東京モーターショー2017徹底取材レポート〜ハーレー編〜

東京モーターショー2017では、ハーレー・ダビッドソンが西ホールアトリウムにて、普通自動車免許でも運転できる大型トライクを4台展示しました。
ハーレー・ダビッドソンの東京モーターショー出店は8年ぶりで、通常の2輪オートバイはなくトライクのみの展示を行ったのはメーカーの戦略が現れています。

西ホールアトリウムは、トヨタの出店ブースに行く際に必ず通らないといけない場所で、来場者はハーレーの出店ブースを見た方も多いでしょう。

ハーレー・ダビッドソンはトライクの販売を強化!東京モーターショーで見えた戦略

展示車両は全て、実際に乗って座ってみることが可能で、実際に体験してトライクの安定性やワクワク感をアピールしています。
ハーレーブランドの後押しもあって、多くの通行人は足を止めてトライクに乗って写真を取るなど楽しんでいました。

お手軽なトライク「フリーウィラー」をリリース

フリーウィラーは、ごつくて重くて高価なハーレーのトライクで、抱かれていたイメージを覆すために2017年モデルよりリリースされた最新車種です。
軽快なハンドリングを重視して、大型バックレスト&トップケースを装備しないホットロッドスタイルで、通常のアメリカンバイクをトライクカスタムしたような風貌です。

気になる料金は357万2千円〜でミルウォーキーエイト1,745ccエンジンを搭載しています。1.7Lオーバークラスのエンジンを搭載したハーレーの大型アメリカンバイクでも200万円〜300万円が相場なので、トライク仕様としてはお手軽感があり、リッタークラスの大型バイクをカスタムメーカーに出してトライクを作ってもらうよりも低コストになります。

フリーウィーラーの詳細ついてはコチラ。
新型フリーウィラーの東京モーターショー2017レポート

トライクの維持費や免許

ハーレーが販売する大型トライクは大型自動二輪免許がなくても、普通自動車免許のみで運転できます。MT車は免許もAT限定は不可、オートマミッションのトライクであればAT限定免許でも運転できます。

免許制度上は普通自動車になるので、大型自動二輪免許だけを持っていても運転できないので注意しましょう。道路交通法では3輪自動車扱いになり、保険や高速道路料金はバイク同じになるなど、それぞれの良いとこ取りをしているのがトライクの特徴です。

ハーレー・ダビッドソンが販売する排気量250cc超えトライクの維持費、免許、その他法律上のルールをまとめました。

免許 普通自動車免許が必要(ATトライクのみAT限定免許で運転可)
ヘルメット 不要
法定速度 一般道60km、高速道路80km(3輪自動車扱い)
高速道路料金 バイクと同じ
違反点数 車と同じ
車検 側車付きオートバイとして必要(他社の250cc以下のトライクは車検不要)
車庫証明 不要
任意保険 バイクと同じ
自動車税 バイクと同じ(250cc超えは4,000円/年)

法律上はヘルメット不要ですが、車のオープンカーのようなフロントガラスがなく、カウルのみでは完全に飛び石を防げません。高速道路や幹線道路を走行する際は、シールド付きのヘルメットを装着することをオススメします。

車の免許を持っていないと運転できませんが、任意保険は車ではなくバイク扱いになります。自動車税をはじめ維持費が安いメリットがありますが、過去にバイクを所有していたことがない場合は、基本的にバイク用任意保険の新規等級(6等級新規)からスタートすることになります。

保管スペースはシャッター付きガレージが理想

トライクに車庫証明は不要ですが、車と同等程度の保管スペースが必要です。雨ざらしでも問題ない構造ですが、シートやメーター周りの劣化を防止するには、雨風を防げる室内車庫で保管することを求められます。盗難やイタズラリスクもあるので、オーナーの大半はシャッター付きのガーレジで保管できる方です。

ハーレーが東京モーターショーでトライクをアピールしたのは、車を複数台持っていて、バイクにはあまり興味のなかった富裕者層をターゲットにしているのでしょう。

なお、全幅は基本的に1,600mm以下の車種が大半ですので、外出時は車用のコインパーキングを利用可能です。全体的に前二輪のBRPのスパイダーシリーズのトライクよりも、後二輪のハーレーのトライクの方が横幅は短いです。

3輪バイクとトライクの違い

以下の条件を満たすと、側車付きオートバイではなく、通常のオートバイ扱いになります。

・車輪が左右対称に配列
・車輪の幅は460mm未満
・車体の一部または全体で傾いて旋回する構造

ヤマハのトリシティをはじめ、ピアジオ・MP3シリーズなどは3輪バイクに分類されます。
3輪バイクに分類された場合は、全てがバイクと同じ扱いになり、運転免許も排気量に応じた自動二輪免許が必要で、ヘルメットの着用義務もあります。

ハーレー以外のトライク

ハーレー・ダビッドソンはエンジン、シャーシ全てを自社製造で量販型トライクを販売する唯一のバイクメーカーです。

ハーレーのほかには、雪上車や水上バイクを手がけるBRPのスパイダーシリーズがあります。スパイダーシリーズのトライクは前2輪後1輪が特徴で、ハーレーのような王道スタイルのトライクではありません。

このほかのトライクはハーレーやその他の大型バイクをベースにしたカスタムトライクです。「車両+トライク費用」を考慮すると、カスタムトライクよりも当初からトライク用として製造したハーレーのトライクの方が故障リスクが低く信頼性が高いです。

免許不要の大型トライクを探している方は、ハーレーダビッドソンの純正トライクシリーズをオススメします。

おわりに

国内のトライク市場は拡大傾向にあり、従来のサイドカー付きオートバイの需要を奪っています。ただし、サイドカー付きオートバイは市場規模が少なく、東京モーターショーにハーレーがトライクのみを展示したことは、車の免許のみを持っている車好きの需要を取り込もうとしているからです。

トライクはバイクらしい風を切って走る感覚や、エンジンフィーリングを感じながら走る楽しさがあります。購入できる人はガレージを持っているなど一部の富裕者に限定されますが、トライクからバイクに興味を持って、二輪免許取得するバイクの新規ユーザー獲得も期待できます。

従来のTRIグライドウルトラ(約439万円)より80万円近く安くなったフリーウィラーの投入で、トライクの敷居は低くなりました。保管環境の都合で大ブームを起こすことは難しいですが、今のペースでトライク市場の拡大を続けてもらいたいです。

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