話題沸騰の電動スポーツバイク「SUPER SOCO」の特徴を徹底解説

手軽に購入できる電動(EV)バイクと言えば原付クラスのスクーターを思い浮かべるものですが、2020年3月に日本上陸した「SUPER SOCO(スーパーソコ)」が話題になっています。

SUPER SOCOはオーストラリアに本社を置くVmoto社が2015年に立ち上げたEVバイクブランドで、すでに海外では高い人気を確保しているモデルです。
国内では、スマホ関連用品の製造・販売を手がけ、電動EVスクーターも扱っていたXEAM(ジーム)が販売をしています。

ラインナップは原付1種を1車種。原付2種と軽二輪を各2車種の合計5車種のラインナップ。いずれも同クラスのガソリンエンジンバイクに迫る最高速を確保し、フレームと足回りもしっかりした造りです。
高速道路にも乗れる軽二輪モデルでも50万円以下の価格設定。販売店も多いので、通勤・通学や週末に近場をプラっと走りたい方は詳細情報をチェックしてみてください。

SUPER SOCOの製造は世界的な電動バイクメーカー

SUPER SOCOを製造するVmoto社は、オーストラリアの老舗スクーターメーカーです。
ガソリンエンジンバイクの世界的なシェアは低いですが、2006年頃よりEVスクーターの製造をスタートさせた歴史を持ちます。

2015年にSUPER SOCOのブランドを立ち上げ、2020年3月までに世界で2万台以上(欧州だけで1万台)以上の出荷を記録した世界的なEVスクーターメーカーです。

なお、Vmoto社は本社をオーストラリアに置き、製造は中国、ブランディングはイタリアによる世界3箇所の拠点で活動しています。
2019年にはドゥカティ社とコラボしたモデルの「SUPER SOCO CUX SPECIAL EDITION DUCATI」を発売し、日本にも導入されています。

故障リスクや実用性は大丈夫?

知名度の低いメーカーの電動バイクは、故障リスクやバッテリーの耐久性・実用的な航続距離に不安を抱く方が多いでしょう。日本で販売を担当するXEAMで扱っている電動スクーターの一部では、レビューで低評価を受けている車種も存在しますが、SUPER SOCOのブランド名が付く車種は他のXEAMで販売するスクーターと製造元が異なります。

世界的な大ヒットを遂げたスクーターなので信頼性は高いですが、国内では2020年3月19日に発売しているため、ユーザーレビューなどの口コミ情報がほとんどありません。

走行性能などのインプレッションは幅広いメディアで行われ、概ね高評価を得ていますが現時点では実績の少ない理由で不安要素があります。通勤・通学目的など使用頻度の高い人や、1回の走行距離が多い方は少し様子を見た方がいいかもしれません。

バッテリーはBMS バッテリー管理システム及びFOCベクトルコントローラーによって劣化を抑える最新システムを採用。モーターは世界的に有名なBOSCH 高性能パワーモーターを採用しているので、スペック上の信頼性は高そうです。

SUPER SOCOのラインナップ

SUPER SOCO CUX(原付1種)

スペック タイプ スクーター
最大航続距離 65km
バッテリー重量 11kg
バッテリースペック 60V30Ah
充電時間 8時間
最高速 時速65km
主な装備 前後ディスクブレーキ
灯火類フルLED
多機能デジタルメーター(VA(垂直アライメント)インテリジェントハイライトディスプレイ)
USBソケット
キーレスゴー
電子シートロック解除
高強度を誇る鉄製フレーム
価格 通常モデル 248,000円(税抜)
Ducati Special Edition 298,000円(税抜)
予備バッテリー(オプション) 120,000円(税抜)

・特徴/評価:
ドゥカティモデルのある原付(50ccクラス)スクーターです。
国内メーカーで高い人気を誇るYAMAHA・E-VINOの場合、価格は税抜21.9万円。バッテリー容量は10AHで航続距離29kmです。
航続距離は測定方法が異なりますが、SUPER SOCO CUXはE-VINOより3倍のバッテリー容量を持っていて、海外モデルのためモーターがパワフルでゆとりのある加速力を確保しています。

車両価格はE-VINOより割高ですが、スペック面の差を考えれば購入する価値が高そうです。
なお、ドゥカティモデルはドゥカティ風のカラーリングになっているだけで、中身は通常モデルと全く同じです。

SUPER SOCO TSX/TC(原付2種)

スペック タイプ ネイキッド
最大航続距離 110~120km(2バッテリー)
バッテリー重量 12.5kg
バッテリースペック 1,800Wh
充電時間 8時間
最高速 時速75km
主な装備 前後ディスクブレーキ
灯火類フルLED
CBSブレーキシステム
灯火類フルLED
多機能デジタルメーター(LCD液晶計器)
価格(TSX/TC共通) 1バッテリー 298,000円(税抜)
2バッテリー 398,000円(税抜)
予備バッテリー(オプション) 120,000円(税抜)

・特徴/評価
原付2種クラスは雰囲気の異なる2つのスタイリングを用意しています。同時にバッテリーを2個装着できる点が特徴で、2バッテリー時は最大120kmの走行が可能です。
個性的がスタイリングが特徴ですが、最高速は75kmで125ccクラスのガソリンエンジンバイクよりもパワーが低くなります。
2バッテリー時でも車体重量は約85kgですので、軽量で扱いやすいバイクです。

SUPER SOCO TC MAX(軽二輪)

スペック タイプ ネイキッド
最大航続距離 110km
バッテリー重量 23kg
バッテリースペック 3,240Wh
最大出力 4,500W
最大トルク 170Nm
車体重量 103.5kg
充電時間 8~9時間
最高速 時速95km
主な装備 前後ディスクブレーキ
灯火類フルLED
CBSブレーキシステム
多機能デジタルメーター(LCD液晶計器)
価格(TSX/TC共通) スポークホイール仕様 448,000円(税抜)
アロイ仕様 448,000円(税抜)
予備バッテリー(オプション) 240,000円(税抜)

