CB1000Rとは?ニューモデル最新情報&特徴解説

2018年3月8日にホンダから、CBR1000RRをベースにした新しいネイキッドバイクの「CB1000R」を発売しました。共通デザインのCB250RとCB125Rも同時発売し、新しいネイキッドシリーズとして注目を集めています。

リッタークラススーパースポーツをベースにした派生モデルという点で、MT-10、Z1000、GSX-S1000のライバルになりますが、王道ネイキッド定番の丸目ヘッドライトを採用しストリート性とスタイリングを重視したモデルです。

ホンダは2017年11月に開催されたEICMA2017(ミラノショー)で、新型車種のCB1000Rを世界初公開しました。
2018年春に発売を予想される市販予定車で、同時に同じデザインを採用したシリーズ車の、CB250R / 300Rと、CB125Rも公開しました。

デザインテーマはネオスポーツカフェ!!予想以上に攻めたデザイン

ホンダから2018年には1,000ccの新しいネイキッドモデルが投入されることは前々から噂されていました。ホンダは国産メーカーの中では唯一、リッタークラスのストリートファイター系のラインナップを持っていませんでした。

欧州では日本未導入の先代CB1000Rを長年販売してきた実績があるので、新しい車種ではなく、欧州専用車のフルモデルチェンジで新しく日本に導入されることが濃厚な車種になります。日本市場では後発での投入になることや、2017年10月末から開催された東京モーターショーで出品された、リッタークラスネイキッドのコンセプトカーは、タンクが横に広いツーリング性を重視したものでした。


*写真は東京モーターショーに出品されたコンセプト

しかしミラノショーで世界初公開された新型CB1000Rのデザインは、予想を大きく超える攻めたデザインになっていました。まず丸目ヘッドライトは東京モーターショーのコンセプトと同じですが、全体的に市販予定車のCB1000Rの方がコンセプトモデルよりカッコイイです。


*写真は東京モーターサイクルショー2018で公開されたカスタムコンセプト

そして既存モデルにはない斬新なデザインで「ホンダがここまで攻めてきたか!?」といった衝撃を感じました。デザインコンセプトはネオスポーツカフェと表現していますが、当サイトの見解ではカフェ風というよりも無駄を削ぎ落としたトラッカースタイルをネイキッドに応用させたイメージがしっくりきます。

ベースになっているのはフラッグシップスポーツのCBR1000RRになりますが、車体を小型化して無駄のない外装は、ハイパワーバイクならではの大型ラジエターや極太リアタイヤが際立っています。エンジンはCB1000RR用を専用設定に改良して換装していますが、シャーシは完全新設計の車種専用のものを搭載。スイングアームは片持ちのプロアームを採用するなど近年のホンダ車の中でも大きな改革を行っています。

300cc、250cc、125ccの兄弟車も発表されましたが、下のクラスのシリーズ車種は排気量やライバル車種に比べて平凡な印象を受けますが、1000だけはラジエター、リアタイヤ周りのインパクトが強烈で特別感を感じます。シリーズ最上位車種なので、高級でプレミアム感のある雰囲気もありますが、兄弟車に比べて一際強烈な個性を出しています。

多少は好き嫌いの分かれるデザインですが、攻めたデザインにも関わらず多くのバイクファンが好感できるデザインだと評価できます。特に丸目でイカリングのようなラインを合わせたLEDヘッドライトは、昔ながらのバイクらしさと先進性を融合させて、ネオスポーツカフェのコンセプトがよく似合うデザインです。

CB1000Rの部位別特徴

■ヘッドライト
ヘッドライトを丸目にこだわったのは、ホンダのCBブランドに対しての強いこだわりがあったからです。ネイキッドのスタンダートな形の丸目ヘッドライトにLEDライトを組み合わせて、ネオスポーツカフェのイメージを演出しています。丸目ライトの外側に沿ったイカリングのようなLEDラインと、中央に横型で配列された前照灯の2重構造でデザイン性は抜群です。

ミニカウルをつけたヘッドライトを採用するストリートファイターが多い中で、CB1000Rはフロントマスクにオリジナル性が出ています。ちなみに、ミラノショー直前にネットでリークされたCB1000Rの画像では、カワサキZ1000のようなスタンダートなミニカウル&四角いヘッドライトを搭載していました。ホンダは最後までヘッドライトに丸目を採用するか悩んでいたのでしょう。

ここで気になるのが高速走行時の空気抵抗です。スーパースポーツエンジンを換装したバイクとは思えない完全なノンカウルバイクのため、耐えられるスピード域が限られています。日本の法定速度(高速道路で100km〜110km)程度であれば、ノンカウルでも問題ありませんが、サーキットや海外の高速道路でスピードを出す場合は大変になりそうです。

メーターバイザー付きモデルの出品もありましたが、このデザインであればノンカウルの方がしっくりきました。サーキットを走られる方は、ビキニカウルかメーターバイザーを必要な時だけ取り付けて活用する方法をオススメします。

