新型アドレス125の特徴・スペック・評価〜アクシスZに勝てる?〜
2017年9月29日、スズキの原付2種スクーター、新型「アドレス125」が発売されました。これまでのアドレスVシリーズに比べてリーズナブルな価格設定で、アドレス110よりも本格仕様になっています。
発売当初はアドレス110と併売になりますが、110ccモデルが売れなくなったことが要因で投入されたニューモデルで実質はアドレス110の後継モデルと言える存在です。断言はできませんが、近い将来アドレス110はフェードアウトすることが予想されます。
開発コンセプトは飽きずに乗ってもらうスクーターで、アドレスVシリーズよりもスポーツ性を抑え快適性を重視しています。
新型SEPエンジンでフレーム、足回りの剛性も高い水準をキープしています。価格帯とコンセプトを見ると、ヤマハのアクシスZに正面からぶつかるライバル車種です。
アドレス125の特徴・スペック
車種名 | アドレス125 |
---|---|
メーカー | SUZUKI (スズキ) |
排気量 | 124cc |
新車価格 | 221,400円 |
発売時期 | 2017年9月29日 |
エンジン形式 | 強制空冷4ストローク単気筒 / SOHC2バルブ |
燃費 | 国土交通省届出値52.0km |
トランスミッション形式 | Vベルト無段変速 |
クラッチ形式 | 乾式自動遠心シュータイプ |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
フレーム形式 | アンダーボーン |
車両重量 | 109kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 6.9kW(9.4PS)/7,000rpm |
最大トルク | 10Nm(1.0kgm)/6,000rpm |
スズキ アドレス125の評価
スズキのスクーターでも、もっとも実用性を重視したモデルです。新投入車種だけあって、エンジン、フレーム、ユーティリティなどに目立った欠点はありません。デザインは守りに入った印象が強いですが、実用性を重視する方から見れば、万人受けするクセのない王道デザインにも魅力を感じられるでしょう。
アナログメーターにハロゲンのブレーキランプなど無駄を削ぎ落とした装備に、フロント12インチアルミキャストホイールや大型リアフェンダーなど、実用性の高さを実感のできる所にお金をかけている点も評価できます。
実用域でのエンジン回転数を落としたCVTの設定で、アドレスV125に比べて落ち着いた乗り味で扱いやすく実用燃費の高さを期待できます。
アドレス110とは違い、原付2種規格いっぱいの124ccエンジンなので、加速は遅くても最高速はアドレスV125とほぼ同じ水準を確保し、時速70kmからのノビがスムーズです。
細かい造りや設定を見ると、実用性とコストパフォーマンス重視のユーザーをターゲットにおき、シンプルにまとめた巧妙さを感じられます。
唯一のネックをあげるとシート下に燃料タンクを併設しているため、収納が少ないことです。積載性重視でリア10インチタイヤを採用しましたが、兄貴分のアドレスV125と同様、種類によってはフルフェイスのヘルメットをひとつも収納できません。
アクシスZとの比較
ヤマハアクシスZとアドレス125のスペックと装備を比較して、気になった点をまとめると次のようになります。
・アドレス125の方が9kg重く、フロント12インチのアルミホイールを採用しているので走りの安定感はアドレス125が一歩リード(アクシスZは10インチホイール)
・アクシスZのシート高785mmに対してアドレス125は745mmと大きくリード。9kgの重量さも気にならない
・アクシスZのシート下収納は37.5Lでヘルメット2つやA4ファイルやバックが収納できるのでアドレス125を大きくリード
・デザイン性、メーターまわり、その他細かい装備やデザイン性はほぼ互角
・両車大型シートを採用(アドレス125:656mm、アクシスZ:666mm)で1cmほどアクシスZの方が長い
スペックや装備に大きな違いはなく、簡単にまとめると「走りのアドレス125」「収納のアクシスZ」と表現できます。また、125ccスクーターでいえば、ヤマハがメーカーとしてのブランド力でスズキをリードしています。仮に値引き額を含めて乗り出し価格が同じであれば将来的なリセールバリューを考慮するとアクシスZをオススメします。
アドレス125は新型車ではありますが、大衆モデルで早い段階から相応の値引きが期待できるので、新車価格でいかにお買い得感を出せるかがポイントになりそうです。当記事を作成したのは、発売から約1週間後ですが、すでにバイクブロスの新車販売情報では、3万円ほどの値引きをしている販売店情報も多数ありました。
細かい価格差やリセールバリューは置いといて、フロント12インチアルミキャストホイールが、アクシスZに比べて大きな強みになります。頻繁に使用する通勤・通学ルートや、街中の道の舗装状態が悪い場合や、歩道など段差を乗り越える機会が多ければアドレス125を選ぶ価値があります。
まとめ
アドレス125ccは新型車ではありますが、守りに徹した無難なスペックです。私は通勤や通学、街乗りなどの普段の足として乗るスクーターは、実用性とコストパフォーマンスが重要だと思うので、相応の値引きがあることが条件ですが魅力的なバイクに感じました。
ただし、アドレスシリーズの課題でもあるシート下収納の狭さを克服できなかったので、購入の決め手は値引きを含めた価格次第になるでしょう。アドレス110は新車の長期在庫になると6万円ほどの値引きがあります。かと言って、5万円以上の大幅値引きは期待できませんが、もう少し購入時期は様子を見た方がよさそうに感じます。
総合的に評価すると市場のニーズに応えた実用性の高いスクーターなので、大ヒットまでは期待できなくても根強い人気を確保することになるでしょう。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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