開発中の次期CBR1000RRは2019年発表、2020年発売?


(写真は東京モーターサイクルショー2018で出展のCBR1000RRレース車両)

リッタークラスSS(スーパースポーツ)バイクは、市販車の中でもっともサーキットを速く走れるバイクで、国内最高峰のバイクレース(全日本ロードレース選手権)のJSB1000や、市販車ベースのバイクで行われるSBK(スーパーバイク世界選手権)などでも使われています。

メーカーが威信をかけて開発しているカテゴリーで、メーカー全体のブランドイメージに直結するため、販売台数よりもレースでの結果や各種メディアや評論家から高評価を得ることを重要視されています。

日本仕様を発売している車種の中でもホンダのCBR1000RRは、2017年に現行の4代目へフルモデルチェンジして、純正でフルパワー化や最新電子制御の導入などで大幅にパワーアップしました。

2017年8月のフルモデルチェンジから1年も経過していないのに、すでに新型開発の噂が入ってきています。早ければ2019年秋のミラノショーで公開、2020年フルモデルチェンジを予定しています。

開発中の次期CBR1000RRのモデルチェンジ情報

2018年に入ってからCBR1000RRの新型に関する噂が色々出ています。情報源は海外のテストコースによる取材で、大手バイク雑誌のヤングマガジンや月刊オートバイで大きく取り扱っています。詳細情報はあまり出ていないのですが、次期CBR1000RRは大幅に出力アップすることが予想されます。

その中でも気になった情報が、次期CBR1000RRは伝統の双眼ヘッドライトを捨てて小型LEDの単眼ヘッドライトを採用する案があるというものです。複数ある案のひとつで色々なデザインを試しているようですが、ラムエア吸気を高める狙いがあり、私としては有力なデザイン候補と考えています。

次期CBR1000RRの単眼ライトデザインは2018年7月号(6月1日発売)の月刊オートバイの表紙でも確認できます。冒頭でサイドからのデザインも含めて見開き2ページ(合計4ページ)で紹介しているので、是非月刊オートバイをご覧下さい。


「2018年7月号(6月1日発売)の月刊オートバイ」はこちら

2017年8月にフルモデルチェンジした4代目CBR1000RRは、昨秋に開催されたホンダ・ドリーム大試乗会にて私の試乗レポートを紹介しています。
コチラの記事も併せてご覧ください。
Honda Dream Festa試乗会レポート③ CBR1000RRーSP編(2017/4/23)

現在のCBR1000RRの立ち位置

2018年6月現在の主要なリッタークラススーパースポーツの車種は以下の通りです。

・ホンダ:CBR1000RR/SP/SP2
・ヤマハ:YZF-R1/R1M (国内仕様未発売)
・スズキ:GSX-R1000R
・カワサキ:ZX-10R/RR (公道走行可能は逆輸入車のみ)
・ドゥカティ:Panigale V4/S/Speciale (1,103cc)
・ドゥカティ:1299 Panigale R FE
・BMW:S1000RR
・アプリリア:RSV4RF

CBR954RRから2007年発売の3代目(SC59)くらいまでは、ホンダはライバルを圧倒する評価を得ていましたが、最近ではライバルメーカーの進化も著しく、クラスの中でCBR1000RRだけ高い評価を得ているワケではありません。

2017年モデルよりフルパワー状態で国内の排ガス規制をクリアして販売していますが、ハイパワーの目安が200馬力になっているなかでCBR1000RRは192馬力です。
最高出力よりも乗りやすさにもこだわったセッティングをしている面もありますが、スペックでライバルに劣っている部分が増えてきています。

出力や、ノーマル状態での総合的な速さでライバルに劣る評価やレビューもチラホラ見られ、市場評価はほぼ横ばいです。次期CBR1000RRは、クラスで圧倒的な存在感を取り戻すことを目的にホンダが力を入れて開発を進めています

CBR1000RRの歴史

CBR1000RRは2004年に先代のCBR954RRの後継車種として発売されました。シリーズの歴史を遡ると、1992年発売のCBR900RRから始まるロングヒット車種です。

80年代から90年代の大型バイクは重量のあるツアラーバイク中心の中で、軽量でスポーツ性能を重視した大排気量バイクは当時斬新な存在で、初代モデルから世界中で爆発的ヒットしました。

CBR1000RRになってからのモデルチェンジ情報をまとめました。

・初代(SC57) 2004-2005
センター出しマフラーのスタイリングが特徴で、今でも中古市場で人気の高いモデルです。

当時Moto-GPに参戦していたRC-211Vのレプリカをコンセプトにしたモデルで、市販車で初めての採用となる電子制御ステアリングダンパーのHESD(Honda Electric Steering Damper)など当時の先進装備を多数導入しています。

