2018秋〜2019にかけてSP仕様バイクが続々リリース

2018年秋に、ホンダのCB1300SF/SBが、オーリンズ製サスペンションとブレンボ製ブレーキを装備するSP仕様を発売します。2019年モデルのCB1000RにもSP仕様の追加投入が噂されていて、上位グレードにSP仕様を用意する車種が増えています。

「SP」はスペシャル(Special)を連想する人が多いですが、バイクのSP仕様は主にスポーツプロダクション(Sports Production)を意味しています。プロダクション=生産されたものという意味になり、スポーツ向けに特別生産されたモデルがバイクのSP仕様です。

近年のSP仕様では、サスペンションなどの足回りとブレーキ回りを強化させています。ほかにも、エンジンチューニング、軽量化、電子制御技術の強化、クラッチの換装などの事例があります。

ただ豪華な装備を付けるだけではなく、スポーツ性を高めるためのメーカーカスタムをしていることがSP仕様の定義です。


参照:YoungMachineヤングマシンYoutube動画

SP仕様バイクの歴史

SPバイクのパイオニア的な存在が、1988年に発売したNSR250R-SPです。1988年式ではマグネシウムホイールを装備して、1989年式には乾式多板クラッチを追加し、90年式のMC21型になるとSP仕様限定のロスマンズやHRCのワークスカラーも採用されます。

80年代から90年代にかけてのレプリカバイクブームで、SP仕様のバイクは他のメーカーへも広がっていきます。


参照:本田技研Youtube動画

SP(スポーツブロダクション)の言葉はバイクのグレードではなく、ロードレースのカテゴリーとして登場されました。125cc超えのバイクレースではTT3クラスの下にあたる厳しい改造制限を設けたクラスで、基本的にエンジンのチューニング禁止で、サスペンションなど足回りカスタムのみ許可されていました。

現行のSP仕様のバイクも、バイクレースのSPクラスの流れを受け継いでいる部分があります。ミニバイクのレースでは、現在もSPクラスは人気カテゴリーとして残っています。ミニバイクのSPクラスはエンジンを原則改造禁止、吸気系も禁止ですがチャンバー(マフラー)の改造は認められています。

現行モデルのSP仕様一覧

2018年8月現在の国産主要メーカーのSP仕様設定がある車種をまとめました。

■ホンダ
・CBR1000RR SP
専用グラフィックカラー、ブレンボ製ブレーキ、オーリンズ製電子制御サスペンション。

・CBR1000RR SP2
SP仕様に加えて、SP2専用カラー、エンジンチューニング、専用開発のマルゲジーニホイール。

■ヤマハ
・MT+09SP
専用カラー、KYB製フロントサスペンション、オーリンズ製フルアジャスタブルサスペンション、ダブルステッチ入りシート、デジタルメーター。

・MT-10SP
専用カラー、オーリンズ製フルアジャスタブルサスペンション、デジタルメーター。

■今後発売予定
・CB1300SF/SB
2018年10月発売予定。専用カラー、スイングアームブラックアウト仕上げ、オーリンズ製リアサスペンション、ブレンボ製ブレーキ。

・CB1000R
前後オーリンズ製サスペンション、ブレンボ製キャリパー

■SP仕様に似ているグレード
・ZX-10RR
エンジンチューニング、マルゲジーニホイール、ディアブロ・スーパーコルサSPタイヤ、シングルシート化。

スポーツモデル以外にも拡大を見せるSP仕様

SP仕様はスポーツバイク向けの設定でした。過去にはNSR250R、FZR400、RGV250ガンマなど、小排気量のモデルにも設定がありましたが、当時は各メーカーを代表するスポーツモデルでした。

2018年にヤマハのMT-09、MT-10にSP仕様を投入し、ホンダからもスポーツバイク以外の車種にSP仕様を投入する方針を打ち出しています。

今後はミドルクラスやネイキッド、ストリートファイターなど、幅広い車種でSP仕様が増えていくことを期待できます。

主要装備の価格

メーカー純正のSP仕様は、最初から高級パーツを導入することで、ノーマルを購入してカスタムするよりもお得な価格設定になっています。ノーマルパーツとSP用パーツの差額代でアップグレードしていることや、バイクメーカーとパーツメーカーが協力して大量生産だからできるコストカットを実現しています。

主要装備を単品で交換する際の相場をまとめました。(価格帯はリッタークラス)。

・マルゲジーニホイール :30万円前後
・オーリンズ製フルアジャスタブルリアサスペンション :10〜20万円
・スポーツ用フロントフォーク :20〜30万円
・ハイグリップタイヤ :5万円前後

SP仕様はノーマルから同様のカスタムをするのに比べて、数十万円単位でお得なパッケージングになっています。それぞれメーカーの純正設定なので、セッティングを最適化させているメリットがあり、一部で専用開発したパーツを使われています。

SP仕様のデメリットはカスタムにオリジナリティの出ないことです。そこで各メーカーはSP仕様専用のカラーリングやエンブレムを用意して差別化を図っています。カスタム好きの人はノーマルからカスタムするよりも、SP仕様をさらに手を加えたカスタムをすることに優越感を感じています。

SP仕様は売るときも、ノーマルグレードより買取査定額を高く評価されます。ただし、新車価格に対して経年数や走行距離を減点して査定価格を算出するため、パーツ代に見合ったプラス評価はありません。(流通量の少ない特別モデルに関しては、プレミアムの発生することもあります)。

ノーマルグレードを買って、高級部品でカスタムするとお金はかかりますが、売るときにノーマルに戻して部品を単体で売れば、SP仕様を売るよりも有利になることがあります。マルゲジーニ製ホイールやオーリンズ製サスペンションは、状態が良ければ使用期間が長くてもヤフオクなどの個人売買で高く売れます。

おわりに

私はオーリンズ製サスペンションやマルゲジーニホイールに憧れています。私が初めて買ったバイクのCB400SFでは、当時純正で黄色いスプリングのオーリンズ製サスペンションをつけていたXJR400用リアサスペンションを買って流用カスタムしていました。
当時は学生だったこともありますが、中古でもフルアジャスタブルサスペンションは手が出なかったです。

SP仕様の設定車種が増えることはバイクファンにとって嬉しいニュースです。昨今は排ガス規制の影響や消費税増税、インフレなどの影響で、新車価格全体が値上がりをしているので、SPモデルを買うのは簡単なことではありません。
それでも、純正設定が増えれば将来的に中古バイクの流通量も増えるので、豪華装備のついたバイクを身近に乗れるようになる可能性があります。

2018年に入ってから、SP仕様はリッタークラスのネイキッドバイクに拡大していますが、250ccクラススポーツバイク(CBR250RRなど)や、600〜800ccのミドルクラスなど幅広い車種に拡大させてほしいです。

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