明らかになったDUCATI パニガーレV4のスペック・価格
ドゥカティの最新フラッグシップスポーツバイク、「パニガーレV4」が2018年5月に発売することが正式に決まりました。2017年11月に開催されたEICMA(ミラノショー)でも一番の注目を集めた、量販型では最高スペックを誇るピュアスポーツマシンです。
最大の特徴は、ドゥカティの量販車では初採用になるV4エンジンです。現行のパニガーレをはじめドゥカティは、独自のLツインエンジンを得意にしていましたが、Moto-GPマシン直径のV4エンジンを市販車向けに開発して大きな注目を集めていました。
エンジンのみ、2017年9月に発表イベントを行い、世界から大注目された新型パニガーレですが、遂にスペックと価格の詳細が発表されました。なお、エンジンの特徴については下記ページで詳しく紹介しています。
DUCATI新型パニガーレに搭載予定の新開発V4エンジン情報
このページの目次です
パニガーレV4はマフラー交換のみで226馬力までアップ可能!!
パニガーレV4(PANIGALE V4)は、パニガーレ1299の後継車種にあたるニューモデルです。エンジンはMoto-GPで使用しているデスモセディッチGPエンジンの直系で、レーシングマシン並のハイパワーに加えて、扱いやすさを兼ね備えたトルクのワイドレンジ化をするために、排気量は1,103ccになっています。
ライバルメーカーの4気筒スーパースポーツは、レースレギュレーションに合わせて排気量1,000cc以下に設定していますが、パニガーレV4はレースレギュレーションは度外視して、公道やサーキットでのスポーツ走行に特化した大排気量エンジンを搭載しています。
フレームを短くして後部はエンジンにフレームの役割を担わせるなど軽量化とコンパクト化を徹底していて、排気量は大きいですが、カテゴリーはメガツアラーではなくピュアスポーツに分類されます。グレードは標準、S、Specialeの3種類を用意し、当サイトの予想価格(前回の記事では300万円以上を予想)を大きく下回る、264万円の車両本体価格になりました。
グレード | 価格 | 主要装備 |
---|---|---|
PANIGALE V4 | 2,639,000円 | ザックス製リアサスペンション、ショーワ製BPF倒立フロントフォーク、アルミ鍛造ホイールなど |
PANIGALE V4 S | 3,280,000円 | SmartEC 2.0電子制御システム搭載オーリンズ製リアサスペンション、オーリンズ製NIX30倒立フロントフォーク、アルミ鍛造ホイールなど |
PANIGALE V4 Speciale | 4,550,000円 | 専用カラーリング、チタニウム製エグゾース、SmartEC 2.0電子制御システム搭載オーリンズ製リアサスペンション、オーリンズ製NIX30倒立フロントフォーク、アルミ鍛造ホイール、 専用スクリーン、アクラボビッチ製ハイパフォーマンスマフラー(同梱)、アルカンターラシート、専用バイクカバーなど |
PANIGALE V4 Speciale マグネシウムホイール | 5,090,000円 | PANIGALE V4 Specialeのアルミ鍛造ホイールをマグネシウムホイールに換装 |
カウルデザインが美しい
パニガーレV4で目を奪われるのが、フロントカウルや極限まで軽量化したシートカウルの美しいフォルムです。国産スーパースポーツはヘッドライトのデザインで個性を出していますが、パニガーレV4はLEDヘッドライトを採用しつつもカウルの形状で美しさを出しています。
すでにリッタークラススーパースポーツのフロントカウルの形状は成熟しているものかと思ってましたが、パニガーレV4はライバル車種よりも一歩先に進んだデザインに到達した印象を受けます。
日本と欧州のバイクメーカーが凌ぎを削るリッタークラススーパースポーツでは日本メーカーに頑張ってもらいたいところですが、デザイン面だけで見れば日本メーカーよりも高い次元に達しています。さすがイタリアメーカーのバイクだけあって、スタイリングで国産バイクとは違う魅力を出しています。
ヘッドライトがカウルの内側に入っているのが特徴で見る角度によっては、ヘッドライトの付いていないレーシングマシンに見えます。スイングアームは片持ちプロアームにショートマフラーを合わせ、極限まで無駄を削ぎ落としたシートカウルはレーシーです。細部まで随所にこだわりが感じられ、見ていてワクワクしてきます。
パニガーレV4のスペック
車種名 | PANIGALE V4(パニガーレV4) |
---|---|
