参戦したからわかるレン耐の魅力とエントリーからレース当日の流れ
レン耐はバイクレースの中でもっとも敷居が低いです。私も何度か参戦した経験があり、初心者から上級者まで幅広い方にオススメできる素晴らしいイベントです。
これからレン耐に参戦しようと検討している方のために、私の体験談を中心にレン耐の流れや魅力を紹介します。
公式ページ:http://rentai.takuma-gp.com/
Facebookページ:https://ja-jp.facebook.com/LetsRENTAI/
レン耐はレンタルバイクを利用して手軽に利用できるバイクの耐久レースです。正式名称は「Let’sレン耐 takuma-GP」で、元WGPライダーの青木拓磨氏が主催しています。レースには青木拓磨さん本人も会場で運営を行っていて、声をかければ気さくに話をしてくれます。
使用する車両はApe50/100、グロム125、CBR250Rです。125ccクラスはレン耐参加歴3回以上、250ccクラスはレン耐参戦歴5回以上が必要です。
詳しくは公式ホームページをご確認ください。公式ホームページのほか、Facebookの公式アカウントでレースの様子をアップしたり、レーススケジュールの紹介をしています。公式ホームページよりもFacebookの方がレーススケジュールを早い段階でアップすることもあるので、両方チェックしておくとよいでしょう。
このページの目次です
レン耐に参加するには
レン耐はサーキットライセンスやMFJライセンスは不要です。サーキットですので免許がなくても参加でき、年齢制限もありません。
参加クラスのミッションバイクに乗ることができ、日本語を理解できスポーツマンシップに則りルールを守れれば誰でも参加できます。過去には6歳や75歳の参加者もいたようです。
(参考URL:http://www.takuma-gp.com/_src/sc4624/2017_FAQ.pdf)
耐久レースですので、基本的には仲間とチームを組んでエントリーしないといけません。レースによって最低参加人数は1チーム3名〜4名に設定されています。1人でも参加できるミステリーレン耐(チームメンバーは当日決定)の用意もありますが、毎回開催しているわけではないので、公式ページをチェックしてみてください。
申込方法はWEBと郵送があり、支払い方法はカード払い、コンビニ払い、銀行振込、現金書留の4種類があります。私は毎回Webエントリーのカード決済を利用しています。レース中の怪我などについてのオフィシャルやサーキットによる保証は一切ないので、個別にスポーツ保険や共済、傷害保険等に加入しておきましょう。
また、バイクはレンタルバイクなので用意する必要はないですが、各ライダーはサーキットを走るために革ツナギ、ブーツ、グローブ、フルフェイスのヘルメットが必要です。レンタルの用意もありますが、1回1万円(女性は無料)かかります。私のチーム員は何名かツナギ一式を持っていない方もいましたが、ヤフオクやメルカリで中古を安く買えるので、初回参加からレンタルではなく購入して装備を揃えていました。
エントリーから参加までの流れ
まずはメンバーを集めて、各メンバーの申込に必要な個人情報を集めます。エントリー期間は、各レース開催日1ヶ月前の深夜0時から1週間前までです。私の経験上ですが、筑波開催レースだけ極端に人気が高いです。
2017年11月27日開催の筑波エイプ100ccクラスにエントリーしようとしたところ、エントリー開始直後の深夜0時5分から手続きをはじめ、メンバーの個人情報の不備などもあり40分ほどの時間がかかってしまい、必要情報の入力を終えた頃には定員に達してエントリーできませんでした。そのほかの開催場所では、早い段階で定員が埋まることはほとんどありません。
入力完了してカード決済をする場合は、そのままWeb上で手続きが完了し、メンバー全員に受付確認メールが届くます。受理されるのは、受付終了後(レース開催1週間を切ってから)になりますが、先着順のため特別な問題がなければWeb手続きでエントリーと支払いを完了できた時点で、ほぼ確実に参加受理されます。
エントリーが受理されると同時にWebマイページより、当日のタイムスケジュールや参加受理表、約款などの資料を配布されます。エントリー受付時間を確認したら、チーム員と何時に待ち合わせするかなどを決めます。
レース当日は受付にてエントリー受理表、メンバー全員の免許証提示と署名捺印をした誓約書の提出、ガソリン代の支払い(1,000円〜1,500円程度)をします。参加メンバーには、転倒時に払う5千円、装備一式、認印、免許証、昼食を持参するように案内しています。
初心者の方は有料(2,000円程度)で初心者講習を開催しています。先導付きの走行もあるので利用してみるとよいでしょう。
