全国に広がるレンタル819ネットワークの魅力と利用時の注意点
レンタルバイクの需要が拡大しています。躍進の要因になっているのが業界最大手の「レンタル819」の存在です。レンタル819は店舗数が多く、バイクを所有していなくても好きな大きさのバイクに乗れて、維持が大変な400ccや大型バイクの取り扱いも豊富です。
レンタルバイクの特徴と人気の秘訣を調査してきました。
レンタル819は、全国134店舗(2017年10月22日現在)を展開する業界最大手のレンタルバイクサービスです。加盟店は主にバイク販売店、自動車学校(教習所)、部品量販店などです。
車でたとえると、ニッポンレンタカーやオリックスレンタカーなどの直営業者ではなく、ニコニコレンタカーなどの他のサービスを提供している業者が加盟するフランチャイズです。
取り扱い車種は店舗ごとに異なり、料金は沖縄を除く全国で一律料金です。50ccの原付バイクから大型バイクまで取り扱いがあり、車両クラスに応じて料金が決まります。
利用時間は4時間、8時間、24時間の3段階があり、延長料金は24時間毎と1時間毎の2種類の用意があります。このほか、アクティブに利用する方向けに年間契約のマイガレ倶楽部を用意しています。
レンタル819の歴史
レンタル819は神奈川県にある株式会社キズキという中堅のバイク販売業者が運営しています。株式会社キズキはホンダ、ドゥカティ、KTM、スズキの販売店を運営していて、資本金2,000万円、従業員50名の会社規模です。(2017年10月現在)。
レンタルバイクのパイオニア的存在で、現在はグループ子会社の株式会社キズキレンタルサービスがレンタル819事業を展開しています。
■レンタル819および関連サービスの沿革
・平成19年 レンタルバイク専門店「東京BAYフロンティア」グランドオープン
・平成19年 中古車およびレンタルバイクの集中管理を行う「高津バイク流通センター」オープン
・平成19年 東京都世田谷区にレンタルバイク専門店「レンタルバイク世田谷」オープン
・平成20年 レンタルバイク専門店「東京BAYフロンティア」を増床
・平成20年 埼玉県鳩ケ谷市にレンタルバイク事業部の本部機能を移転
・平成20年 東京都中野区にレンタルバイク専門店「レンタルバイク中野」オープン
・平成21年 「レンタルバイク世田谷」をフランチャイジー企業様へ譲渡
・平成22年 株式会社キズナレンタルバイクサービスを設立。キズナが展開していたレンタルバイク事業を引き継ぐ
・平成22年 レンタル819のフランチャイズ展開を本格スタート
・平成23年 2りんかん、ライコランドなど大手バイク用品店がFC加盟、その他自動車学校などにも広がり、平成23年11月時点でFC加盟店は91店舗
・平成24年 新東名高速道路NEOPASA清水PA内に「レンタルバイクNEOPASA清水」のオープンをはじめ、複数の新規加盟店が加入。10月時点でFC加盟店は96店舗
・平成25年 イオンモールつくば内に「レンタルバイクイオンつくば」をオープンしたのをはじめ、複数の新規加盟店が加入。10月時点でFC加盟店は102店舗
・平成26年 部品用品店、自動車学校など複数の新規加盟店が加入。8月時点でFC加盟店は112店舗
・平成27年 ガソリンスタンド展開をスタート。11月時点のFC加盟店は127店舗
・平成27年 10月時点のFC加盟店は134店舗
■業者がレンタル819に加盟するメリット
レンタルバイクはレンタカーに比べて歴史が浅くて認知度が低いサービスです。レンタル819に加盟すれば、インターネットを中心に集客業務を本部が一括して行ってくれるほか、ネット予約、電話予約等も本部が対応、管理してくれます。
集客や予約システムの構築など、各業者がイチから始めるよりも初期費用がかからず、FC加盟直後から大きな反響を期待できます。
レンタル819の利用料金の相場や、事故を起こした際のルールが利用者に浸透していないため、店舗数が多い大手の看板があると信頼を得られやすいメリットもあります。
駅前に店舗を構えることが多いレンタカーとは違い、レンタルバイクは看板だけの集客を期待できない立地の店舗が多いことも、FC加盟でレンタルバイク事業を始める業者が多い要因です。
当サイト独自の見解ですが、レンタルバイク業界全体でレンタル819のシェアは50%以上と推測しています。
■FC加盟初期費用
契約期間:3年
加盟金:100万円
保証金:30万円
研修費用:30万円
スタートアップキット:40万円〜
車両台数:10台以上
■FC加盟月額費用
ロイヤリティ:売上の10%
固定ロイヤリティ:6万円
※保証金以外の費用は別途要消費税
参考URL:http://www.kizuki-grp.co.jp/fcmerchant/fchope.html
レンタル819の料金プランと車両クラス
レンタル819の料金は車両クラスと利用時間によって変わります。
■P-1クラス
4時間 | ¥3,600 |
---|---|
8時間 | ¥3,900 |
24時間 | ¥4,700 |
以降24時間毎 | ¥3,200 |
延長1時間毎 | ¥1,400 |
利用可能バイク例 | 50ccスクーター(JOG,ベンリィ、タクトなど) 50ccミッションバイク(スーパーカブ50、リトルカブ50、バーディー50など) 一部の125ccバイク(スズキ・GN125-2F、SYM・RX110など) |
■P-2クラス
4時間 | ¥5,300 |
---|---|
8時間 | ¥5,700 |
24時間 | ¥6,900 |
