新型クロスカブ110の東京モーターショー2017レポート
東京モーターショー2017のホンダブースでは、モデルチェンジしたスーパーカブ50/110をはじめ、累計生産台数1億台突破を記念にカブシリーズの特設ブースの用意がありました。中でも、参考出品車両(市販予定車)のクロスカブは、カブブースの中でも、ひときわ個性的で存在感を放っていました。
クロスカブを一目見た印象は「カブっぽくない」
まず目を引くのはヘットライトガードですが、それだけで通常のスーパーカブとここまで印象は変わらないはずです。よく見ると、カブの代名詞でもあるレッグシールドが付いていません。もはやスタイリングはカブシリーズの枠を飛び越えた印象を受けました。
クロスカブはカブの名称を取り入れて、エンジンなど共通パーツも多いですが、スタイリングは全くの別物で、新しい派生車種のような立ち位置に感じます。
先代のクロスカブは他のカブシリーズと同様に、2017年8月に排ガス規制の影響で生産終了になっています。スーパーカブ50/110は、2017年11月1日にモデルチェンジをした新型の発売が決まりましたが、クロスカブはモーターショーの時点では具体的な発売時期は未定です。
しかし、排ガス規制をクリアしたスーパーカブ110のエンジンを採用しているので、2018年の春までには発売すると予想しています。
カブの概念を覆したスタイリングに変貌!!新しい原付2種クロスオーバーの形とは?
私はクロスカブの存在は知っていましたが、街中で見かけた記憶もなく、先代の印象も薄いのが正直な印象です。クロスカブは認知度自体は低く、名前を知っている人でも、カブのタフなオフロード仕様くらいのイメージを持っている人が大半でしょう。
クロスカブが登場したのは、スーパーカブ110やリトルカブのモデルチェンジのあった2012年です。同時期に発売されたシリーズ車種と同様、2017年8月31日に排ガス規制の影響で生産終了になっています。
初代クロスカブは、CT110(ハンターカブ)の後継車種にあたる存在でした。CT110はさらに認知度が低く、海外では人気のモデルでしたが、日本仕様は1983年に生産終了になっています。CT110のスタイリングは、新型クロスカブと同様、レッグシールドを取り外されているのが特徴で、昭和の隠れた名車が現代版になって蘇えりました。
レッグシールドがないことで一般的なミッションバイクに近い印象になり、ヘッドライトガードや新パターンを採用した太目タイヤで、タフで悪路走破に強い印象を与えています。先代のクロスカブはオーナーからシートが薄くて2人乗りできないのは不便という声が目立っていました。
開発者の談話では、オーナーの声を反映させる形を取り、スリッドの入った厚めのシートを採用し、タンデムステップを付けて2人乗りに対応したそうです。見た目やエンジン、ミッションだけではなく、パッケージングも先代の反省点を改善させてパワーアップしている点を評価できます。
新型スーパーカブと同様、クラシカルな丸目ライトにLEDヘッドライトを併せたのも先進的で魅力を感じます。
クロスオーバースタイルでも、主な用途は市街地を想定
タフな悪路もこなすクロスオーバースタイルですが、オーナーの大半は街乗り中心の使い方をしています。オーナーの声を聞いて、シートを改良してタンデムステップを取り付けたのも、メーカーは市街地での快適性を重視しているからでしょう。
レッグシールドを外してタフでワイルドなイメージを強めた外観は、オシャレな印象を強めました。先代のクロスカブは、オーストラリアの郵政向け輸出仕様をベースにしていたのでレジャー性に欠けていましたが、先代の問題点を解決したことで、新型は国内での販売台数増加を期待できます。
クロスカブのスペック・価格予想
東京モーターショー2017では、参考出品車(市販予定車)扱いのため詳細スペックは出ていません。
新型スーパーカブ110のエンジンを採用しているため、最高出力・トルク、燃費性能は全て新型スーパーカブ110と同等になると予想されています。
参考:新型スーパーカブシリーズの東京モーターショー2017レポート
外寸についてはメーカーより発表されています。
全長1,935mm(-10mm)
全幅:795mm(-20mm)
全高:1,090mm(-60mm)
()内は旧型クロスカブとの差
レッグシールドを取り外しているだけではなく、シャーシも一新して先代よりも一回り小さくなっています。
先代クロスカブの重量は105kgでしたが、多少は軽量化されるでしょう。
気になる価格については、新型スーパーカブ50/110はそれぞれ4万円ほどの値上げがありました。生産終了になった初代クロスカブの価格は286,200円でしたので、スーパーカブと同等の値上げがあれば、32万5千円前後の価格になります。少なくても30万円台にはなるでしょう。
おわりに
クロスカブは東京モーターショーで現車を見て、とても好印象でした。走りの良さだけであれば、グロムなど定番のミッションバイクの方が優れていますが、原付2種は走りの良さよりも燃費と耐久性を気にする方も多いでしょう。
クロスカブは、ドライブチェーンカバーやフロントフォークカバーが付いているので雨ざらしの保管にも強く、定期的なオイルアップをしなくてもサビが発生するリスクが低いです。オシャレに通勤・通学・街乗りで原付2種バイクを乗りたい方や、メンテナンスに時間を割く自信がない方にオススメです。
ここまでは新型スーパーカブにも共通していることです。クロスカブは、ありきたりな車種では物足りない価値観を持っていて、周りとは違うバイクに乗りたい方に選ばれるでしょう。もし私が新型クロスカブを購入したら周囲に自慢したくなると思います。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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