貴重な国産ミドルアドベンチャー Vストローム650がモデルチェンジ
2017年5月30日、スズキのミドルレンジアドベンチャーバイク「Vストローム650(XT)」がモデルチェンジしました。特徴は、600ccクラスの軽快さよりも、リッタークラスに負けないような重厚感と安定感を出した仕上がりです。
高速走行時や荷物の積載性にゆとりがあり、オンロード重視の標準モデルのほか、チューブレススポークホイール、ナックルガード、アンダーガードを装備した本格オフロードモデルのXTのラインナップです。
Vストローム1000とのシリーズ共通性を強化
Vストローム650は2003年に、Vストローム1000の弟分として発売されたロングセラーモデルです。
大型アドベンチャーバイクの注目度はここ数年で急上昇しましたが、国産アドベンチャーバイクの中でもVストロームシリーズは信頼性が高いです。
今回のモデルチェンジではトラクションコントロールが追加され、ABSも新世代ABSにパワーアップするなど電子制御が充実しました。
3段階に調整ができる大型可変スクリーンの採用をはじめ、Vストローム1000との共通性が強化されました。
魔法がかかったような万能バイク
Vストローム650は、ミドルレンジアドベンチャーバイクとして、取り回しの良さを兼ね備えています。600ccよりも排気量が大きいため、中低速トルクが太く加速力も兼ね備えています。
田舎の交通量が少ない片側1車線の一般道くらいであれば、ギアをホールドしたままのダッシュで、ほかの大型ロードバイクにも付いていくことができます。街乗りでの軽快さを持っている一方で、高速走行に入れば、まるでリッターバイクに乗っているかのような安定性があります。
ネイキッドバイクに比べて重量がある分、クルージング時のゆとりがあり、場所を問わず十分な走行性能を発揮します。
オフロード走行を重視したい方は、スポークホイールを採用したXTがオススメです。スタンダートと比べてサスペンションは共通ですが、乗り比べれば違いを実感できるほど、しなやかなロードタッチになります。
まるで魔法がかかったかのような万能性を持っていますが、唯一の欠点は時速100kmを超える速度レンジになった時にハンドルがブレることです。時速100kmで巡航する場合のエンジン回転数は4,500回転ほどで、追い越し時の加速にもゆとりがあります。ただし、100kmを大きく超える速度域では、パワーとギア比の関係で苦しく感じてきます。
日本では高速道路でも原則法定速度は100kmまでなので、実用域では全く気になりませんが、もっと飛ばして走りたい人は1,000ccを選んだ方がよいでしょう。今後は一部の高速道路で最高速度が120kmに上がる計画もあります。
高速走行でも時速80〜100kmくらいで、ゆとりを持ってクルージングしたい方は650ccで十分です。
XTモデルがオススメ
舗装道路重視は標準、オフロード重視はXTと目的を分けたグレード設定ですが、価格差と装備の充実度を考えれば幅広い方にXTをオススメできます。
XTは標準グレードと比べて以下の変更点があります。
・チューブレススポークホイールを装着
・BSの最新タイヤ「アドベンチャーA40」を装着
・ナックルガード、アンダーガード、ハンドガードを標準装備
車両価格の差は43,200円です。キャストホイールからスポークホイールへの変更点だけで、価格差に見合う価値があります。また、XTに装着されたアドベンチャーA40のタイヤは評判が良く、足回りで標準グレードよりも舗装道路のちょっとした衝撃吸収力が優れて、乗り心地の違いを実感できます。
オフロード走行や激しい走行をしなくても、アドベンチャーバイクの外観上、ナックルガードやアンダーガードが付いていると見た目も良くなります。新車購入を検討している方は、是非XTを選んでください。
Vストローム650のスペック
車種名 | Vストローム650ABS |
---|---|
排気量 | 645cc |
新車価格 | 907,200円/950,400円(XT) |
発売時期 | 2017年5月 |
エンジン形式 | 水冷4サイクル/DOHC V型2気筒 |
燃費 | 国土交通省届出値35.5 km/L (60 km/h) 2名乗車時 |
トランスミッション形式 | 6段リターン |
クラッチ形式 | 湿式多板 |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
乾燥重量 | 212kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 51kW(69PS)/8,800rpm |
最大トルク | 61N・m(6.2kgf・m)/6,500rpm |
まとめ
Vストローム650最大の魅力はコストパフォーマンスの高さです。100万円を切る価格帯ながら、公道での実用域で十分なスペックを確保しています。中低速トルクが太く、大型バイクならではの加速を楽しめて、車体と足回りがしっかりしているので、高速走行から悪路まで快適に走れます。
すでに国産アドベンチャーバイクの中では、高いブランド力を確保していて、今回のフルモデルチェンジもキープコンセプトにした点を評価できます。姉妹車種のVストローム1000シリーズとの共通点も増えて、より650のブランド力が高くなりました。
オールラウンダーの使い方をしたい場合や、高速道路で時速100kmのクルージングができれば十分という方に強くオススメできます。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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