アプリリア&MVアグスタのイタリアメーカーが200馬力超え新型バイクを展示【東京モーターサイクルショー2019】
イタリアメーカーのバイクは、世界屈指のスポーツ性能と美しいフォルムのデザイン性が人気です。レースで実績を残すドゥカティが一歩リードしていますが、同じイタリアメーカーのアプリリアとMVアグスタも負けていません。
東京モーターサイクルショー2019では、アプリリア史上最速のRSV4 1100FACTORYと、ノンカウルながらF4以上の出力を達成したBRUTALE 1000 Serie Oroが注目を集めていました。
ここでは、アプリリア(ピアッジオ傘下のモト・グッチ&ペスパ)とMVアグスタのブースレポートをまとめました。MVアグスタ新型F4情報も入手しているので是非ご覧ください。
アプリリアブースレポート
RSV4-1000ファクトリーの画像1
アプリリアブースは、2019年5月下旬発売予定のRSV4 1100ファクトリーが目玉でした。エンジン、シャーシを一刷したフルモデルチェンジで、最高出力217馬力・燃料満タン時の装備重量199kgの歴代最強スペックを達成しました。
パワーウエイトレシオは1kg/psを大きく切り、排気量拡大によって全域でのトルクアップにより実用性を高めました。つまり、ピュアレースの要素を高めつつ先進技術を惜しみなく投入し、ツアラーとしての性能も併せもつニューモデルです。
先代の998ccエンジンから排気量を拡大したため、レースレギュレーションからは外れてしまいましたが、ツーリングやサーキットのスポーツ走行を楽しみたいライダーに最適です。
RSV4-1100ファクトリーの画像2
MotoGPマシンの「RS-GP」用をベースにした、カーボン製ウィングレットをサイドカウルに標準装着しています。レースでも装着の是非を問う議論を起こしている装備ですが、レースやテスト走行の結果でマシンの性能を大幅に高めることは実証済みです。高速域でどれくらいの違いを実感できるのか、是非体感してみたいです。
ライバルはパニガーレV4のSTDグレード(263.9万円)で、RSV4 1100ファクトリーの価格は286.2万円です。オプションマフラーを装着すると226馬力まで高められるパニガーレV4に比べて注目度は劣りますが、最新電子制御デバイスや前後オーリンズサスの組み合わせを考えれば魅力的なパッケージングです。
SX125の画像
こちらは、1月25日受注開始、3月上旬より供給開始したSX125です。昨年発売した125ccクラスオフロードバイクのRX125のモタード仕様です。欧州規制上限の15馬力を10,700rpm/mで発生し、中国生産することで国内販売価格410,400円に抑えています。RX125との価格差は約1万円で、タイヤ以外の基本構造はほぼ共通です。
私はカワサキのDトラッカーに乗っていた経験がありますが、またがってみると車体は250ccとほぼ同じです。厳しい排ガス規制を適合させつつ、抜群の高回転フィーリングを実現したエンジンで、気持ち良い加速を提供してくれるでしょう。
普段の街乗りはシート最前部に座ることで楽なポジションを取れます。シートの前側に座るとサイドカウルでしっかりニーグリップできます。アプリリア製だけあって、見た目の迫力だけではなく細部の質感や実用性・スポーツ性へのこだわりが随所に感じられました。
モト・グッチ&ペスパブースを併設
東京モーターサイクルショー2019では、アプリリアと同じピアッジオ傘下のモト・グッチとペスパコーナーも併設していました。モトグッチは新型縦置空冷Vツインを搭載した新型アドベンチャーバイクのV85TT。ベスパはEVスクーターのベスパエレクトリカが目玉になっていました。
V85TTのコンセプトは「クラシックトラベルエンデューロ」で、クラシカルなデザインや空冷Vツインによるフィーリング重視のエンジンと、電子制御デバイや大型TFTカラー液晶メーターなどの先進装備を融合させています。
ベスパエレクトリカは2018年発売した航続距離100kmのEVスクーターです。2019年には上位モデルで航続距離200kmを達成するベスパエレクトリカXを発売予定です。充電には200V電源が必要になり、STDモデルで約80万円になる価格に課題がありますが、ベスパはEV分野でトップメーカーになれるだけのポテンシャルを持っています。
V85TTの画像
ベスパエレクトリックの画像
MVアグスタブースレポート
MVアグスタブース
MVアグスタブースでは、2019年9月発売予定のブルターレ1000セリエオロ(BRUTALE 1000 Serie Oro)が目玉でした。MVアグスタは昨年4気筒スーパースポーツ「F4」を生産終了しています。ブルターレ1100で4気筒エンジンを残していましたが、ブルターレ1000セリエオロは、F4エンジンをベースにしたストリートファイター系ネイキッドバイクです。
驚くのはノンカウルにも関わらず207馬力を発生。専用チューニングすれば230馬力を発揮する1,000ccエンジンを搭載していることです。リッタークラスSS由来のストリートファイターは、エンジン設定をマイルドにして出力を落とすことが多いですが、ブルターレ1000セリエオロはF4以上にチューニングしたエンジンを搭載しました。
また、ノンカウルにも関わらず、Moto-GPやSBKで採用されているウイングレットをサイドカウルに装着し、空力性能を高めています。
ブルターレ1000の画像
F4と同じ実用性度外視のコンセプト
MVアグスタは「走る宝石」とも呼ばれていて、豪華なパーツを惜しみなく投入することに加え、スタイリングをとことん追求したバイク造りをしています。昨年生産終了になったF4は、従来の750ccクラスの車体をベースに、シャープなデザインを採用していました。
排気量拡大に伴い、ラジエターやバッテリーを大型化しないといけない所を、スタイリング重視で小排気量ベースのままエンジンを大型化させています。最新電子制御を加えたことで、バッテリー容量が足りず新車購入すると専用充電器を付属して対処する荒技が話題になっていました。(バッテリー容量が小さいので、保管時は充電器を繋げていないと、すぐにバッテリー上がりを起こす)。
新型ブルターレ1000セリエオロもF4と同じスタイリング重視の味付けになっています。国産やドゥカティ、アプリリアなどイタリアメーカーのリッタークラスSSよりも、メンテナンスや保管に注意点が多いことを理解しておきましょう。
新型F4の開発状況を聞いてきた
MVアグスタは従来の強引に排気量を拡大したF4に変わる、コンパクトエンジンを搭載した新型リッタークラスSSのF4を開発しています。東京モーターサイクルショー2019のブーススタッフに聞いた所、実用性を高めたF4の開発を進めていることを認めつつ、発売まではあと2年くらいかかる見込みだと教えてくれました。ブルターレ1000セリエオロの出力アップを見ると、新型F4は高い完成度を期待できそうです。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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