なぜ125ccで12インチ15PSのスポーツバイクが出ないのか?
2017年に発売された最新バイクの中でも、大きな可能性を感じられたのがスズキのGSX-S125です。これまで逆輸入車のみの販売だった、水冷DOHCの15馬力エンジンを、日本の排ガス規制をクリアして国内正規販売されました。
今後は、フルカウルのシリーズ車種GSX-R125の発売も予定されています。私はGSX-125シリーズは強い興味を持っていますが、「これが12インチだったらなぁ」というのが本音です。
2017年はホンダのCBR250RRがバカ売れするなど、ハイスペックマシンの注目度が高まっています。見た目だけではなく、スポーツ性能を兼ね備えた小排気量バイクが売れるのは、私としても嬉しいことですが、それであればハイパワーの「水冷DOHCエンジン」と「12インチの短いホイールベース」を組み合わせた、コーナリング性能重視のバイクを出して欲しいです。
国内外を含めて最新モデル、開発、コンセプトモデルの情報をチェックしていますが、12インチのハイパフォーマンスマシンに関する情報は一切ありません。
私が待望する12インチバイクの魅力について紹介します。
このページの目次です
125ccで12インチ15PSのスポーツバイクの魅力
私が求めているのは、80年代後半〜90年代中盤にヒットした「2ストミニバイク」の後継にあたる車種です。
以下の車種は、中古バイク市場でもプレミア価格で流通しています。
・ホンダ NSR50/80
・ヤマハ TZM50
・スズキ GAG
特にNSR80の人気が高く、程度が良い中古は新車価格(25万円)を大きく上回る50万円以上で売られることもあります。
ミニバイク用のサーキットで走るバイクを見ていても、1番人気はNSR50で全般的に17インチよりも12インチのバイクが人気です。
12インチのミニバイクの魅力は、短いホイールベースだから実現できる高いコーナリング性能と、地面に近い視点で実際の速度以上にスピード感を得られることです。
現行の125cc、150ccクラスのミッションバイクも、取り回しの良さを売りにしています。
それなら、かつてヒットした名車のような、12インチにハイパワーエンジンを組み合わせたバイクをなぜ出してくれないのか疑問を抱きます。
現行の12インチミッションバイク
2017年10月現在の12インチミッションバイクは、「ホンダ グロム」と「カワサキ Z125PRO」の2車種があります。
どちらもバーハンドルのネイキッドスタイルで、空冷エンジンを組み合わせて最高出力は10馬力弱です。コーナリング性能が高く魅力的なバイクですが、バーハンドルでGSX-S125に比べて3分の2ほどのパワーが物足りないです。
ホンダのグロムに関してはワンメイクレースも開催されていてレースベース車の販売や豊富なカスタムパーツも出ています。しかし、カスタムしてパワーを上げるのは費用がかかり、故障リスクも高くなります。
街乗りからサーキット、峠のちょっとしたワインディングまでできる万能性を求めるなら、純正で完成されたハイスペックマシンの方が需要があるのではないかと思っています。
また、ホンダからはレース専用車種でNSF100を販売しています。
スズキのGSX-S125が水冷の15PSエンジンで国内販売を可能にしたのだから、ホンダもNSF100の車体に125ccの水冷エンジンを組み合わせて、公道仕様のバイクを出してくれれば、間違いなく大ヒットするでしょう。
12インチのスポーツバイクが出ない理由は海外需要の少なさか?
125ccクラスの水冷エンジンを搭載したミッションバイクの共通点は、海外需要が高いことです。欧州、アジアでの販売需要は国内より大きく、海外需要を意識した結果、17インチが主流になっていると考えられます。17インチの方が高速安定性が高いので、道が広い海外では適正があります。身体が大きな欧米人や2人乗り需要が高いアジアでは、大きな車体を求める声が大きいです。
日本においても、CBR250Rから始まった小排気量スポーツバイクブームは、走行性能よりもスタイリングが評価されたのがきっかけです。見た目の迫力やインパクトであれば車体が大きい方が有利で、12インチのスポーツバイクが出ない理由は海外、国内それぞれの事情が関係しています。
ただし、私は12インチの本格スポーツが販売されれば、少なくとも国内では大ヒットすると思っています。きっとエヌチビ(NSR50)ブームを知っている人を中心に、12インチのスポーツバイクを待ち望んでいる人がたくさんいるでしょう。
12インチのスポーツバイクの実現に近いメーカーはホンダとスズキ
既存のエンジンラインナップで見れば、水冷DOHCの15PSエンジンをGSX-S125で国内販売を実現させたスズキが一番近いです。しかし、スズキは12インチミッションバイクのボディーを持っていません。国内需要だけを見込んで、新開発のシャーシを開発するのは簡単なことではないでしょう。
ボディーやシャーシ、足回りの観点では、グロムやNSF100を持っているホンダが一番近い存在です。グロムやCBR250Rのワンメイクレースを開催している実績を考慮しても、12インチの本格スポーツバイクを開発する可能性が高いのはホンダでしょう。
ホンダは海外モデルを含めて、150cc以下の水冷DOHCエンジンの用意がないですが、2015年まで販売していたCBR125Rは水冷OHCを搭載していました。ホンダの開発力であれば、欧州規制一杯の15PSの125ccエンジンを作るのは難しくないでしょう。
現在はホンダから125cc用の水冷DOHC新型エンジン開発の噂はないですが、CBR250RRのヒットを受けて、小排気量ハイスペックマシンの開発に乗り出してくれることを願っています。そして、グロムやNSFなどのボディーを活かして、かつて大ヒットしたNSR50/80シリーズのような本格12インチスポーツバイクの販売を実現させてほしいです!
おわりに
私はNSR50を所有していた時期がありましたが、部品代が安くて手軽にモータースポーツを楽しめたので、所有する満足度が高い1台でした。当時は乗る時間の問題などで手放してしまい、その後また買いたいと思った時には、プレミア価格が付いて手軽に買えるバイクではなくなっていました。
また、現在は家庭環境や仕事の都合で、バイクを小まめにイジる時間がないので、定期的にキャブのオーバーホールが必要な2ストミッションバイクを所有するのはハードルが高いです。
NSF100も欲しいとは思いますが、小さいバイクであればサーキット専用ではなく、街乗りもできる万能さを求めたいです。また、コテコテのレース仕様というよりは、適度なパワーがあって耐久性も兼ね備えたバイクを求めています。
こうした事情を考慮すると、GSX-S125ABSに搭載されている15馬力のエンジンと、30万円代の価格設定は非常に魅力的です。2018年に発売が予想されるGSX-R125も魅力的で強い興味があるバイクではありますが、12インチバイクも出てくれないかと過度な期待をしてしまいます。
各バイクメーカーの開発・企画担当の方、是非12インチにハイスペックエンジンを搭載し、フルカウルとセパハンを組み合わせたミッションバイクを検討してください!!

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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