東京モーターショー2017徹底取材レポート〜スズキ編〜
スズキはコンセプトカーの展示はなく、新型モデルと市場販売予定車の展示が中心でした。
バイクメーカーの展示ブースの中では寂しさを感じましたが、話題のGSX-R125や新発売のスウィッシュを見ることができました。
スズキの注目バイク情報をご覧ください。
東京モーターショー2017 スズキブースのバイク
GSX-R125
GSX-R125は、GSXーRシリーズ末弟の本格フルカウルスポーツです。東京モーターショーが開幕する直前の10月17日に、シリーズ車種のGSX-S125が発売されましたが、東京モーターショーへの出品は国内販売も噂されるGSX-R125のみでした。
早速スタッフに「日本で売る予定はまだないですか?」と聞いてみました、苦笑いしながら「今のところは・・・」と回答がありました。つれない回答でしたが、当サイトでは2018年には発売濃厚と勝手に予想しています。
ライバルではヤマハのYZF-R125が欧州モデルで販売していますが、国内正規モデルの車種がないだけに、私は最新の125ccフルサイズバイクを初めて間近で見ました。
思っていた以上に大きくナンバーが付いていなければ250ccクラスに見えますし、遠目からだと大型バイクに間違えるかもしれません。ただし近くで見ると、タンクやタイヤが細いので125ccなんだなと納得します。
カウルは意外と大きくてフロントマスクは迫力が大きいです。アッパーカウルが大きいせいか、後ろ姿を見ると細さが際立っていました。
車体の大きさだけを見ると、かつて販売されていたホンダのNS-1の125cc版の印象を持ちました。NS-1と比較すると燃料タンクの位置の違いもあり、外観の評価が分かれる要素もありますが、黒塗りにしてフレームの細さが目立たないデザインは上手です。
所有すれば「えっ、これ125ccなの?」などと、周りから驚いた反応を得られるのもGSX-R125の強みになるでしょう。
国内販売の正式発表が早く訪れることを願っています。
GSX-R1000
GSX-R1000は、2018年にフルモデルチェンジした話題のニューモデルです。
激戦区のリッタークラススーパースポーツの中では、ライバルメーカーに比べて、スペックや装備面で飛びぬけたものがない印象を持っていましたが、スペックでは測れないパワフルさと安定感があり、世界各地のレースで優秀な成績を収めています。
展示車両を見た印象は、ボディーの大きさも程よくて安定感の高さが伝わってきました。
またがってみましたが、ライディングポジションは前傾がキツいので、ツーリングでは辛い態勢に耐える覚悟が必要です。
デザインはシンプルなライトが物足りないと思っていましたが、LEDのポジションライトが付いていて先進性も兼ね備えた印象でした。
写真で見るよりも新型バイクらしさを感じるデザインだと感じました。
純正の極太マフラーは排ガス規制を意識したものですが、迫力があって私は好きです。
モーターショーでは参考出品として、MOTO-GPマシンのノウハウをたっぷり詰め込んで、量販車モデルで採用される並列4気筒エンジンの限界を追求したGSX-RRも展示されていました。
V4マシンなみにスリムなボディーと、MOTO-GPマシンなみのボディー剛性があり、より高いコーナリング性能を期待できます。
他社で出ているSP仕様のような特別モデルの開発を進めているのでしょう。
SWISH(スウィッシュ)
スズキの新しいスポーツタイプの125ccスクーターが、東京モーターショーで初公開されました。
10インチタイヤの小回り重視のボディーに、ボディーマウントのヘッドランプで上質な仕上がりになっています。
王道デザインの印象が強くて、個性に欠ける印象もありましたが、リアデザインがカッコよくて実車を見て印象が変わりました。
参考出品車両なのでスペックは未発表ですが、ヤマハ・シグナスX-SRに匹敵するスポーツ性能を期待したいです。
ほぼ車体は完成されているので、近いうちに発売情報が出てくるでしょう。遅くても2018年中には登場すると思われます。
SWISHについては、こちらのページで詳しく紹介しています。
SUZUKI SWISHの魅力は10インチタイヤ採用のコンパクトボディー
