GSX-R125ABSの特徴・スペック〜SS末弟がついに発売〜
2016年頃から日本仕様の発売が噂され、大きな話題を集めていた「スズキ GSX-R125ABS」が、2018年1月26日より発売されることが決まりました。基本スペックは先に発売されたGSX-S125ABSと同等ですが、フルカウルとセパハンを組み合わせたスポーツバイクのスタイリングを待っていた方も多いでしょう。
気になる価格は38万6,640円で、GSX-S125と比べて約3万円の差です。当サイトでは40万円前後の価格を予想していましたが、予想以上に安い価格設定で、フルカウルのスタイリングと15PSのハイパワー、ABS標準装備を考えるとリーズナブルな価格設定です。
なによりも、フルカウルになったことで、クラスを超えた迫力を持ち、遠くからだと大型バイクにも見えるスタイリングは魅力的です。近くで見ても、市区町村単位のピンクナンバーさえ見えなければ250cc以上に見えます。
カラーリングはGSX-R125伝統のブルーメタリックとブラックの2色です。メインカラーになる青は、サイドカウルから始まるSUZUKIの大きなロゴと、Rを強調したGSX-Rシリーズのエンブレムシールがかっこいいです。
125ccクラスのミッションバイクを購入検討していた方はもちろん、250ccクラススポーツバイクを買おうとしていた方にも、新しい選択肢に加わることになるでしょう。大型バイクからのダウンサイジングや、リベンジライダー、サブバイクなどの需要も期待できそうです。
欧州規格の上限で、国内の125ccバイクではクラストップの15PS、最高時速は120km以上出ます。
GSX-R125ABSのスペック
車種名 | GSX-R125ABS |
---|---|
メーカー | SUZUKI (スズキ) |
排気量 | 124cc |
発売時期 | 2018年1月26日 |
エンジン形式 | 水冷4ストローク単気筒 / DOHC4バルブ |
燃費 | 国土交通省届出値48.2km |
トランスミッション形式 | 常噛6段リターン |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
フレーム形式 | ダイヤモンド(ツインスパー) |
車両重量 | 134kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 11kW(15PS)/10,000rpm |
最大トルク | 11Nm(1.1kgm)/8,000rpm |
新車価格 | 386,640円 |
中古車相場 | – |
主要装備
■ABS標準装備
国内125ccミッションバイクでは初めてのABS標準装備
■LEDランプ
ヘッドライト、ポジションランプ、テールランプ、ナンバープレートランプでLEDを採用
■フル液晶メーター
スピード、回転数、オドメーター、デュアルトリップメーター、ギアポジションインジケーター、平均燃費計、オイルチェンジインジケーター、燃料計、時計を表示する多機能メーター
■スズキイージースタートシステム
スタートボタンを一瞬押すだけで、一定時間スターターモーターが回転するスタートシステム
■シャッターキー付キーシリンダー
シャッターはグローブをつけたまま、ワンプッシュで開閉可能
足回りはインナーチューブ径φ31mmの正立フロントフォークに、10本スポークのアルミキャストフレームを採用し、コストパフォーマンスと軽量性を実現しました。
車体はGSX-S125ABSに比べても+1kgの134kgと軽量なので、無駄にコスト削減した倒立フォークを入れるよりも、バランスよく仕上がっていると評価できます。
リアはリンク式のモノサスでブレーキディスクはフロント290mm、リア187mmの口径で制動力も高い本格スーパースポーツバイクです。
国内仕様で実現した低価格
125ccのスーパースポーツバイクは、世界で見ればほかの車種もあり、日本メーカーではヤマハのYZF-R125が有名です。スポーツバイクの主要なマーケットは欧州で、現地規制の15PSエンジンを搭載していながら、排ガス規制の厳しい日本仕様の正規販売を実現したのがスズキの凄いところです。
YZF-R125の場合は輸入代行業者を介して購入する必要があり、国内での流通価格は型落(2015年モデル)の新車でも60万円ほどです。GSX-R125ABSは値引き販売する可能性もあり、乗り出し価格でYZF-R125の半額近い値段で買える可能性があります。
値引きは期待できる?
2018年1月に新発売する車種のため、メーカーからの取り寄せになると、定価もしくは4桁の端数カット程度の条件になります。2017年10月に発売した姉妹車種のGSX-S125は2018年1月現在、一部の格安業者で5〜6万円の値引きをして、車体価格30万円を切って売られている事例もあります。
多くの販売店で3万円以上の値引きが相場になるのは、半年以上かかるかもしれないですが、3ヶ月くらい待てば、格安販売業者で乗り出し価格35万円前後で買えるようになるかもしれません。
スズキ GSX-R125ABSの評価
近所の街乗り ★★★★☆
通勤・通学 ★★★★☆
ツーリング ★★★★☆
峠・サーキット ★★★★☆
足着き性 ★★★☆☆
扱いやすさ ★★★☆☆
タンデム ★★☆☆☆
カスタム性 ★★★★☆
カテゴリーはスーパースポーツになりますが、125ccクラスの軽量ボディーと、国内正規仕様の水冷単気筒エンジンによるメンテナンスコストの安さが特徴です。
エンジンは高回転型ですが、車両重量は軽いので扱いやすく、街乗りでの実用性もあり、通勤・通学など距離を走る乗り方でも対応できます。パワーや最高速だけで見れば、空冷エンジンの250ccストリートバイクやビッグスクーターに匹敵しますが、125ccなので高速道路には乗れません。
街中でも手軽に楽しめるスポーツバイクで、峠のワインディング、サーキットでのスポーツ走行も楽しめます。
レース・サーキットでの需要
排気量を見るとミニバイクに位置しますが、ホイールベースの大きいフルサイズのため、タイトなコーナーの多いミニバイク用サーキットでは、12インチバイクより遅いです。
単車クラスでも走れるサーキットでの需要がメインになりますが、250ccスポーツバイクに比べると非力の少ないため、GSX-R125ABSが有利なコースは限定されます。レース用バイクとして普及するには、ワンメイクレースの普及が必要です。
車両価格は安く、ノーマルでも15PS出るので、手軽にサーキットでのスポーツ走行を楽しめます。練習用バイクや、街乗りとスポーツ走行の兼用バイクとしての需要を期待できそうです。
おわりに
当サイトでも注目していた新型バイクで、2018年の125ccクラス新モデルでは最注目の車種です。私は東京モーターショーで現車を見ましたが、125ccクラスには見えない迫力があり、かつてのホンダ・NSー1やアプリリアRS50を見たような衝撃を受けました。
スポーツバイクを欲しいけど、価格や維持費がネックになっている人がスタイリングを重視して買う需要を期待できそうです。ただ見た目の大きいだけではなく、クラスを凌駕したパワーも魅力で、先に発売したGSX-S125ABSのオーナーレビューも軒並み高評価を得ています。
メーカー小売価格で40万円を切る価格帯にまとめ、値引きも期待できるのはスズキだからできたことです。私も購入したいと思えるバイクですし、スポーツバイク好きから街乗り用バイクなど幅広い用途でオススメできます。
車体サイズのあるフルサイズにセパハンの組み合わせなので、ライディングポジションはそれなりに窮屈になります。見た目やスポーツ性能(リーンインやハングオンをした乗り方)にこだわりがなければ、姉妹車種のGSX-S125もオススメです。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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