ペダル付きEVバイク「グラフィット」がヤマハと提携
2019年1月24日にヤマハは、和歌山県に本社を置くグラフィット社と提携したことを発表しました。グラフィット社の販売するグラフィットバイクは、2017年5月にクラウドファンディングサービス「Makuake」にて約1億2,800万円集めたペダル付き電動EVバイクです。当時は国内のクラウドファンディングで歴代1位の資金調達を達成して大きな話題になりました。
グラフィットバイクは「モペッド」と呼ばれる、自転車と原付きバイクを組み合わせたペダル付きオートバイです。ガソリンエンジンを使用したモペットは古くからありますが、グラフィットバイクは①ヘルメットを付けて走るオートバイ、②動力をOFFにして人力で走る自転車に加えて、③電動アシスト自転車の機能を加えた1台3役の機能性を持ちます。
EVバイクの強みである軽量でエンジンスペースを不要の機能性を最大限活かし、バッテリー装着時18kgの軽量でコンパクトな折りたたみ可能の車体が大ヒットした要因です。折りたたみ自転車のように車に乗って運んだり、バイク・駐輪場置き場の空きがないマンションでも室内・ベランダ保管できるため、バイクに乗ったことのない新しいユーザーの開拓も行いました。
価格はクラウドファンディング募集時は112,500円、発売後は歴史的な大ヒットを記録したことから15万円に値上げを行っています。2017年のグッドデザイン賞では、日経優秀製品サービス賞 最優秀賞 日経MJ賞を受賞したこともあり、クラウドファンディング終了後もロングセラーを続けています。
グラフィットバイク登場した時のニュース記事はコチラ↓。
1台3役のハイブリットバイク「glafit(グラフィット)」に予約殺到
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2020年春には新型を発売予定
業務提携の記者会見では、両社はクラウドファンディングで大ヒットしたグラフィットバイクGFRシリーズをベースに派生モデルを開発し、2020年春の販売を目指すことを発表しました。グラフィットバイクのほかにも両社は新しいモビリティの提供で協力をしていきます。
初代GFR01も好評で信頼性が高いですが、聞き慣れないメーカーに不安を感じている方も多いでしょう。ヤマハやE-Vinoで国産のEVバイクをリードしていて、電動アシスト自転車でもトップメーカーに君臨しています。グラフィット社からしてみれば最強のパートナーを手に入れたことになります。
グラフィット社は自動車・バイク関連用品の企画・製造で15年以上の実績がある「株式会社FINE TRADING JAPAN」が提携業者や、職人から開発チームを結成した和歌山県の中小企業です。クラウドファンディングの成功をキッカケにグラフィット社を立ち上げ、ヤマハとの業務提携では1億円の出資を受け、将来的な上場を目指します。
法律や規制緩和を目指す
EVモペットは新しい可能性を秘めていて、将来的にはEVスクーターおよび電動アシスト自転車の法律を変えることを目標にしています。
ヤマハは1993年に世界初の電動アシスト自転車を発売した実績を持ち、需要拡大に伴い2008年にはアシストモーターの補助比率を高める規制緩和を実現しました。2017年12月には宅配用のリアカー付き3輪電動アシスト自転車の出力が3倍になる規制緩和も実施されました。
具体案の提示はなかったものの、今後は電動モペットが今まで以上に身近で多くの人が愛用できるツールに変化していくかもしれません。EVスクーターは航続距離の短さに加えて、ガソリンエンジンの原付スクーターより遅いデメリットがあり普及が遅れています。バイクとしての方向性ではなく、自転車(漕ぐ)要素を加えることで、技術面と法律面の双方で問題点が改善されていくかもしれません。
おわりに
グラフィットバイクは私も欲しいと思っています。私はスクーターは持っているけど自転車を保有していません。家族では小さい子供がいることから、妻が子供と一緒に乗れる電動アシスト自転車を持っています。私も自転車を買えば家族で自転車移動できますが、買い物や通勤では使う予定がありません。
乗る機会がなくて錆や汚れで劣化してくのが目に見えているので自転車の購入に踏み切れません。グラフィットバイクのような折りたたみEVモペットなら室内や車で保管できる点に魅力を感じます。普通の折りたたみ自転車は漕ぐのに力を使うのがネックで、折りたたみ電動自転車も信頼性に欠けます。
ヤマハも技術協力して開発を始める新しいグラフィットバイクも、現行モデルと同等の15万円前後の販売を目指しています。高性能・高耐久で信頼性の高い商品が出れば、本格的な電動モペットブームが訪れる可能性があります。私のように今すぐ必要ではないけど、あれば便利な場合は2020年の新型を待ってみた方がいいかもしれません。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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