SV650X
SV650ABSのカスタムモデルのXが発表されました。
主要なカスタムポイントは以下の通りです。
・ビキニカウル
・セパレートハンドル
・タックロールシート
ビキニカウルをスパルタンな小型にした点と、ライダーシートのみタックロールにしたカスタムシートがカッコいいです。
気になるのは値段で標準モデルの738,720円に比べて、どれほどの価格差になるのか注目です。ネオレトロなカスタムは完成度が高く、多少割高感があっても選びたくなるデザインです。
スズキを代表するスタンダートモデルの巻き返しの一手になると期待しています。
バーグマン400
バーグマン400は、2017年8月4日に発売されたスカイウェイブ400の後継にあたるビッグスクーターです。弟分のバーグマン200に比べて、上質でスポーティーなデザインが魅力です。
2017年モデルのカラーリングは白と黒のみですが、モーターショーではガンメタのカラーリング車両の展示でした。ガンメタのカラーは似合っています。
シート下は、フルフェイスとオープンフェイス各1個収納可能の、43L大容量ラゲッジスペースを確保。スズキのスクーターはシート下収納が狭い車種が多いですが、バーグマン400の収納スペースは合格点を与えられます。
バーグマン400の詳細はコチラ。
SUZUKI バーグマン400ABSの特徴、実力、スペック情報まとめ
隼
量販車では初めて時速300kmオーバーを発表した隼は、2017年中のモデルチェンジ発表の噂がありましたが、残念ながら東京モーターショー2017では現行モデルの展示でした。
ただ、あえて隼の現行モデルを展示したのは、メーカーからのメッセージが隠されていると憶測もできます。スーパーチャージャー搭載などの噂も出ていますが、2017年中の発表は期待できないでしょう。
かつては多くの大人が憧れたメガツアラーですが、最近では200PS前後を出すスーパースポーツに押され気味です。しかし、改めて現物を見ると迫力が大きく直線番長にはもってこいの一台です。
アナログ中心のフルスケールメーターもデジタルメーターが増えた現在だからこそ味があるように感じました。
バーグマンフューエルセル
バーグマンフューエルセルは世界初の水素を燃料にしたバイクで、2017年3月に18台がナンバープレートを取得して実際に公道を走っています。
水素を燃やすので有害物質は一切なし。東京、福岡で一部展開されている水素ステーションで、車の水素車と同様の手順で燃料補給できます。現時点では航続距離が120kmと短い点がネックです。
ちなみにバーグマンフューエルセルの燃料タンクは10Lで、水素1kgあたりの相場は1,000円です。1万円で120kmしか走らないのかと思い、メーカーのスタッフに質問しましたが、水素はリットル単位ではなく重さではかるらしく、10Lの燃料タンクに入る量は400gほどです。
つまり、燃料コスト400円で120kmの航続走行できる計算です。コスト的にはガソリン車と大差ないですが環境性能で見れば最強です。
おわりに
出展ブースの展示台数は少なかったですが、スズキはひとつのプラットフォームを応用するのが得意です。2017年はGSR250をベースに、GSX250RとVストローム250と、全く異なる2台の派生車種を登場させました。この2台は2017年グッドデザイン賞を受賞していて、全く異なるデザインにまとめた点を評価されました。
原付2種スクーター、リッタークラススーパースポーツ、125ccミッションバイクなど、魅力的なエンジン、シャーシを多数持っているので、意外な角度から突然ニューモデルが出てくるかもしれません。
私は10月に発売されたGSX-S125の15馬力エンジンを、モーターショーで出品されたGSX-R125をはじめ、複数の車種に派生させてもらいたいと思っています。
GSX-R125の参考出品車両を見て、噂すら出ていない私の妄想ですが、Vストローム125を作ったら面白いのではないかと思いました。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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