Z900RSの人気が凄い!!2018年上半期小型二輪販売ランキングで首位
2018年7月3日に全国軽自動車協会連合会の発表した、2018年1-6月期小型二輪(250cc超え)の新車販売台数は、0.6%増の3万3108台で微増ながら4年ぶりの増加を記録しました。メーカー別ではカワサキが7年ぶりの首位を獲得しました。躍進の要因になったのは2017年12月に発売したZ900RSです。
■2018年1-6月小型二輪メーカー別新車販売台数
()内は前年同期比
1位:カワサキ 8,485台(68.1%増)
2位:ホンダ 6,454台(18.1%減)
3位:ヤマハ 5,023台(24.1%減)
4位:スズキ 2,796台(11.2%増)
その他 10,350台(4.8%減)
参考情報として軽二輪(125cc超え250cc以下)は、2018年1-6月期の新車販売台数が前年同期比2.9%減の2万7798台で、2年ぶりのマイナスに転じました。
■2018年1-6月軽二輪メーカー別新車販売台数
1位:ヤマハ 9,830台(11.7%減)
2位:ホンダ 9,626台(7.6%増)
3位:カワサキ 3072台(18.2%減)
4位:スズキ 3868台(15.7%増)
その他 1,402台(2.9%減)
参考URL:http://www.zenkeijikyo.or.jp/
カワサキ小型二輪の5台に1台はZ900RS?
車種別販売台数のデータはありませんが、当サイト独自の予想は以下の通りです。
Z900RS 年間販売台数 2,500台 → 上半期販売台数 1,250台
Z900RS CAFE 年間販売台数 1,250台(3月1日発売) → 3-6月の販売台数 400台
Z900RSの販売台数はメーカー公式情報ですが、好調な受注で増産している可能性もあります。Z900RS CAFEの生産台数はメーカー公式情報ではありません。あくまでも当サイト独自予想になりますが、2018年上半期でZ900RSとZ900RS CAFEの合計販売台数は1650台になり、小型二輪販売台数8,485台の19.44%を占めている計算です。
約5台に1台がZ900RSシリーズになる計算で、前年同期の5,049台からは約3,400台増えているので、Z900RS以外の販売も好調だったことを伺えます。
2018年7月に公開されたバイク王 バイクライフ研究所によるリセールプライスランキングでは、Z900RSは過去25回の歴代最高ポイントを獲得して1位を獲得しました。上位3車種をカワサキが独占して、中古市場を見てもZ900RSは最注目の存在で、カワサキのブランド力の高まっていることを表す結果です。
【2018/7】リセールプライスランキングはZ900RSの圧勝
Z900RSの魅力はスタイリング
Z900RSの特徴は、往年の名車「Z1」を彷彿させるスタイリングです。もともと海外モデルだったZ900をベースに、外装やハンドルを変更してエンジン設定をマイルドにした派生モデルです。
Z900は2018年4月2日に国内モデルを発売し、価格設定は950,400円でZ900RSの最安モデル(メタリックスパークブラック/1,296,000円)より約34.5万円安いです。Z900は本格ストリートファイターで最高出力は125PSのチューニングでZ900RS(最高出力111PS)を大きく上回っています。しかし、Z900RSのように発売後即完売になる程の人気はなく、Z900RSの売れている要因はスタイリングだと断言できます。
将来的には、角Z(Z2)などやZ250をベースにした、小排気量で旧車テイストに仕上げた派生モデルを作るカードを持っていて、カワサキの躍進はこの先もまだまだ続きそうです。
ライバルメーカーの追随できない理由
Z900RSは、中古市場でプレミアム価格で流通する旧車テイストのスタイリングで大ヒットしました。ホンダはCB400Four、CBX400/1000、ヤマハはXJ400やRZ250/350、スズキのGS400など、他メーカーも中古市場でプレミアム価格で流通している車種を持っています。
カワサキの真似をして、現行モデルに旧車テイストの外装に換装した派生モデルを出せば売れるように思われますが、過去の失敗事例をネックにして消極的な反応になっています。
特にホンダは、1997-2001年に往年の名車のCB400Fourの復刻モデルを発売、2002年にはCB400SFにCBXカラーを採用した経緯があります。どちらも一定の需要はあったものの、大ヒットと呼べる存在にはなりませんでした。
特にCB400Fourは現在こそ中古市場で高値で流通していますが、発売当初は年間8,000台の販売計画を掲げていた中で大きく下回ったと見られています。4本出しマフラーなど、クラシックなスタイリングを高い完成度で再現したバイクだっただけに、メーカーとしても嫌な思い出になった車種でしょう。
当時はアメリカンバイクや大型スポーツバイク、メガツアラーなどのブームが起こっていたことや、2000年代から若者を中心にビッグスクーターブームの起こるなど時代との相性も悪かったです。もし、1997年発売ではなくZ900RSのヒットを受けた現代に発売していたら違う結果になったかもしれません。
いずれにしても、ホンダの失敗事例もネックになって、ライバルメーカーはクラシックネイキッドの派生モデル開発に手を出しにくくなっています。国内のバイク市場縮小によって、ホンダ、ヤマハ、スズキの3社は海外市場を意識したモデルの開発に注力していることも、国内需要だけを目的にした車種の企画にブレーキをかけています。
旧車の中でもカワサキはライバルメーカーを凌ぐ人気を持ち、仮に他メーカーが本気で往年の名車の復刻車種を作ってもZ900RSを超えるヒットは難しいです。
まとめ
カワサキはカワサキプラザ店の高級感ある販売店(ディーラー)の整備と拠点拡大を進めたことも新車販売の好調な要因ですが、Z900RSがカワサキ全体のブランド力を押し上げているように感じます。
1990年代にカワサキは低迷していたところにゼファー(ZEPPHER)を発売して起死回生をした時代を思い出しました。90年代とは違って最近のカワサキはSBK(スーパーバイク世界選手権)でチャンピオンを獲得したり、Ninjaシリーズのヒットなど地盤もしっかりした人気の高いメーカーでしたが、大ヒット車種の登場でカワサキのバイク人気に拍車をかけました。
Z900RSの人気がこの先どこまで続くのか?Z900RS CAFEに続く派生モデルの投入はあるのか?2019年モデルの内容が今から楽しみです。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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