Can-Am SPYDER(カンナムスパイダー)の特徴と魅力

東京モーターフェス2018では、BRPジャパンよりCan-Am Spyder F3-Sを展示していました。見て分かる通り、前二輪後一輪の3輪トライクで、一般的な3輪トライクと構造の違うことから「逆トライク」とも呼ばれています。

トライクは普通免許(車の免許)で乗れる特性から、バンクはさせずにハンドル操作で曲がるのが特徴です。前2輪にすると、ハンドルの重たくなるデメリットがありますが、電子制御のパワステを搭載することで解決しています。

ただし、低速走行時にはパワステが効きにくくなるので小回りを必要な場面での取り回しは悪いです。峠のクルージングなど一定のスピードがあれば、少ない力で軽快なコーナリングを楽しめます。後ろ1輪なので、4輪トライクを大きく上回る旋回性を持っています。

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BRPはスノーモービル・水上バイクのトップメーカー

Can-Am SPYDER(カンナムスパイダー)の特徴は、スノーもビルや水上バイクのような乗り味を持っていることです。それもそのはず。BRP社はスノーモービルと水上バイクに強いカナダのスポーツメーカーで、「かつてない開放感を味わえる、まったく新しい乗り物を」というコンセプトで開発されました。

BRP社のバイク部門をカンナム(Can-Am)と呼び、スパイダーは3輪トライクシリーズの名称です。以前はモトクロスなど通常のオートバイを製造していた歴史を持ちますが、2007年に新しいの3輪のロードスター「BRPカンナムスパイダー]を発売し、トライクメーカーに方向転換しています。

昨今では、ハーレーダビッドソンをはじめ、3輪トライクに力を入れるメーカーが増えていますが、カンナムの3輪トライクは前2輪にすることで、ライバルとは違う乗り味と高い安全性を確保しています。フロントマスクは前二輪ならではの迫力があり、スタリングで選ぶ方も多いです。

横から見ると、水上バイクやスノーモービルにタイヤを付けたようなシルエットになっています。

ハンドル操作と体重移動で曲がる

Can-Am SPYDERの乗り味がスノーモービルや水上バイクに近いと称される理由は、ハンドル操作に加えて体重移動も必要になるからです。もちろんハンドルだけで曲がることもできますが、曲がりたい方向に体重をかけることによって、より高い旋回性を可能になります。

体重移動とハンドルの両方を使う操作性は、後ろ二輪の三輪トライクにも共通していますが、前二輪の安定性からバイクや車とは異なる独特なコーナリングフィーリングを味わえます。

リーズナブルな価格設定

東京モーターフェス2018で展示されたSPYDER F3-Sのメーカー小売価格は256万円〜です。Sはスポーツを意味していて、スポーツモードを用意したエンジンと外装のアップグレードが行われています。

ベースグレードのF3は237万円〜で、メーカー純正の本格トライクでは最安水準の価格設定です。ハーレー・ダビッドソンのトライクは、エントリーモデルのFREEWHEELERで371.7万円〜なので、130万円以上も安いです。

それでも最近は為替とインフレの影響で値上げ傾向が続いています。2015年モデルではF3の税込価格は199.8万円でした。

■2019年モデルのグレード一覧

・SPYDER F3
価格:2,370,000円〜
魅力的な価格でスパイダーのスポーツ性高い乗り味を楽しめるエントリーグレード。

・Spyder F3-S
価格:2,560,000円〜
スポーツ性を高めたモード設定、エクステリアのアップデート、ライディングポジションの調整機能を装備。

・SPYDER F3 リミテッド
価格:3,240,000円〜
大型ウインドスクリーン、追加収納などを完備した、スポーツツーリングモデル。

車の免許で運転できて維持費ば大型バイクと同じ

Can-Am SPYDERだけではなく、3輪トライク全般に共通していることですが、トライクは道路交通法では「自動車」に分類され、道路運送車両法では「側車付オートバイ」または「側車付軽二輪」に分類されます。

道路交通法は免許制度に影響するもので、トライクの運転は自動車に分類されるため、普通免許(車の免許)で運転できます。トライクにクラッチはないので、AT限定免許でも可能です。逆に大型自動二輪免許保持者でも車の免許がなければ運転できません。

道路交通法は公道を走るたの法律で、自動車に分類されるためヘルメットは不要です。最高速度は一般道なら車と同じ60km。高速道路は3輪自動車扱いになるため80kmに制限されます。違反をした場合は車(普通乗用車)の区分で違反点数が加点されます。

道路運送車両法は維持費や税金に関わってくるもので、Can-Am SPYDERなどの250cc超えトライクは、側車付オートバイに分類されます。2年更新の車検が必要で、軽自動車税は250cc超えオートバイと同じです。つまり税制上は緑のフチがあるナンバーの車検付きバイクと同じです。

Can-Am SPYDERは、Rotax 1330cc ACE並列3気筒エンジンを搭載しています。コンパクトカーと同じ排気量ですが、軽自動車よりも維持費が安いです。任意保険はバイク用。車庫証明は不要で、登録や維持に関するルールはほとんど250cc超えバイクと同じです。

構造的に保有するなら屋内ガレージを持っていることが望ましいですが、保管環境さえクリアできれば安い維持費で保有できるのがトライクのメリットです。

カンナムスパイダーシリーズの中古相場・売却価格

Can-Amのトライクは2007年から販売していた歴史がありますが、当初は足回りが弱くて、走行中にフラ付くなど評判がイマイチでした。足回りの強化など性能が向上され、普及しはじめたのは2014年頃からです。

中古市場での流通量は非常に少ないです。中古購入する際はGoo-Bikeやバイクブロスなどの中古バイク情報サイトを活用してください。

東京モーターフェス2018の開催された2018年10月8日現在、Goo-Bikeで1台のみF3-Sの中古が売りに出ていました。2015年式、走行距離1.3万kmで車両価格207万円です。当時の新車価格は税込232万円だったので割高です。ガレージ保管の中古は信頼できますが、予算が許すのであれば新車購入をオススメします。

中古の流通量が少ないため、将来的なリセールバリューの高さを期待できます。車とバイク両方の特徴を持っていますが、中古市場での値動きは売れ筋の人気バイクに近いです。

市場へ売りに出ることの少ない車種なので、保管環境が良くて整備もしっかりしていれば売却価格も期待できます。買取業者は在庫リスクと保管場所を気にするので、大手を中心に複数社の査定を比較するようにしてください。

おわりに

Can-Am SPYDER(カンナムスパイダー)は、スノーモービルや水上バイクで有名な「BRP社」の製造する前2輪レイアウトの3輪トライクです。電子制御パワステ付きのハンドルと体重移動で曲がる構造で、スタイリングと乗り味がスノーモービルと水上バイクに似ていることが特徴です。

車の免許で乗れる大型トライクの中では価格設定がリーズナブルで、前二輪による高い安定性と迫力のあるスタイリングが特徴です。

私がはじめてスパイダーシリーズを見た時は、300〜400万円以上する高級トライクに見えました。安い価格設定の中でも質感が高いですし、エンジン性能と耐久性は実績あるメーカーなので信頼できます。

性能が足踏みをしている中で値上げ傾向にあるので、大きなブームになる可能性は低いですが、3輪トライクに興味を持っている方は候補に入れて検討してみてください。

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