2018年から国内投入されたランブレッタ(LAMBRETTA)ってなに?
2018年3月よりイタリアの名門スクーター「ランブレッタ(LAMBRETTA)」が国内投入されるニュースが入ってきましたが、ランブレッタのことを知らない人も多いでしょう。
ランブレッタはイノチェンティ社の二輪ブランドとして1947年にスクーターの製造・販売を開始し、1971年にイタリアでの生産を終えて、その後はインドの企業が引き継いで90年代に生産終了した歴史を持っています。2010年に一度復活するニュースが入ってきましたが、こちらは商標を無断使用した偽物ですぐに倒産しています。
2017年に本家のイノチェンティ社がオーストリアのKSRグループと共同で設立し、2017年秋のミラノショーで正式な復活を遂げて公開されました。2018年3月より日本で販売開始しています。なお、バイク用品メーカーのサインハウスが日本の代理店になっています。
ランブレッタの特徴
復活したランブレッタの特徴をまとめると以下の通りです。
・国内では50cc、125cd、200ccの3モデルが販売され、全て共通ボディ
・各モデルで固定フェンダーのFixと可動フェンダーのFlexを用意(価格は共通)
・KTMやハスクバーナのデザインを手がけるオーストリアのキスカデザイン社がデザインを担当
・ベスパと同様のモノコックフレームを採用したプレミアムスクーター
・レトロなデザインだけど、先進装備を多数導入
1番のポイントになるのは、KTMと同じデザイン会社が手がけている点です。昔のランブレッタの伝統を受け継ぐ六角形のヘッドライトなどクラシックなデザインですが、欧州メーカーのスクーターらしいお洒落で美しいフォルムになっています。
カラーラインナップは、125ccタイプの可動フェンダータイプ(Flex)で5色。ボディカラーによってシートの色も変わるのがポイントです。
走りが良い
国産スクーターは乗り降りのしやすさと重量を優先して、メインフレームが足元の下にある簡易的なバックボーンフレームを使っていますが、フレーム剛性に欠けるデメリットがあります。ランブレッタは、プレス成形のスチール剛板とパイプフレームを組み合わせたモノコックフレームを採用しています。
国産スクーターは足を乗せるフロアの下にパイプが通っているだけですが、ランブレッタはフロアスペース全体がスチール剛板でフレームの役割を担っています。重量は重たくなりますが、剛性が高くてブレーキを握ったまま寝かしこんでも安定した走りをします。
エンジンはスペックで見ると国産と同等水準ですが、欧州製バイクだけあってパワフルな走りは健在です。街乗りの加速から幹線道路のクルージングまで快適にこなせます。タイヤは前後12インチでレトロな印象を与えますが、フレームと足回りがしっかりしているので見た目以上にスポーティーな走りをします。
ABSは装備していませんが前後連動ブレーキを採用していて安全性が高く、ブレーキロックもしにくいです。(50ccは未装備)。前後連動ブレーキによって、よほど緊急性を要する場面を除いて右手はスロットル操作に集中して、ブレーキは左レバーだけで十分になるので楽チンです。
主な装備
・可動フェンダー(Flexのみ)
・灯火類フルLED
・LAMBRETTAのロゴ入りスモールポジションライト
・アナログスピードメーターとデジタルタコメーターのコンビネーションメーター(LEDバックライトは7色の中から設定可能)
・厚めで座り心地がよくボディカラーに合わせたコーディネートされるシート
・現代バイクらしくフルフェイスヘルメットを1つ収納可能なシート下収納
・フロント226mm大口径ディスクブレーキ
ランブレッタ・V125SPECIAL FLEXのスペック
車種名 | V125 SPECIAL FLEX |
---|---|
メーカー | ランブレッタ(LAMBRETTA) |
排気量 | 124.7cc |
発売時期 | 2018年3月 |
エンジン形式 | 空冷4ストローク単気筒/OHC2バルブ |
燃費 | – |
トランスミッション形式 | Vベルト無段変速 |
クラッチ形式 | 遠心クラッチ(湿式、シュータイプ) |
燃料供給方式 | インジェクション |
フレーム形式 | スチール剛板モノコックフレーム |
車両重量 | 134kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 10.2PS/8,500rpm |
最大トルク | 0.94kgf・m/7,000rpm |
シート高 | 770mm |
燃料タンク容量 | 6L |
新車価格 | 400,000円 |
各モデルの価格、購入方法
ランンブレッタは排気量ごとに分かりやすいワンプライスによる販売をしていて、可動フェンダー、固定フェンダーともに共通料金になっています。スペック情報で紹介したのは、国内でも1番人気になることが予想される「V125SPECIAL」です。ボディは50ccモデルと125ccモデルも共通になっています。
価格設定は以下の通りです。(税込)
・V50 Special Fix / Flex :380,000円
・V125 Special Fix / Flex :400,000円
・V200 Special Fix / Flex :450,000円
新車値引きは一切ありません。代理店はバイク用品メーカーのサインハウスで、ランブレッタの正規販売店になることに合わせ、2018年3月30日に東京都大田区にショールームをオープンさせました。全国で唯一、ランブレッタを店頭購入できる場所で展示車の用意もあります。なお、ランブレッタ専門ディーラーではなくサインハウスのショールームとして、取扱パーツも多数展示しています。
▪サインハウス・ショールーム
・住所: 東京都大田区田園調布2-1-8
・電話: 03-3721-1770
・営業時間: 10:00〜18:00
・定休日: 毎週火曜日・水曜日
・URL:https://www.bolt.co.jp/news/news_lambretta_start.asp
東京以外は通販購入になります。送料は以下の通りです。(税込)
・東北・関東・北陸信越・中部・関西・中国・四国 : 25,000円
・北海道、九州、沖縄 : 30,000円
通販で125ccを購入した場合、送料と自賠責保険を併せて45万円前後になります。送料は良心的な価格設定で、本州はワンプライスになっているので地方の方でも購入しやすいです。
アフターサポート
サインハウスは東京以外にサービス拠点はなく、基本的にメンテナンスを行う正規業者はありません。しかし、空冷、OHCエンジンにインジェクションの組み合わせなので、故障リスクは低いです。インジェクションのエラーや故障対処はコンピューター診断が必要ですが、欧州製バイク全般の診断を行うサービスは全国に増えています。
大きな転倒をして部品交換する場合は、サインハウスを通じて取り寄せる流れになりますが、かなりの納期がかかるものだと思っておきましょう。
ベスパなど欧州メーカーのスクーターよりもアフターサポートの体制は悪いですが、頻繁に故障する構造ではありません。エンジンはパワフルな設定なので、小まめなオイル交換をするように心がけるとよいでしょう。
おわりに
ランブレッタの1番の魅力はスタイリングです。外観に惚れこめなければ買わない方がいいです。伝統を残した王道デザインで私は魅力を感じます。40万円の価格設定であれば検討する価値はありそうです。燃費や耐久性は国産スクーターに劣るので、通勤・通学のような距離を乗る人ではなく、たまに街乗りで乗る人に向いています。
販売拠点を見ても大ヒットすることはないですが、他の人と被ることはなく、「このバイクなに?」と周囲から注目を集められるバイクです。保有する優越感は国産バイクより高いでしょう。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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