プジョーブースレポート|東京モーターサイクルショー2018
東京モーターサイクルショー2018を取材していた中で、プジョーブースに目を引かれました。乗用車で有名なフランスのメーカーでしたが、バイクを見るのは初めてです。
早速メーカーのスタッフに話を聞いたら、2018年3月より日本での正規販売を開始したとのことです。
レポートとメーカースタッフへの取材内容をまとめました。
プジョーのスクーターが日本販売開始
プジョーは古くからスクーターを中心にオートバイの製造販売をしていました。これまでは日本での販売網を持っていないため、一部の個人輸入するマニアを除いて国内では流通していませんでしたが、2018年より3輪ルーフ付きバイクを得意にする、ADIVA(アディバ)が代理店になって販売開始します。
ヨーロッパでは大きい排気量のスクーターも扱っているようですが、とりあえず日本では、免許制度の影響で人気の高い125ccスクーターから始めるとのことです。
プジョーは車でもスタイリングに定評のあるメーカーで、ライオンのエンブレムデザインはカッコイイです。
展示しているスクーターもクラシックでデザインなデザインに好印象を抱きます。車格は大きめでシグナスやリード、アドレスより一回り大きく、PCXやN-MAXくらいの大きさに感じました。
メーカーの人にプジョースクーターの特徴や強みを聞いたところ、展示しているバイクのほとんどは共通のスペックになっていて、自分好みのカラーとタイプを選べる選択肢の多さだと回答がありました。ラインナップの特徴ではABS有りのモデルと無しのモデルを用意しています。
確かに、カラーや外装によってイメージは大きく変わります。どのバイクも大きめのエンブレムが際立っていて、街中を走れば注目を集められそうです。
価格は安いモデルで約36万円からなので、国産の上級スクーターを買うのと大差ありません。私がプジョーブースで足を止めてゆっくり取材したのも価格を見て、これは安いと感じたからです。
欧州規格なのでパワーもある
展示車両を見て気になったのは、ずっしりした車体で重そうに感じて、エンジンは空冷SOHC2バルブの単気筒だった点です。メーカーの人に「2バルブで走るの?」と聞いてみたところ、「メチャメチャよく走ります」と回答がありました。
100kmくらい出るのか聞いたところ、余裕でそれ以上出るみたいです。スペックを見るとエンジンの最高出力は7.5kw!!国産原付2種スクーター最速のヤマハ・シグナスX SRは7.2kwなので、確かに走りそうです。
速さの秘訣を聞いたら、欧州規格なので国産より速いと回答がありました。後日、頂いたカタログをじっくり見ると、スペックは全て共通ではなく水冷エンジンモデルもあるとのこと。
水冷の1番高スペックモデルは125ccスクーターでありながら10.6kwのハイパワーです。ブームの予感を感じました。
耐久性は?
プジョーのスクーターが速いのは分かりましたが、気になるのは耐久性です。車のプジョーはオートマミッションに弱いことで有名ですが、スクーターのベルト式であれば大きな問題はなさそうです。
気になるのはエンジンの耐久性ですが、国内での流通量は少なく、現時点での情報は少ないです。調べてみると、国内の販売店になるADIVAのバイクも、プジョーがエンジンを提供しているとのこと。
ただし以前発売されていた125ccのモデルはキムコ製エンジンを積んでいて、プジョーエンジン搭載車は型落ちを含めた400ccモデルか現行の400と200のみで情報が少なかったです。
部品代の高価になる点と、メンテナンスできる業者の少ないのは外車の宿命なので、国産より維持費はかかるものと思って買わないといけないです。また、ADIVAの販売店・サポート店は少なく、展開していない地域の多い点も課題です。
ただし原付2種スクーターは構造も簡単なので、空冷エンジンモデルでは故障リスクは少ないのではないかと期待しています。どちらにしても、少し様子を見て情報が増えてからの購入が無難そうです。将来売る時のリセールバリューも、オーナーレビュー次第で決まると言っても過言ではありません。
販売店情報
ADIVAの正規ディーラーは少なく、代理店のモーター屋による販売が中心です。2018年4月1日現在、販売店のある地域は20都道府県です。東京、神奈川、千葉に関しては販売店の数も多いです。