先代のCBR954RR(170kg)から11kgアップの181kgに乾燥重量が増えて、現行モデルと比べると重量もネックです。

・初代後期(SC57) 2006-2007
2006年に初のモデルチェンジを行っています。一部では2006年のモデルチェンジを2代目として、2017年発売の現行モデルを5代目と表現する動きもあります。

一般的には型式の変わらないため初代の後期と表現されています。
ブレーキ、フレーム、サイレンサーなど主要パーツを多数改良していてカウル形状も若干変更しています。

・2代目(SC59) 2008-2011
CBR1000RRになってからは初のフルモデルチェンジを行い、エンジンと車体をすべて新設計にして初代より6gの軽量化を行いました。2代目の発売された当初は、ボディが小さくなった印象を強く受けました。

当時は最近のリッタースポーツバイクは600cc並の大きさと言われるようになっていて、リッターバイクの小型化は2代目CBR1000RRから始まり、ライバルメーカーにも広がって市場のトレンドになりました。

マフラーはサイド出しのショートタイプに変更されるなどスタイリングも大きく変わっています。

・3代目(SC59)  2012-2016
型式は変わらず、エンジン、フレームの変更のないマイナーチェンジでしたが、カウルおよびヘッドライトのデザインが大幅に変わったため、2012年発売モデルを3代目と呼ぶのが一般的です。実質はマイナーチェンジなので2代目後期と呼ぶ動きもあります。

サスペンションやホイールなど足回りを中心に強化され、エンジン、フレームに大きな変更はありません。ショートマフラー、ウインカー内蔵型マフラーなども踏襲されています。

・4代目(SC77)  2017-
フルモデルチェンジを行い、CBR1000RR以降では初のフルパワー仕様で国内排ガス規制をクリアさせました。車体の大幅な軽量化とデザインを変更し、SPモデルには最新の電子制御サスペンションを搭載しました。ただしエンジン、フレームは先代のSC59型を使い、改良によってパワーアップさせたので中身はマイナーチェンジという見方もあります。

2020年のモデルチェンジは妥当

CBR1000RRは3、4年に1回のペースのモデルチェンジを繰り返しているので2019年ミラノショー公開、2020年モデルチェンジの流れは妥当です。過去の流れを考えれば、型式は現行と同じSC77のマイナーチェンジになるかもしれません。

現行モデルも2008年発売のSC59のエンジンとシャーシをベースに改良を積み重ねた仕様なので、そろそろ完全新設計のフルモデルチェンジを期待したいところです。

ライバルメーカーは軒並み200馬力前後を出していることから、大幅な出力向上を目指して開発している様子です。

単眼ヘッドライトのデザインが候補に出ているのは、ヘッドライトスペースを小さくすることでラムエアの吸気口を大きく取れるからです。伝統の双眼ヘッドライトだと、デザイン的にラムエア吸気口を広げる限界があるようです。

ライバルのYZF-R1やパニガーレV4はLEDによる線のような細いヘッドライトで、双眼と大きなラムエア吸気口を確保したフロントカウルを可能にしています。

双眼で理想を追求すると、既に販売しているライバル車種とデザインが似てしまい、他社を真似をしたイメージを持たれることを嫌って、単眼小柄ライトの新たな方向性を検討しているのでしょう。

おわりに

2017年に発売したCBR1000RRは国内仕様のフルパワー化や大幅な軽量化、電子制御技術の導入で大きなヒットを遂げています。特にSP仕様から内部バルブ構造の変更とマルケジーニホイールにアップグレードさせたSP2は、2017年モデルの国内販売枠が35台に対して1,089名の申込が入り、倍率30倍になって話題を集めました。

現行モデルも決してライバルに劣っている印象はなく、最高出力はライバルに負けていてもコーナリング性能を含めた総合力で見ればクラストップです。

世界最高峰のロードレースMoto-GPでも、ホンダは安定して毎年チェンピオン争いに加わるなど王者に君臨していて、レーシングマシンの開発ノウハウでもライバルメーカーをリードしています。

最近は競技車両専用マシンで行われるMoto-GPではなく、市販車バイクで行われるSBKに主戦をおいたカワサキのZX-10R(RR)が評価を上げていることも、ホンダに刺激を与えているように感じます。

鈴鹿8耐にもワークス参戦することが決まっていて、ホンダはCBR1000RRのブランド力アップとライバルメーカーとの差別化を目指しています。

モデルチェンジは当面先の話ですが、いまから来年のミラノショー公開に向けてどのようなバイクを作っていくのか楽しみです。

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