トライアンフ・ストリートトリプルは2つの顔を持つ【試乗レポ】

ストリートトリプル試乗車

2019年4月21日に神奈川県・藤沢高等自動車学校で開催された春のバイク祭り大試乗会にて、トライアンフのストリートトリプルに乗ってきました。多くの大型バイクに乗り継いできた私の知人が、ストリートトリプルを購入して「このバイクは凄い」と絶賛していました。

私は3気筒エンジンバイクに初めて乗りましたが、エンジンフィーリングは、2気筒エンジンのドドドッといった感じと4気筒エンジンのフォンフォンした感じの中間くらいです。ストリートトリプルはエンジンを空ぶかしするとスポーツバイクのようなアグレッシブな排気音がしますが、乗り出してみると驚くほどマイルドでした。

パワーバンドのある車種で、一定の回転数を超えると勢いよくエンジンが吹け上がりますが、パワーバンドに入る前の中低速域でも快適に乗れます。

ストリートトリプルとは

ストリートトリプルは2007年に発売した3気筒エンジン搭載のストリートファイター系ネイキッドバイクです。2017年にモデルチェンジをして、扱いやすさが大幅に向上しています。現行モデルは765cc水冷並列3気筒エンジンを搭載し、出力設定のほかにトラクションコントロールとABSも制御するライディングモードなど電子制御デバイスを搭載しました。兄貴分には1,050ccエンジンを搭載したスピードトリプルがあります。

新型ストリートトリプルは、新開発エンジンによってパワーとトルクを向上させ、電子制御デバイスを組み合わせることで全ての速度域で大幅な進化を遂げています。

TRIUMPH Street Tripleの特徴と買う・売る時のポイント

空ぶかしと走り出しのギャップ

ストリートトリプルに跨がってみると、ミドルクラスのストリートファイターらしく、軽量でコンパクトな車体です。ライバルのMT-09と同様に、大型バイク初心者や小柄な方でも安心して乗れる車格です。空ぶかしをすると、ノーマルマフラーとは思えない刺激的なサウンドと高いエンジンレスポンスを感じました。急スロットルでフロントアップするのではないかと懸念するほど、スーパースポーツのようなアグレッシブさがありました。

慎重なスロットル操作をしないと危険がある車種だと思って緊張しながら走り出しますが、乗ってみると空ぶかしのイメージからは想像もつかないほどマイルドです。高回転まで空ぶかしすると攻撃的なサウンドは、低回転だと静かで物足りなく感じるくらいです。試乗不可の販売店で現車確認をして、空ぶかしだけして購入を決めると後悔するかもしれません。

電子制御だけではなくエンジンそのものの特性が影響していて、全体的なレスポンスの良さは4気筒エンジンに劣る印象です。リッターエンジンを搭載したスピードトリプルだと、低速域からパワフルな加速を楽しめるようです。新型ストリートトリプルは初代に比べて格段に乗りやすくなったと評価されていますが、試乗して納得できました。バイク自体は装備重量166kgの超軽量級なので、250ccクラスのストリートバイクのように市街地を軽快に走れます。

スロットルを勢いよく開けて高回転まで回すと、一気に加速してスポーティーなサウンドを奏でます。低回転と高回転で180度違う性格を持っていて、ストリートファイターならではのスポーツ性能を持っています。パワーバンドに入ると3気筒エンジンのフィーリングが気持ち良く、想像以上に楽しいバイクでした。パワーバンドがある車種は、中低速のトルクがスカスカになる特性を持っていますが、ストリートトリプルは低速域では元々こういうバイクだと思うくらいの安定感があります。

足回りもガッチリしていて、軽量だけど123馬力の最高出力に耐えられるボディ剛性を持っています。「ストリートの新しいチャンピオン」にふさわしく、高いスポーツ性を持ちながら街乗りや渋滞している道路、高速走行など用途を問わず快適に乗りこなす万能性を持っています。

総合力が非常に高い

国産メーカーの3気筒エンジン搭載車種では、ヤマハのMT-09が売れています。MT-09は845ccエンジンを搭載してストリートトリプルとは80ccの排気量差がありますが、ストリートトリプルは高回転型かつチューニングされたエンジンで、116馬力のMT-09を上回る123馬力を誇ります。

排気量の違いもあって、車両本体価格はMT-09とほぼ同じ。最新の電子制御デバイスを搭載しているので外車の中でもコストパフォーマンスが高いバイクです。さらに、装備重量は普通自動二輪並の166kgの超軽量ボディです。MT-09は193kgなので27kgの重量差があります。

それでいてジャジャ馬ではなく低速域での安定感も兼ね備えているので、隙がなくて完成度の高いバイクです。バイクの性能だけで見ればMT-09より一歩上で、排気量が小さくて高回転まで回して走る楽しさも魅力です。

型落ちのストリートトリプルは中古で安く売られていますが、オーナーレビューを見ると故障リスクは低く耐久性にも問題ないようです。ディーラーの少なさやメーカーのブランド力が中古市場の評価を下げている要因でしょう。トライアンフは2019年2月に国内新車登録台数の過去最高記録を更新しました。勢いのあるメーカーなので、国内シェアが高くなるにつれてストリートトリプルの評価も高まっていくでしょう。

試乗によって街乗りからサーキットまでマルチに楽しめる守備範囲の高さを確認できたので、私のおすすめバイクに加わりました。

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