■エンジン
2006年発売の2代目CBR1000RR(SC57型)のエンジンを使用し、徹底した最適化を行い実用域で太いトルクを発揮します。3代目・4代目のCBR1000RRに搭載されているSC59型を使用しなかったのは残念ですが、ミラノショーで発表されたスペックでは145.5馬力になり、ストリートファイターでは十分なスペックを確保しました。

■外装
マスの集中化でシャーシと一体化したようなデザインになっていますが、タンクはCBシリーズらしいオーソドックスな形状です。全体的に斬新で個性的なルックスですが、見る角度によっては初代CB400SF/CB1000SF(BIG1)のような雰囲気も出て見る者を飽きさせません。

シートは削ぎ落としたようなショートレールを採用し、ナンバーステーはホンダ車初のスイングアームマウントを採用しています。シートとリアタイヤのスペースが強調されてスパルタンな印象を受けます。シート下収納はほとんどありませんが、セパレートで脱着できる構造でタンデムシートの下には純正ETCの装着スペースを用意されています。

■シャーシ、足回り
車体はアルミダイキャスト製モノバックボーンフレームを採用。足回りはフロント倒立式フォークによるテレスコピック、リアが片持ち式スイングアームにショーワのBFRCモノサスペンションを組み合わせています。ホンダ車は90年代のバブル期に、NSR、VER、RVFなどで片持ち式スイングアーム(プロアーム)を採用していましたが、久しぶりのプロアーム採用車種登場になりました。

■マフラー
4-2-1の右出しサイレンサーを採用。上下2本出しにスラッシュガードを合わせて極太マフラーのようなスタイリングになっています。ただ私の見解では、マフラーのインパクトが強すぎて、せっかくの片持ちプロアームの印象が薄れるデザインなのが残念です。

■メーター
新設計の反転表示式デジタルメーターを採用。左側にギア表示とアナログテイストのタコメーター、右側にデジタルのスピードメーターを置くレイアウトです。スタンダート、スポーツ、ユーザー、レインの4つの走行モードなど、多機能な表示機能を完備しています。

■価格
黒・赤の2種類のカラーラインナップで、価格は全カラー共通1,636,200円です。CB1000Rは、CBR1000RRの完全移植ストリートファイターというよりは、若干マイルドな設定になっています。ライバルのヤマハMT-10ABSは約167万円なので、スペックと比較すると割高に感じますが、スタイリングの質感にお金をかけています。

上位グレードのCB1000R+(プラス)も用意

ミラノショーでは上位グレードのCB1000R+(プラス)も同時公開して、欧州仕様にはラインナップに加わることをアナウンスしました。CB1000R+ではメーターバイザー、シングルシート、クイックシフトを標準装備されます。
是非、日本にも導入してもらいたいグレードです。

CB1000Rのスペック

車種名 CB1000R
メーカー ホンダ(HONDA)
排気量 998cc
エンジン形式 水冷4ストローク直列4気筒/DOHC4バルブ
燃費 国土交通省届出値22.5km
トランスミッション形式 常噛6段リターン
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング
燃料供給方式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
フレーム形式 アルミダイキャスト製モノバックボーンフレーム
車両重量 212kg
乗車定員 2名
最高出力 107kW(145PS)/10,500rpm
最大トルク 104N・m(10.6kgm)/8,250rpm
シート高 830mm
タンク容量 16.2L
価格 1,636,200円

おわりに

CB1000Rはホンダにしては珍しく、実用性よりもスタイリング重視の設定にまとめてきた印象を受けました。ハイパワーのリッターマシンなのに、ノンカウルの外観に、シート下収納はほとんどありません。
私は小物収納のあるCB400SF,GSX-R750に乗った経験と、収納の一切ないD-トラッカーに乗った経験がありますが、できればグローブが入るくらいの収納スペースは付けて欲しかったと思います。最近は小さくてお洒落なボディーバックも流行しているので、時代の変化で収納はなくてもOKというメーカーの判断だったのでしょう。

デザインや実用性、先進装備を見ても、新しい時代の到来を予感させるバイクで、間違いなく2018年最注目車種になるでしょう。新しいCB-Rシリーズがヒットすればロングヒット車種のCB400SF、CB1300SFの新車ラインナップも脅かすような存在にもなりそうです。ライバルのヤマハMT-10も攻めたスタイリングを市場から高く評価されていますし、スーパーフォアシリーズのようなオーソドックスなネイキッドバイクは時代遅れのイメージが強まってきました。

私は古い定番スタイルのネイキッドはバイクらしくて好きですが、バイク市場の低迷を脱出するには、従来のイメージを変えて若者から支持を集めるような改革が必要なのでしょう。2018年はCB1000Rの発売に向けた価格や、日本仕様の正式スペックの発表と、発売後にCB1000Rの売れ行きがどのように推移するのか今から楽しみです。

2018年の新モデルでは昨年末に発売し、2018年3月に派生モデルのCAFEを追加したZ900RSシリーズが好調です。Z900RSように復刻デザインを取り入れたバイクと、対極するネオスポーツカフェのCB1000Rは、販売台数がどのように推移するのか注目です。

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