マーベリック・ビニャーレスの経歴、特徴、エピソード

※2018年1月4日現在

氏名 マーベリック・ビニャーレス(Maverick Vinales Ruiz)
所属チーム モビスター・ヤマハMotoGP
生年月日 1995年1月12日(22歳)
出身地 スペイン・カタルーニャ州
主な実績 Moto-3年間チャンピオン1回、Moto-GP2017年間ランキング3位

ビニャーレスは、2017年シーズンよりスズキからヤマハへ移籍した若手ライダーです。2017年シーズンはモビスター・ヤマハMoto-GPで、バレンティーノ・ロッシのパートナーを務めました。

2017年の年間ランキングはロッシを上回る3位で、開幕2連勝と最高のスタートを切って、第5戦でも優勝してシーズン序盤はポイントリーダーでした。結局、第5戦以降はチーム不振もあり、優勝から遠ざかってしまいましたが、マシンの状態さえよければ年間チャンピオンを狙える実力を持っています

ビニャーレスの速さの秘訣

マーベリック・ビニャーレスは、冷静で賢い頭脳を持ち、学習能力に優れています。特に2015年、2016年にスズキのファクトリーチームで過ごした経験は、彼にとって大きな財産になったでしょう。

2016年までヤマハに在籍していたロレンソや、現在のチームメイトのバレンティーノ・ロッシが、ミシュランタイヤに苦戦する中で、高いパフォーマンスを見せているのは、彼の経験と乗り方が関係しています。

ビニャーレスのライディングテクニックで特に優れているのはブレーキングです。性能の劣るマシンで勝つには、状況に応じて限界ギリギリのアグレッシブなライディングを求められます。

ビニャーレスがMotoーGPデビューしてから2年在籍していたスズキは、ホンダ、ヤマハ、ドゥカティのマシンに比べて劣っていました。こうした中でも2016年シーズンには初優勝を果たし年間ランキング4位に入ったのは、マシンの性能差をライダーの力量で埋める走りをしていたからです。

2015年〜2016年のチームスズキ・エクスター・MotoGPは、マシンがライバルチームより劣っていることを自覚していて、若手のビニャーレスにも強い期待はしていなく、結果を追求することもありませんでした。結果的にビニャーレスは重圧の少ない環境で、性能の劣るマシンでどうやって戦っていくのか学習していき、現役ライダーの中でも一級品と呼ばれるブレーキングテクニックを身につけます。

ブレーキング勝負で速く走るスタイルのため、ボディーウエイトはフロントに集中させて、旋回性を重視したマシンセッティングになります。タイヤも硬いタイヤに対応しやすく、ミシュランタイヤになってからグリップ力の少なさに苦しむヤマハにフィットした形です。

結果を出せないときでも常に学習してきたことで、無茶なプッシュをしても転倒することは少なく、勝負どころでは限界ギリギリの走りで猛プッシュをできます。2018年シーズンも優勝候補の1角として期待されています

幼少期からのキャリア

7歳からオートバイレースに乗り始めます。ミニモトクロス、ミニバイクを経て、ロードレースの125ccカタルーニャ州選手権に参戦します。2009年からスペインロードレース選手権(CEV)125ccクラスに参戦し、第2戦で初優勝を飾り初年度から年間ランキング2位に入ります。

2010年は2勝を含む年間7戦全てで表彰台に上がる活躍を見せて年間チャンピオンに輝きます。この活躍を受けて、2011年よりパリス・ヒルトンが支援するチーム「ブルセンス・バイ・パリス・ヒルトン・レーシング(マシンはアプリリアのファクトリーマシン)」から、ロードレース世界選手権125ccクラスに参戦します。

デビューイヤーから4勝をあげて年間ランキング3位を獲得。2年目の2012年はブルセンス・アヴァンティア(マシンはFTRホンダ)に移籍して、年間5勝を挙げて年間ランキング3位。3年目の2013年はチーム・カルボ(マシンはKTM)へ移籍して年間3勝ながら表彰台15回の安定感を見せて、世界ロードレース選手権で初の年間チャンピオンに輝きます。