・特徴/評価
最高時速95kmに対応した軽二輪モデル。ネイキッドタイプですが、ギアチェンジはないのでAT限定免許で運転できます。
1つのバッテリーで高出力・大容量を確保していますが、バッテリーが重い点に注意です。
スペック的には原付2種モデルと大きな違いはありませんが、高速道路に乗れることが最大のメリットになります。

SUPER SOCO CPX(軽二輪)

スペック タイプ ビッグスクーター
最大航続距離 140km
バッテリー重量 20kg
バッテリースペック 60V/45Ah
最大出力 4,000W
車体重量 145kg(2バッテリー時)
充電時間 10~11時間
最高速 時速90km
主な装備 前後ディスクブレーキ
灯火類フルLED
CBSブレーキシステム
多機能デジタルメーター(LCD液晶計器)
リバース走行
2,000cm3の収納スペース
価格 1バッテリー 498,000円(税抜)
2バッテリー 398,000円(税抜)
予備バッテリー(オプション) 180,000円(税抜)

・特徴/評価
SUPER SOCOシリーズ最大の航続距離140kmを確保したビッグスクーターです。
高速道路を乗りたい方や、長い距離を走る方におすすめ。バッテリーは2つで40kgになるので、バイク置き場で充電できる環境を持っていないと苦労します。
バッテリーは追加購入すると18万円しますので、1バッテリーから+10万円でアップデートできる2バッテリー仕様を選ぶと良いでしょう。

SUPER SOCOはこんな人におすすめ

著者の思うSUPER SOCOシリーズの魅力は、バッテリーとモーター駆動によるメンテナンスフリーになる点です。
そして、従来のEVスクーターとは違って相応の長い距離を走ることができ、ネイキッドタイプであればバイクならではの人馬一体感を感じられます。

日常的な足としてバイクに乗る方ではなく、休日の気分転換にバイクを乗りたい方。そして長距離ツーリングや峠のワインディングではなく、都市部やショッピングモール、道の駅など、ちょっとしたお出かけで気分転換している方におすすめです。

ガソリンエンジンバイクは距離を乗らなくても定期的なメンテナンスが必要で、長時間乗らないとバッテリー上がり・ガソリンおよびオイルの劣化・サビなどの不具合が発生します。
電動バイクもサスペンションを中心に駆動部へのオイルアップ等、最低限のメンテナンスが必要ですが、動力部分のメンテナンスは自宅の電源でバッテリー充電するのみです。
多忙な時期や冬など数ヶ月にわたってバイクに乗る機会が少なくなる方でも、乗る前にバッテリー充電するだけでOK!エンジンオイル交換費用もないので、ランニングコストが安いです。

ここまでは従来のEVバイクにも共通していますが、SUPER SOCOはワクワクするようなスタイリングと、国産メーカーのEVバイクよりも一歩上を行ったパワフルモーターで、バイクならではの魅力を高めています。
日常的な足やコーナーを攻めるスポーツ走行でも使用できますが、ガソリンエンジンバイクに比べてスペック面と実用性で劣ります。
EVバイクならではのデメリットもあるため、気が向いた時にだけ乗りたい手軽な趣味用バイクを探している方におすすめです。

販売店情報

SUPER SOCOはXEAM(ジーム)のEVバイクを扱っているバイク業者のほぼ全てで販売しています。
小規模バイク業者をはじめ、一部ではバイク王・オートバックスなどの大手も販売店になっています(全店ではありません)。

2020年6月現在、販売店の数は全国200店舗以上。SUPER SOCOの売れ行きに応じて販売店数は更に増えていくでしょう。
多くの販売店で修理にも対応しているので、サポート体制も万全です。

なお、福岡県には全国唯一の直営店があり、SUPER SOCOの試乗車を用意しています。近隣の方は気軽に試乗予約をしてみてください。
将来的には代理店でもSUPER SOCOの試乗車を用意する所が増えていくでしょう。

EVバイクの可能性を感じさせる総合力

電動バイクは2000年代前半より大手メーカーから続々と発売され、現在はヤマハ・E-VINO、ホンダ・PCX ELECTRICが人気を集めています。
しかし、電動バイクは以下の問題点を理由に普及率が伸び悩んでいます。

・車両価格が高額
・最高速が遅い
・航続距離が短い
・バッテリーの性能低下リスク(劣化・冬場など)

一例として、PCX ELECTRICはリース限定で価格は非公開ですが推定価格60万円以上。スペックは最高時速60km・航続距離45km程度しかありません。
SUPER SOCOはスクーターが主流だった中で、ネイキッド風の車体を採用したデザイン性・スポーツ性のほかに、EVバイクの根本にあるスペック面でライバルをリードしています。

認可の厳しい日本で、原付バイク(1種・2種)でパワフルなモーターを搭載したEVバイクの認可を取った点が最大のポイントです。
さらに、上位モデルでも40~50万円程度の車両価格で購入できる価格帯に抑えているので、従来のEVバイクとは比べものにならない進化を遂げています。

国内では実績の浅い点がネックですが、世界的なメーカーで欧州だけでも1万台以上売れている実績があるので、他のEVバイクとは違います。
SUPER SOCOはEVバイクの新時代を切り開くポテンシャルを持っています。EVバイクにネガティブなイメージを持っている方も、一度検討してみてください。

今後、オーナーレビューで実用面の高評価が増えるようなら、EVバイクの歴史に残る大ヒットを遂げるかもしれません。

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