最新モデルのベスパってどう?プリマベーラ125の試乗レポ
プリマベーラ試乗車
ベスパはイタリアのバイクメーカーで、クラシカルな質感の高いスタイリングが魅力です。国産バイクとは一味違う個性を持っていて、スタイリングから購入を検討する方も多いでしょう。2019年4月に開催された藤沢高等自動車学校(神奈川県)の春のバイク祭り大試乗会にて、ベスパの主力モデル「プリマベーラ125」に試乗してきました。
2スト時代のベスパは、独特のエンジンフィーリングを持っていましたが、4ストの最新ベスパはマイルドで洗練されたエンジンでした。しかし、想像していたよりも加速力がなく、他のメーカーの原付2種に乗っていると物足りなく感じます。非力を補うだけのエンジンフィーリングによる個性もなく、走行性能を妥協して購入検討しないといけない車種です。
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スタイリングの質感は素晴らしい
スタイリングはベスパらしいクラシカルな雰囲気を演出していて、随所に質感の良さを確認できます。革製のシートは固めで耐久性に優れている感じで、ロードバイクでも採用事例の少ない片持ち式フロントフォークを採用しています。跨がってみるとシート高は少し高めで、ガッシリしている剛性の高さが伝わってきます。
少し残念に感じたのは、フロアボードにセンターパイプの出っ張りがあってフラットではなかった点です。PCXやNMAXに比べるとセンターパイプの出っ張りは少ないですが、剛性を少し妥協してでもフラットフロアになれば、大きな荷物を載せるのに便利だと感じました。
足を置く位置が限定されていても、ライディングポジションにストレスを感じることはありませんでした。シートが細くなっているので、足を乗せた時に身体全体のフィット感があります。
高速域に特化したセッティング
ベスパ試乗中
プリマベーラ125の最高出力は10.7馬力です。ヤマハの原付2種エントリーモデルになるアクシスZは8.2馬力、スポーツスクーターのシグナスXは9.8馬力なのでスペック的にはプリマベーラの方が優れています。しかし、乗ってみるとスロットルを開けても加速が鈍く、フルスロットルにしてもゆったり進んでいく感じです。
私は試乗会当日に、普段の足で使っているリード90に乗って向かいました。リード90は現行の125cc4ストスクーターより加速と最高速で劣っています。そのリード90よりも遅くてかったるい印象を受けました。イタリアメーカーなので、ヨーロッパの広い道路を想定したセッティングで、高速域でのノビと最高速に重点を置いたセッティングです。
エンジンフィーリングはマイルドで振動も少なく快適に走れますが、2スト時代のような国産とは違う個性はありません。わずかに排気音は乾いたベスパらしさを感じますが、乗り味を楽しめるフィーリングではなかったです。市街地をオシャレに乗りたい目的だと、加速性能の弱さでガッカリするかもしれません。
法定速度の範囲内でゆっくり乗る用途だと、デメリットを強く感じるでしょう。街乗り用ではなく幹線道路やバイパスを時速60〜80kmで巡航する場合は、高速域を重視したセッティングなので快適に走れます。フルスロットルで回しても時速50kmくらいまではゆっくり加速していくので、周りの車の流れに乗れなくなってしまいます。住宅街など交通量が少ない道路を乗る機会が多ければ、ゴー&ストップを繰り返す乗り方でも慣れてくればストレスに感じないでしょう。
なお、プリマベーラ125の車両重量は130kgでホンダのPCXとほぼ同じです。車体はコンパクトですが、フレームや細部パーツにこだわったことで、国産メーカーのエントリーモデルよりも重量があります。乗ってみるとガッチリしている感じは伝わりますが、取り回しでストレスを感じるほどの重量ではありません。個人的にはシートとステップが高めの割にハンドルが若干低く感じました。私は身長175cmですが、もう少し背の低い人の方がライディングポジションにフィット感を感じるかもしれません。
趣味で乗るためのバイク
初代プリマベーラは1968年に発売されて50年以上の歴史があるロングヒット車種です。昔から変わらないクラシカルなデザインに、片持ちのフロントフォークなど随所にこだわりを感じるデザインが魅力です。メーカー小売価格は45.9万円で、国産原付2種より10万円程高い価格設定です。新車購入をする場合は、強いこだわりがないと手が出せません。
日本でプリマベーラを購入して使う場合は、日常的な足ではなくコレクションの目的などサブのバイクとして購入する必要があります。趣味で使うバイクですが、ツーリングで使うほどのパワーはないので、国産スクーターや小排気量バイクと併用して、気分によって使い分けるのがベストな活用方法だと思います。
スタイリングだけに惚れ込んで試乗せずに購入するのはおすすめできません。買い物や通勤・通学でアクティブに使いたい場合は、必ず試乗をしてから検討してください。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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