購入する時はメンテナンスの面倒もみてもらえるのか確認しましょう。正規販売店なので部品の取り寄せには対応できます。興味を持ったら、まずは販売店情報から確認しましょう。プジョーの取り扱い開始で今後代理店の増えていく可能性もありそうです。
ADIVA店舗情報:http://adiva.co.jp/shops.html
車種一覧
■ジャンゴ(DJANGO)シリーズ
ジャンゴシリーズは空冷エンジン搭載のスタンダートな街乗り中心のクラシックスクーターで多彩なラインナップを用意しています。
●ジャンゴ125エバーション
特徴:ツートンカラーのクラシックモデル
●ジャンゴ125ヘリテイジ
特徴:ブラック単色のエントリーモデル
●ジャンゴ125S
特徴:マットブラックのカラーリングが特徴
●ジャンゴ125ID
特徴:水色と白のツートンカラーで小型バックレストを装備
●ジャンゴ125アリュール
特徴:エレガンスなカラーリングでバックレスト付きトップケースを装備
■シティスター(CITYSTAR)シリーズ
シティスターシリーズは2灯ヘッドライトのスタイリングが特徴で水冷エンジンを搭載した上級モデルです。
●シティスター125ブラックエディション/シティスター125RS ABS
特徴:シティスターの標準モデル。出力重視で水冷SOHC4バルブエンジンによる10.6kwのハイパワーが特徴
●シティスター125スマートモーション
特徴:シティスターのエントリーモデル。水冷SOHC2バルブエンジンで出力は8.2kwに落ちますが10.8N・mのトルクを5,400回転で発生させます。(他の2車種は11.9N・mを7,000回転で発生)
■スピードファイト(SPEED FIGHT)
スピードファイトはスポーツスクーターの位置づけでエンジンスペックはシティスター125スマートモーションと共通です。
通常のスピードファイト125と、4輪レーシングカー「308TRC」にインスパイアされたカラーリングの「スピードファイト125R CUP」の2車種を用意。スペック、価格は共通です。
見た目は高そうですが価格は約36万円でジャンゴシリーズの一番安いモデルと大差ありません。故障リスクさえなければ、私はスピードファイトを買いたいです。
スペック情報
シリーズごとに価格、スペックの情報は別ページで紹介していきます。当サイトはトップページに検索機能も付いているので、気になる方は記事の更新をチェックしてみてください。
ジャンゴシリーズの主要スペックを紹介します。
■ジャンゴシリーズのスペック
価格:259,640円j〜381,240円
乾燥重量:129kg
最高出力:7.5kw
最大トルク:8.9N・m
燃料タンク:8.5L
外寸:1,925mm(全長) × 710mm(全幅) × 1,190mm(高さ)
おわりに
ヨーロッパの小排気量スクーターは、故障の多いバイクが多くて良いイメージを持っていないのですが、プジョーのスクーターには可能性を感じています。プジョーがバイクもやっていることはモーターサイクルショーで初めて知りましたが、現存するメーカーでは世界最古のモーターサイクルの歴史を持っているようです。
1914年には当時の世界最高速記録を樹立した実績もあって、戦前に強かったメーカーであることが分かります。戦後の歴史はパンフレットを見ても内容が薄くて、ヨーロッパでもそこまでシェアの高いメーカーではないかもしれません。
現物バイクを見た印象はとても良かったので、故障リスクさえ少なければ日本でも売れると思います。転倒率の低い125ccスクーターは、普通に走っていて壊れなければ、多少はベルトなど消耗品代が高くても所有する価値の高いバイクになるでしょう。
なお、この記事を作成した2018年4月1日現在では、ネット検索で公式ページを発見できませんでしたが、カタログにURLの記載がありました。おそらく、日本版サイトをオープンさせて間もなく検索エンジンに反映されていないのでしょう。
公式サイトはコチラです。http://peugeotscooters.jp/

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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