ローン残債があるバイクを廃車にする方法
ローン中のバイクを廃車にしたい場合は、所有権留保の有無で状況が変わります。本来、所有権留保が付いているバイクは、ローン残債があると廃車(抹消)に必要な書類の発行ができません。
しかし事故などでやむを得ない状況や、新しいバイクに代替したい場合はローンを組んでいる信販会社に事情を説明すれば、書類の発行を認めてもらえる場合があります。
ローン中のバイクを廃車にする方法をまとめました。
このページの目次です
ローン残債があるバイクを廃車にする場合
ローン中で返済が残っているバイクを廃車にする場合は、まず登録書類で所有者が信販会社になっているか確認しましょう。
ローンを組んだバイクの所有者が、信販会社や販売会社になっている事を「所有権留保」と呼びます。所有権留保がなく、登録書類の所有者が本人になっている場合は、ローン中でもバイクを廃車にする事ができます。ただし、バイクを廃車にしても、ローンの返済義務は消滅しません。一括返済をするか、月々の支払いを完済まで続ける必要があります。
所有権留保があるローン中のバイクを廃車にするには
ローン中のバイクの廃車で難しい状況になるのが、所有権留保が付いている場合です。ローン残債を一括返済できるのであれば、大きな問題はありませんが、ローンの支払いをそのまま継続したい場合は注意が必要です。
所有権留保があるローン中のバイクを廃車にするには次の方法があります。
・買取業者に処分を依頼する
・新しいバイクに買い換えて、ローン残債を購入したバイクのローンに組み替える
・ローン残債を一括返済して、廃車に必要な書類を用意してからバイクを処分する
・所有権留保が付いている信販会社にバイクを処分してもらう
・車体だけ先に処分して、抹消(廃車)手続きはローン完済をしてから行う
まずは所有権留保を付けている信販会社や販売店に相談する
所有権留保が付いていて、ローン残債があり一括返済できないバイクを廃車にする時は、まず最初に所有権留保を付けている信販会社や販売店に、廃車にしたい事情を説明しましょう。
事故や故障など、バイクに乗り続けられない事情があれば、廃車にする事を認めてくれる可能性が高いです。また、新しいバイクを購入する場合は、ローン残債を新しいバイクのローンに上乗せする形で対応してもらえます。
ただし、無条件で対応してもらえるとは限りません。ローン中で所有権留保があるバイクは、次の方法で廃車を認めてくれる事が多いです。
・信販会社がバイクを引き上げる事を条件に廃車を認める
・金利が高いフリーローンに切り替える事を条件に廃車を認める
・無条件で所有権留保解除書類を発行してくれることもある
ローン中のバイクの廃車で多い事例が、信販会社がバイクを引き上げる事を条件にする事です。
廃車になるバイクでも優良買取業者を利用すれば、買取で値段を付けてくれる可能性がありますが、信販会社に処分を依頼すると、無料引き取りや処分料がかかるなど悪い条件になる傾向があります。しかし、一括返済できない状況で廃車にしたい場合は、信販会社が要求する条件を受け入れるほかありません。
また、バイクなどのオートローンは、購入したバイクを担保にする事を条件に安い金利で貸付を行っています。ローンを残してバイクを廃車にした場合、オートローンではなく、金利10%〜18%のフリーローンへ切り替えられる場合もあります。
良心的な信販会社であれば、事情を説明すれば無条件で所有権解除書類を発行してくれて、バイクを自由に処分できる場合もあります。まずは、所有権留保を付けている信販会社や販売会社に相談して、どのような方法で処分を認めてくれるのか確認しておきましょう。
買取業者を利用すると手間が少ない
ローン中のバイクの処分は、買取業者を利用するのがオススメです。ローン中のバイクは所有権留保の有無を問わず、買取業者を利用すれば次のメリットがあります。
・廃車になるバイクでも買取査定額を付けてくれる
・買取額とローン残債の差額を相殺して一括返済に対応してくれる
・所有権留保解除の書類発行手続きを代行してくれる
・廃車で動かないバイクでも無料引き取りしてくれる
買取業者にローン中のバイクの廃車を依頼した場合、買取査定額とローン残債の相殺をしてくれます。
たとえば、ローン残債が15万円で廃車にするバイクでも5万円で買取してもらう事ができれば、差額の10万円を買取業者に渡す事で、一括返済と所有権留保解除手続きを全て代行してもらえます。
また、事故や放置で動かないバイクでも無料引き取りに対応してくれるので、手間が少なく簡潔にバイクを廃車処分する事ができます。
買取業者は、ローン中のバイクの処分や買取実績が多数あり、状況に応じて最適な方法のアドバイスや提案をしてくれます。まずは、買取業者にローン中である旨を伝えて買取相談をしてみてもよいでしょう。
個人売買でローン中の所有権留保付きバイクを処分する時は、事前の一括返済が必須
ローン残債があり、所有権留保が付いているバイクを個人売買で売るのはとても難しいです。
個人売買でバイクを売る方は、買い手から購入代金をもらってから、その費用で一括返済をして所有権留保解除書類を発行しようとする方がいます。しかし、個人売買でバイクを買う人から見れば、お金だけ先に払って名義変更必要書類をその場で受け取れないのは大きな不安になります。
また、車体の受け渡しを先に行うと、所有権留保解除書類の発行をする時間、名義変更をせずにバイクに乗る時間が増えるため、トラブルリスクが増大します。ローン残債を事前に一括返済して、先に所有権留保解除書類を用意できないのであれば、個人売買は利用しない方がいいです。
特にヤフオクなどネットで買い手を探す場合は、買い取り代金を受け取ってから、ローンの一括返済を行う条件だと、買い手がつきにくく安く買い叩かれてしまう場合があります。
バイクの車体だけ処分する方法とは
バイクは、自動車リサイクル法の適用がないので、廃車(抹消)手続きをせずに、車体だけ先に処分することができてしまいます。しかし、バイクの車体だけ処分して登録書類だけ残す(廃車・抹消登録をしない)と、次のデメリットがあります。
・処分を引き受けてくれる業者が少ない
・軽自動車税の納付義務が消えない
販売店や買取業者の場合は、廃車(抹消)手続きをしない場合は、買取・処分の引き受けを一切してくれません。そのため、基本的にはスクラップ業者に直接バイクを持ち込む事になります。
スクラップ業者でも廃車(抹消)している事を証明しないと、受入してくれない事が多いです。受入してもらえた場合でも、登録上はバイクが存在する事になるので、軽自動車税の納付義務は残ります。
所有権留保を付けている信販会社や販売会社に相談すれば、条件付きになる事があっても廃車を認めてもらえる可能性が高いです。
わざわざ、処分してくれる業者を探す手間をかけて、軽自動車税を払い続けるデメリットを背負ってまで、車体だけ先に処分するメリットはありません。ルール上は、バイクは車体だけ処分することができても、必ず廃車(抹消)登録と車体の処分は同時に行うようにしましょう。
まとめ
ローン中のバイクを廃車にする場合、新しいバイクに乗り換える場合を除いて、残債を一括返済する方法をオススメします。貯金を切り崩してでも、一括返済できるのであれば、廃車にするタイミングでローン残債も精算しておいた方がよいでしょう。
一括返済する場合は、買取業者に相談することが手間や負担金が少なくオススメです。
所有権留保が付いていて、一括返済できない場合は、所有権留保が付いている信販会社や販売店に相談して、無料引き取りやローンの切り替えなど、多少条件が悪くても応じる事が望ましいです。
ローン会社によって、対応方法が異なるので、まずは早めに相談することから始めましょう。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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