以降24時間毎 | ¥4,800 |
延長1時間毎 | ¥1,400 |
利用可能バイク例 | 125ccスクーター(PCX125、シグナスX、トリシティ125など) 125ccミッションバイク(ジクサー、KSR110、KLX125など) 一部の50ccバイク(ジャイロキャノピー、ズーマー、e-Let’s、SR50プレジェットなど) |
■P-3クラス
4時間 | ¥10,400 |
---|---|
8時間 | ¥11,500 |
24時間 | ¥14,100 |
以降24時間毎 | ¥9,800 |
延長1時間毎 | ¥1,900 |
利用可能バイク例 | 250ccクラス(CBR250R、CRF250L、YZF-R25、ドラッグスター250、フォルツァ、PCX150など) 一部の400ccクラス(SR400、390DUKE、YZF-R3、G310など) 一部の125ccクラス(125DUKE、RC125.EM100など) |
■P-4クラス
4時間 | ¥12,900 |
---|---|
8時間 | ¥14,100 |
24時間 | ¥17,400 |
以降24時間毎 | ¥12,300 |
延長1時間毎 | ¥1,900 |
利用可能バイク例 | リッター未満の大型クラス(MT-09.ボルト、W800、GSX-S750、NC750X、CB650F、T-MAXなど) 400ccクラス(CB400SF、400X、CBR400R、イントルーダー400、バーグマン400など) 一部の250ccクラス(CBR250RR、WR250R, VERSYS-X250ツアラー、マグザムなど) |
■P-5クラス
4時間 | ¥15,200 |
---|---|
8時間 | ¥16,700 |
24時間 | ¥17,400 |
以降24時間毎 | ¥14,600 |
延長1時間毎 | ¥2,400 |
利用可能バイク例 | リッターバイク(CB1300SF、CB1100、GSX-S1000、CRF100L、Ninja1000など) 外国メーカーの大型バイク(XL1200シリーズ、XL883L、モンスターシリーズなど) 一部のリッター未満の大型クラス(GSX-R600、MT-09トレーサー、NM4-01など) |
■P-6クラス
4時間 | ¥16,600 |
---|---|
8時間 | ¥18,300 |
24時間 | ¥22,600 |
以降24時間毎 | ¥16,000 |
延長1時間毎 | ¥2,400 |
利用可能バイク例 | 高級大型バイク(ZX-10R、GSX-R1000/750、ゴールドウィングF6C、ZX-14R、ハヤブサなど) |
■P-7クラス
4時間 | ¥19,000 |
---|---|
8時間 | ¥21,100 |
24時間 | ¥26,400 |
以降24時間毎 | ¥18,400 |
延長1時間毎 | ¥2,900 |
利用可能バイク例 | 高級大型バイク(ゴールドウィング1800、マルチストラーダシリーズ、CBR1000RRーSPなど) |
■P-8クラス
4時間 | ¥22,000 |
---|---|
8時間 | ¥24,400 |
24時間 | ¥30,500 |
以降24時間毎 | ¥21,400 |
延長1時間毎 | ¥3,400 |
利用可能バイク例 | 超高級大型バイク(ハーレー・ダビッドソンのメガクルーザー系、H2、スパイダーシリーズ(大型トライク)など) |
■オプション(車両保証)
P-1/P-2クラス | P-3クラス | P-4クラス | P-5クラス以上 | |
---|---|---|---|---|
1日 | 1,200円 | 2,200円 | 3,200円 | 3,200円 |
2日目以降(1日毎) | 600円 | 1,100円 | 1,600円 | 1,600円 |
免責 | 10,000円 | 50,000円 | 50,000円 | 100,000円 |
■オプション(用品)
ヘルメット(要予約) | ディスクロック/ワイヤーロック | グローブ | ツーリングネット | |
---|---|---|---|---|
1日 | 1,000円 | 200円 | 300円 | 100円 |
2日目以降(1日毎) | 200円 | 100円 | 100円 | 100円 |
マイガレ倶楽部の料金
マイガレ倶楽部とは、年間契約の定期利用コースです。
各プランごとに決められた回数を定額費用で利用できます。
入会金:12,000円
■マイガレ倶楽部(年24回・月3回まで)
・プラチナコース(全クラス全ての曜日):9,800円/月
・ゴールドコース(全クラス平日):7,800円/月
・シルバーコース(P4まで全ての曜日):8,800円/月
・ブロンズコース(P4まで平日):6,500円/月
■マイガレ倶楽部Light(年10回・月2回まで)
・プラチナコースLight(全クラス全ての曜日):6,800円/月
・ゴールドコースLight(全クラス平日):4,800円/月
・シルバーコースLight(P4まで全ての曜日):5,800円/月
・ブロンズコースLight(P4まで平日):3,500円/月
平日のみのコースで土日利用、上限を超えた使用も通常料金から30%OFF(利用店舗以外は5%OFF)。
マイガレ倶楽部でレンタルバイクを利用する場合、別途車両補償が必須です。(P4クラス以上、一律1日1,100円)。
マイガレ倶楽部については、こちらのページで詳しく紹介しています。
(参考記事:所有するよりもレンタルバイクのマイガレ倶楽部の方が安い!)
