BMW R nineT Urban G/Sの東京モーターショー2017レポート
東京モーターショー2017のBMWブースでは、9月に発売されたG310Rと見間違えるほどコンパクトなボディーをした新型車種 「R nineT Urban G/S(アール ナインティ アーバンG/S)」の出品がありました。
見た目は250cc〜400ccクラスに見えますが、1,169ccの大排気量エンジンを搭載し、車両価格約190万円の高級バイクです。
よく見るとエンジンはやたらと横に飛び出しているし、マフラーの形状も独特でかなり個性的なバイクです。エンジンは空冷・水平対向2気筒のボクサーエンジンを搭載していて、世界のバイクの中でもかなり特殊です。
空冷エンジンではありますが、ボクサーエンジンと組み合わせることで冷却効率を高めて、性能を極限まで追求されています。見た目ではオールドスタイルのビンテージバイクのようにも見えますが、GSの名前が入っているようにオフロードも走れてしまうアドベンチャーバイクになっています。
つまり、大排気量エンジンに軽量ボディーを合わせた初心者向けのバイクではなく、これまで王道スタイルのバイクを乗り継いできて、物足りなくなったベテランライダーのために用意された、個性とハイスペックを兼ね備えたマシンが「R nineT Urban G/S」です。
R nineT Urban G/Sの特徴・スペック情報まとめ
R nineT Urban G/Sはヘリテイジモデルのアドベンチャー仕様です。純粋な走りを求めるなら「R NINE T」がオススメで、シリーズのフラッグシップもシンプルなアールナインティです。
アーバンGSはシリーズ2番目に高価な車種で、オールドスタイルが定番のヘリテイジシリーズの中でも、赤いシートを組み合わせるなど、近代バイクらしいスタイリングが特徴です。
R nine T シリーズは2017年9月1日にモデルチェンジを行い、新しくアーバンG/Sをラインナップに加えました。レーシーなイメージを強めた通常モデルとは違い、アーバンG/Sは通常モデルの倒立フォークをあえて正立フォークに変更して、ライディングポジションもロードバイクにフラットな姿勢になっています。
本気のアドベンチャーバイクではなく、ゆるくオフロードを楽しめるように造られた、レトロでバイク本来の魅力を最大限に引き出した、メーカーと開発者のこだわりが詰まった1台です。
電子制御を極力排除
排気量や価格を見ると、スロットル、ブレーキなど電子制御を存分に導入しているように見られがちですが、R NineTシリーズは、電子制御技術を極力廃したシンプルな車体構成によって、バイク本来の操る楽しみを追求したモデルです。
1980年に発売された初代GSシリーズでもある「R 80 G/S」のDNAを明確に受け継いだモデルで、最新のGSシリーズとは違う魅力を出しています。通常のGSシリーズに比べると扱いにくさはありますが、バイク本来の魅力を肌で感じられるフィーリングが特徴で、コアなファンを唸らせるBMWこだわりのシリーズ車種です。
1980年代はパリ・ダカールラリーでG/Sシリーズは圧倒的な強さを持っていて、アーバンGSはアールナインティシリーズの中でも特殊で特別な存在です。
参考:http://r9t.jp/urbangs/index.html
R nineT Urban G/Sのスペック
車種名 | R nineT Urban G/S |
---|---|
メーカー | BMW(ビーエムダブリュー) |
排気量 | 1,169cc |
発売時期 | 2017年9月 |
エンジン形式 | 空冷4ストローク水平対向2気筒/DOHC4バルブ |
燃費 | 18.9km/(WMTCモード値 2・クラス3・1名乗車時) |
トランスミッション形式 | 6速 |
クラッチ形式 | 乾式単板 |
燃料供給方式 | 電子制御エンジンマネージメントシステム(DME)、燃料カットオフ機能付(フューエルインジェクション) |
フレーム形式 | スチールパイプ製4ピースフレーム |
車両重量 | 221kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 81kW(110PS)/7,750rpm |
最大トルク | 116Nm/6,000rpm |
新車価格 | 1,899,000円 |
中古車相場 | – |
BMW R nineT Urban G/Sの評価
R nineT Urban G/Sの魅力はスペックではなく、現代バイクとは一味違ったフィーリングです。空冷2気筒ボクサーエンジンのフィーリングを電子制御を廃したことで、ダイレクトに体感できます。オンロードとオフロードも楽しめるエンデューロ仕様ですが、オンロードに重点を置いたセッティングです。
小型なボディーで荷物の積載性には弱く、長距離のキャンプツーリングには使い勝手が悪いですが、日帰りツーリングや宿泊施設を利用した長距離ツーリングに最適です。通常のR NINE Tシリーズとは違い、悪路走破性能も兼ね備えているので、幅広いツーリング計画を立てられます。
赤いシートを純正採用しているだけあってスタイリングの良さも特徴で、メーカーからは多彩なカスタムパーツを用意していて、自分好みにカスタマイズしてオリジナリティを出していくことも醍醐味です。
初めてBMWの大型バイクを購入する方にはオススメできませんが、すでにバイクを何台も乗り継いできたり、複数台所有しているベテランライダーのために造られた玄人も唸らせる個性派車種です。
まとめ
モデルチェンジしたR Nine Tシリーズの中でも東京モーターショーでは、アーバンGSのみの出品でした。シリーズ初投入のアドベンチャーバイクだけあって注目度は高く、「BMWはこんなバイクを作っているよ」といったアピールをしているように感じました。
実際に私も東京モーターショー2017に行かなかったら、R nineT Urban G/Sに興味を持つことはなかったでしょう。国産メーカーもハイスペックや販売台数を伸ばすよりメーカーの意地やこだわりで個性豊かなバイクを作ることはありますが、ここまで本気で作り込むことは珍しいです。
ディーラーに行っても展示車両があるケースは少なく、普段はなかなか見る機会がない市販車を見れるのもモーターショーの魅力です。BMWのメーカーとしての底力を感じさせる1台で、BMWに根強いファンが多いことを納得させる魅力を感じました。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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