、他のライダーから小学生は体重が軽いのて有利すぎるということで、7kgのウエイトをバイクに装着するなど、さまざまな困難を理論的な解決策で突破していきます。
2巻になると突風はOPENクラス、真音(お姉ちゃん)は250ccクラスにステップアップして、突風は同学年に転校してきた高台と戦うことになります。突風の才能を理解した父鉄平は、あえて給排気系以外のブレーキやサスペンションはノーマルのままにして不利なバイクで戦わせることになります。
2018年に発売予定の3巻では、突風と高台が250ccクラスにステップアップすることが予告されていて、ストーリーは比較的ハイスピードで進んでいきます。
トップウGPの魅力
トップウGPは以下の点に魅力があります。
・藤島康介さんの作品だけあって、絵が綺麗
・2巻まではストーリーがテンポよく進んでいく
・バイクやモータースポーツの楽しさを伝えている
・バイクで速く乗るための極意を解説している
・バイクの性能差とライダーのテクニックの双方をしっかり描いている
・登場人物のキャラクター設定が上手
トップウGPは月間アフタヌーンで連載されていますが、単行本を読んだ印象では、少年誌に連載されていても違和感のない内容で、バイク好きでなくても楽しめる作品です。
私はマンガを読むのが好きで、これまで弱虫ペダルを読んで自転車競技に魅力を感じたり、スラムダンクを読んでバスケットボールがカッコイイと思えるようになったり、大きな影響を与えるスポーツマンガとたくさん出会ってきました。
トップウGPも若者のバイク離れを食い止められるように多くの方に読んでもらえるメジャーなマンガへ成長してくれることを願っていますし、それだけのポテンシャルがある完成度のマンガだと思います。
まとめ
バイクレースマンガのパイオニアともいえるバリバリ伝説を知っている私としては、走り屋から世界一のGPライダーに成長していく方が面白いに決まっていると思っていました。
しかし、トップウGPを読んでみて、ミニバイクだから描けるバイクの基礎的なことをふんだんに取り入れて、参考になる作品だと思いました。もちろん、技術的な話だけではなくストーリー性が面白く、どんどん続きを読みたくなる展開です。
まだ2巻までしか出ていないので、評価を断言するのは難しいですが、今のところ期待値が非常に高いバイクレース漫画です。
バイクや車系以外のマンガでも実績を残している有名な漫画家と、ホンダ、筑波サーキットの全面協力などもあって実現した作品です。これだけクオリティの高いバイクレースマンガはこの先もなかなか出てこないと思います。
是非、当記事を見て興味を持っていただけたのなら、書店での購入やマンガ喫茶を利用してトップウGPを読んでみてください。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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