レンタル819利用時の注意点とポイント
レンタルバイクのよくある疑問と解決策をまとめました。
■転倒したらどうなるのか?
オプションの車両補償に加入していれば、上限は免責金額の範囲内の負担で済みます。車両補償に未加入で事故を起こした場合、利用店舗との直接交渉になり、原則修理費用を全額負担になります。
■支払い方法について
初回のみクレジットカード決済が必要。2回目以降の利用は現金対応になります。
■保険について
対人無制限、対物1,000万円(免責5万円)、搭乗者傷害1名500万円(原付除く)、盗難補償時価額の50%
■保険適用されるのは申込者のみ
1台のレンタルバイクを借りて、ツーリング仲間とバイクを交代しながら運転する行為は禁止です。申込者以外が運転して事故を起こすと保険が効かないので注意しましょう。
■雨が降ってキャンセルしたい場合
当日連絡を含めてキャンセルは可能で、キャンセル料も不要です。悪天候やその他の理由でキャンセルする場合は必ず連絡を入れてください。
■利用(予約方法)
WEBもしくは電話での受付になります。予約優先なので店舗で直接手続きすることも可能ですが、事前に電話連絡するかWEB上で予約状況の確認をしましょう。店舗によってレンタルバイクの在庫車両の状態を見せてくれる場合もあります。
■ガソリン代について
レンタカーと同様に満タン渡し、満タン返し。
■返却が遅れる場合
延長料金によって対応できますが、次の予約状況によって延長できない場合もあるので必ず利用店舗に電話相談をしてください。
■早期返却による返金
24時間以上前倒しで返却する場合のみ、利用代金の50%が返金されます。なおオプション費用は返金対象外です。
■営業時間
各店舗ごとによって異なります。朝早くから利用したい場合や夜遅い時間の返却希望であれば、営業時間で利用店舗を選んでもよいでしょう。
加盟店は販売店、自動車学校、ガソリンスタンド、部品量販店など多岐に渡り、営業時間も店舗ごとで大幅に変わってきます。定休日がある店舗もあるので注意しましょう。
■未成年は利用できない
利用年齢は満20歳以上です。定職についている場合や親が保証人になれる場合でも未成年者は一切利用できません。
■走行距離は無制限
利用時間のみで料金が発生するため走行距離の制限はありません。
長距離ツーリングで1日で500km以上走る方もいます。
■自分の車やバイクを置けるのか?
店舗によって駐車場、バイク置き場の用意が異なります。大半の店舗では、バイクや自転車はレンタルバイク利用中に店舗に置かせてもらえますが、車の場合は店舗ごとで対応方法が変わります。事前に利用予定店舗に問い合わせて確認しましょう。
■タンデム走行について
特に利用上の制限はありません。ただし免許取得して1年未満など法令で2人運転できない方はタンデム走行できません。万一事故を起こすと一切保険適用されない可能性もあります。
おわりに
レンタル819は多くの方にとって一番身近なレンタルバイクサービスです。私が住んでいるエリアでレンタルバイクの情報を調べてもレンタル819の情報が多数出てきました。
レンタカーも市場規模が拡大しているニュースが出ていて、社会全体が所有するよりも必要な時だけ借りる使い方が浸透しているように感じます。今後もレンタル819は店舗数や事業規模を拡大できるでしょう。
各店舗で10台以上の在庫がないとFC加盟できないので、レンタル819の看板があるだけで豊富な排気量のバイクを在庫している安心感があります。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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