この時期から、チームやマシンを選ばずに安定感ある走りをすることで評判でした。2014年にはパギナス・アマリラス HP 40よりMoto-2クラスに昇格して、年間ランキング3位、新人王を獲得します。

Moto-2クラスの参戦は1年のみで、2015年よりスズキのファクトリーチーム(TeamSUZUKI ECSTAR)よりMoto-GPクラスに昇格します。デビューイヤーは年間ランキング12位、最高順位6位と苦しみますが、2年目の2016年シーズンは第13戦サンマリノGPで初優勝を挙げるなど、年間ランキング4位に躍進します。

スズキの最高峰クラス優勝は9年ぶりのことで、現在はヤマハのエースドライバーではありますが、スズキ党からのファンも多いことで有名です。ビニャーレスの魅力はマシンを選ばない安定感と、細かいセッティングにこだわりすぎないライダーとしての万能性、チームメイトとも良好な関係を築ける人間性です。

世界選手権参戦以降のキャリアは輝かしいとは言えませんが、最短ルートに近い形でMoto-GPのファクトリーチームに加入できたのは、実績以上に各チームから高く評価されていたからです。

2016年でスズキとの契約が切れることもあって、ヤマハより獲得に向けて猛プッシュを受けます。ヤマハはロレンソとの契約を早々に切ると同時に、ビニャーレスの獲得を発表し、2017年よりモビスター・ヤマハMotoGPに移籍します。

2017年シーズンは開幕2連勝を含む年間3勝を挙げるも、後半にマシンとチームの不調の影響を受けて年間ランキング3位になります。ヤマハのチーム代表は、ビニャーレスは間違いなく複数回の年間チャンピオンになれるだけの実力があると太鼓判を押しています

現役最強ライダーのマルケス(24歳)より2歳年下の次世代ライダーは、2018年以降どのような活躍を見せてくれるのか今から楽しみです。

WGP・MOTO-GPでの年間成績

シーズン クラス チーム マシン 優勝回数 ランキング
2011年 WGP125cc Pev-ブルセンス-SMX-パリス・ヒルトン アプリリア・RSA125 4回 3位
2012年 Moto-3 ブルセンス・アヴァンティア ホンダ・FTRホンダ 5回 3位
2013年 Moto-3 チーム・カルボ KTM・M32 3回 1位
2014年 Moto-2 パギナス・アマリラス HP 40 カレックス・Moto2 2014 4回 3位
2015年 Moto-GP チームスズキ・エクスター・MotoGP スズキ・GSX-RR 0回 12位
2016年 Moto-GP チームスズキ・エクスター・MotoGP スズキ・GSX-RR 1回 4位
2017年 Moto-GP モビスター・ヤマハ・MotoGP ヤマハ・YZF-M1 3回 3位

おわりに

ビニャーレスは、トップライダーの中でも冷静でおとなしい性格です。知的で学習能力の高さが特徴で、最高峰の舞台で勝つためにはアグレッシブな走りも必要なことも理解しています。野心も高く、バイクに乗ると普段の姿からは考えられないようなパワフルな走りを魅せてくれます。

これまでも、常に成長を続けて前年以上の成績を残してきた実績があり、2018年シーズンは年間ランキング3位を超える成績も期待できます。

チームメイトのロッシは40歳が近づいてきて、メディアで引退の話題を出されることもありますが、Moto-GPは世代交代が進んでマルケスをはじめ役者が充実してきました。ライバルも強いですが、ビニャーレスは難しい状況を打破することが得意なライダーです。

2017年シーズンは、マルケスのライバルとしてドヴィツィオーゾに注目が集まりましたが、実力やセンスで見ると、ビニャーレスこそマルケス最大のライバルになれる器があると評価できます

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