メーカー | DUCATI (ドゥカティ) |
排気量 | 1,103cc |
発売時期 | 2018年5月 |
エンジン形式 | 水冷4ストロークV型4気筒 / DOHC4バルブ(デスモセディチストラダーレ90°) |
燃費 | – |
トランスミッション形式 | 常噛6段リターン |
クラッチ形式 | 湿式多板 |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
フレーム形式 | アルミニウムフロントフレーム |
車両重量 | 198kg |
乗車定員 | 1名 |
最高出力 | 214PS/13,000rpm |
最大トルク | 12.6kgm/10,000rpm |
新車価格 | 2,639,000円〜 |
中古車相場 | – |
Moto-GPマシンに迫るハイパワーと量販車にふさわしいメンテナンスサイクル
注目されていた最高出力はノーマルで214PSでした。排気量が大きいとはいえ、ノーマルでクラストップのハイパワーを誇ります。さらにドゥカティ・コルセ仕様のアクラボビッチ製マフラーに変更するだけで226PSまでパワーが上がります。
Moto-GPマシンの最高出力は、ホンダのRC213Vで244馬力以上とされています。本物のGPマシンには劣りますが、市販車ベースのパワーもGPマシンの性能に近づいてきました。
趣味でサーキットのスポーツ走行を楽しむ程度のアマチュアライダーであれば、扱いやすさを含めてMoto-GPマシンに乗るよりもパニガーレV4に乗った方が速いタイムを出せますし、パワーの違いをほとんど体感できないでしょう。
GPマシンに近づいたハイパワーがありながら、中速域でのトルクも太く市街地でも乗りやすくなっています。レースレギュレーションにこだわらず排気量を拡大したことで、街乗りにも対応でき、本気でサーキットを走らせればライバルメーカーのスーパースポーツと互角以上の勝負ができます。
Moto-GPマシン直系エンジンで、スペックもレース車両並と聞けば維持が大変そうに感じますが、メンテナンスサイクルは24,000kmごとになっているので耐久性が高くランニングコストは安いです。
ドゥカティ パニガーレV4の評価
サーキットを走らせれば市販車最速レベルです。カワサキのH2と比較しても、軽くてコーナリング性能が高い分、パニガーレV4の方がサーキットを速く走れる可能性が高いです。
メンテナンスサイクルも長いので、距離を乗る人にもオススメで転倒さえしなければ維持費も安いです。もし転倒すると、特殊なカウルを使っている車種なので修理費用は高額になるでしょう。
車両価格は想像以上に安く装備やエンジンの付加価値を考えると通常グレードの価格設定はリーズナブルだと評価できます。最上級グレードのスペチアーレなら、アクラボビッチのマフラーをはじめ、様々な特典が付いてくるので別途カスタムをする必要はほとんどありません。
おわりに
パニガーレV4は先にエンジンだけを公開するなど発表前から注目を集めていましたが、詳細はスペック、価格の安さ、スタイリングともに私の予想を上回るものでした。
レースレギュレーションからは外れますが、リッタークラススーパースポーツで本格的なレースに参戦しようとすると、費用的にもレベル的にも中級者以下では現実的ではありません。ツーリングとサーキットでのスポーツ走行の用途では、1,000ccよりもハイパワーで太いトルクによる乗りやすさがあるのでオススメできます。
重量も1,000ccクラスのライバルと比べて遜色のない点を評価できます。メンテナンスサイクルが長いので維持費はそれほど高額にはなりませんが、部品代が国産バイクより高価なのがネックになります。転倒した際のリスクは高いでしょう。標準グレードを安く設定して、上位グレードの選択肢も幅広く用意しているのも魅力的です。
最近ではホンダのRC213V-S(2,190万円)、BMWのHP4RACE(1,000万円)などGPマシンと同等の性能を誇る市販車も出ていますが、軽量化にこだわると価格が一気に高くなります。パニガーレV4は重量はGPマシンより重たくなりますが、市販車としては十分な軽量化をされています。
Moto-GP直系エンジンを搭載し、先進の電子制御技術もふんだんに取り入れているので、上位グレードのスペチアーレを含めてリーズナブルで総合力の高いピュアスポーツバイクだと評価できます。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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