スズキらしさが出た新型154ccバイク「ジクサー(GIXXER)」の実力
2017年1月にスズキから154ccのスポーツネイキッドバイク「ジクサー」が新発売されました。
生産国はインドでメーカー小売価格は税込316,440円です。
これまで150ccのミッションバイクは、並行輸入車が中心で国内正規モデルはほとんどありませんでした。ジクサーはスズキが国内正規モデルとして投入し、充実のアフターサポートと高い値引き枠を期待できます。
発売から半年が経過して、すでに格安販売業者では値引き10万円、乗り出し価格25万円ほどで店頭に並んでいるケースもあります。もはや125ccのスクーターを買うよりも安い新型ミッションバイクですが、意外なほど実力が高いです。
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154ccとは思えないほど、とにかく大きい
ジクサーの特徴は迫力あるスタイリングです。150ccや125ccのフルサイズバイクは多数ありますが、どれも細くて弱々しい印象があります。ジクサーは太く、250ccバイクと並べても同等の迫力を持っています。身体が大きい人でも、ライディングポジションはゆとりがあり、またがった途端にバイクが小さく見えることもないでしょう。
街乗り中心で、たまに高速道路に乗りたい程度であれば、ジクサーで用が足りるでしょう。ナンバープレートも250ccと同じなので、周囲からは150ccのバイクと伝えると驚きのリアクションが返ってくるでしょう。
装備重量は135kgと、150ccクラスならではの軽量ボディーのため、初心者でも手軽に扱えて、交通量が多い街中でもストレスなく走れます。
GIXXERの気になる走行性能は?
ジクサーは専用設計の、154cc空冷単気筒エンジンを採用しています。パワーは排気量相応ではありますが、新型エンジンだけあってフィーリングが非常に良く、中低速トルクが太いので街乗りも快適です。
最高速は口コミ情報を見ると110km〜120kmほど。また、高速道路で90km〜100kmでの巡航は余裕みたいです。
片道100km超えの高速走行は辛そうですが、インターチェンジ2〜5個くらいの高速走行や、都市部の有料道路の利用をこなせる点が125ccクラスにはない強みです。
ジクサーの評判が良いのがコーナリング性能です。軽量ボディーにダイヤモンドフレームでボディー剛性が高く、パワーはないものの峠の下りであれば本格的なワインディングを楽しめます。
思い通りに扱える人馬一体感もあり、非力だからこそ立ち上がりを意識したコーナーの進入が求められ、乗っていて昔ながらのバイクらしい楽しさがあります。
バンク角が大きいので、オーナーになれば、ちょっとしたコーナーがある場所を軽快に駆け抜けたくなること間違いなしです!!
GIXXERは装備も充実
「150ccの低価格ミッションバイクなんて、所詮250ccクラスの廉価版で装備もしょっぱいんでしょ?」
私がはじめてジクサーの画像を見たときに抱いた正直な気持ちです。
しかし、スペックを見ると専用設計のエンジンに、本格的なダイヤモンドフレーム、前後ディスクブレーキ、迫力ある大型マフラーなど想像を超えた完成度でした。さらに、メーターもフル液晶でしっかり作りこんでいて、とても150ccで30万円台前半のバイクには見えません。
フロントフォークはインナーチューブ径41mmの正立フォークで、リアサスは7段階調整機能付きのモノサスです。大容量の燃料タンクに立体的なタンクデザインなど、ベテランライダーも満足できる充実装備です。
そもそもGIXXERはインドでバカ売れしていた
ジクサーは2017年に日本に投入された新型マシンですが、生産国のインドでは2014年8月から販売されています。インドでは現地のバイクオブザイヤー13部門を獲得して、月に8,000台ほど売れていると言われています。
日本自動車工業会の資料によると、2016年の軽二輪(126cc〜250cc)の全車種の年間新車販売台数は40,383台です。ジクサーはインドで、日本国内の150cc〜250ccクラスの全車種の合計よりも2倍以上売っている計算になります。まさにバカ売れと呼べる大ヒットです。
2016年〜2017年にかけて、スズキからGSX250R、Vストローム、GSX-R1000など続々と新型マシンを投入していますが、その背景にはインドのジクサーが売れたおかげで開発費を確保できていることが考えられます。
新型バイクは、当初はリコールが多いなど信頼性に欠ける面がありますが、ジクサーはインドで桁違いの販売台数を誇るメガヒット車種です。正規輸入されている日本仕様も、信頼性に問題はありません。
GIXXER(ジクサー)のスペック
車種名 | ジクサー(GIXXER) |
---|---|
排気量 | 154cc |
新車価格 | 346,440円/321,840円(ツートンカラー) |
発売時期 | 2017年1月 |
エンジン形式 | 空冷4サイクル単気筒/SOHC2バルブ |
燃費 | 国土交通省届出値58.8km/L (60 km/h) 2名乗車時 |
トランスミッション形式 | 5段リターン |
クラッチ形式 | 湿式多板 |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
乾燥重量 | 135kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 10kW(14 PS)/8,000rpm |
最大トルク | 14N・m(1.4kgf・m)/6,000rpm |
まとめ
これまで、海外工場生産の小排気量ミッションバイクは、故障が多かったり、低性能、見た目が悪いなどパッっとする車種がありませんでした。
最近ではヤマハのYZF-R15が高品質だと評判が良いですが、約44万円もする車両価格がネックになります。40万円以上出すのであれば250ccを買った方がよいです。
ジクサーはインドでの大ヒットを受けて、国内でも正規輸入販売を開始した経緯があります。
信頼性が高く、たとえ国内で売れ行きが悪くてもインドで売れ続けている以上、簡単に生産終了にはならない安心感もあります。
購入時にネックになるのは任意保険です。125cc以下のように自動車保険のファミリーバイク特約でカバーができません。
年齢制限が高い方や、既に複数台のバイクを所有して高い割引等級を引き継げるなど、保険料が安くなる方にオススメです。
大型バイク所有者のセカンドバイクに検討してみても良さそうな車種です。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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