受付後はブリーフィングを行い、注意事項等の説明を行います。その後はタイムスケジュールによってフリー走行、予選(無いレースもあります)、決勝レースを行い、その後に表彰式と全チームにチャンスのある豪華賞品の当たる抽選会が行われます。
レン耐はスポンサーが多いので、全チームにカップラーメンやミネラルウォーター、ポテトチップスなどのダンボール1箱が当たったり、数万円相当の豪華賞品が用意されることもあります。
100ccクラスの場合は上位6チームまでが入賞になるほか、レース初参加の人がいるチームの中で上位3チームが入賞になります。(レースによって入賞基準は異なります)
レン耐の特徴、注意点
レン耐の概要やルールについては公式ページをご覧ください。
ここでは、私が参加して感じた特徴や注意点を紹介します。
参加費用
エントリークラスやサーキット、レース時間によって料金は異なります。基本料金に対して追加ライダーが1名増えると5千円増える仕組みです。私は4名〜6名で参加していますが、安いときで1人1万円。高い時でも1万5千円程度です。
オプションで千円払うとフォトサービスを利用でき、後日カメラマンが撮った写真がすべてWebでアップロードされて自由にダウンロードできます。
女性に優しいレース
レン耐は女性を優遇しています。エントリー費用も女性割(1,000円引き程度)の用意があり、レース当日は女性にピンクゼッケンを配布されます。万一、女性ライダーを転倒させてしまった場合は、その時点でチームは失格となり、本人と女性分の転倒した罰金(各5千円)を支払います。
初心者の女性だけを優遇しているわけではなく、一部では速い女性ライダーもいますが、優遇条件は同じです。仮に女性ライダーから突っ込んできて被害者という形で多重クラッシュしても、男性側のチームが失格になります。女性を強引に抜かす行為はNGで、接近した走りも控えないといけません。
また、メンバーの平均体重によって最低ピット回数が決まりますが、女性は一律体重100kgでカウントする決まりになっています。つまり、メンバーに女性がいるだけで最低ピット回数が少なくレースを有利に進められることになります。
転倒時の罰金
基本的には1回転倒すると5千円の罰金が必要です。マシンのダメージがなくても転倒した時点で罰金は必要です。マシンは、フロントブレーキやクラッチレバーはネジを少し緩めているので、ちょっとした転倒では折れないですし、エイプクラスであれば、大体のことは5千円の罰金で済みます。
ただし、5千円以上の損失を出した場合は損傷部品に応じて実費相当を負担するルールです。参加者の口コミを聞くと、エイプクラスは大体5千円で済むけど、グロム以上は転倒時の罰金リスクが高く3万円以上取られることもあるようです。
バイクのバンク角
私がレン耐に参戦する前に気になっていたのがバイクのバンク角です。エイプについては、ステップを切って短くしています。左コーナーに関しては思っていた以上に寝かせることができました。
右コーナーはApe100の場合はマフラーが擦れてしまうので、左コーナーに比べて少しバンク角を抑える必要がありました。マフラーが若干地面と擦れるくらいであれば走れますが、さらに攻めようとして私は1回転倒しました。
Ape50はアップマフラーなので右コーナーでも左と同等のバンク角を出せます。グロム125については社外品のバックステップを付けているので、それなりに遊べます。CBR250Rはスーパーレン耐(250ccクラス開催レース)に参加したことが無いので分かりませんが、何かしらの対策をしていると思います。
タイヤとブレーキ
タイヤはエイプとグロムに共通してブリヂストンのバイアスタイヤを履いています。純正タイヤよりもグリップ力は高く、熱も入るので思いっきり走ることができました。ただ、最高気温25度くらいの日に3時間耐久に出た時は、後半からタイヤが垂れてきて滑りやすくなりました。
ブレーキは、エイプの場合は純正のドラムブレーキで制動力はだいぶ弱いです。後半になると熱を持ってさらに効かなくなりますし、最初からブレーキの効きが悪いハズレマシンにあたったこともありました。
本来、バイクのスポーツ走行はフロントブレーキしか使いませんが、エイプの場合はリアブレーキも活用しないと止まらないですし、ブレーキを強く握るので走ると右手がパンパンになります。グロム125であればディスクブレーキなので、ブレーキもしっかり効きます。
ライダーのレベル
毎回全体参加者の3分の1くらいは人生初レースの初心者です。サーキットを初めて走る人もいるので、初心者でも安心して参加できます。ただし、上位の常連チームは上級者も多数います。たまにゲストでプロのライダーも参戦します。腕に自信がある人でも物足りないということはないでしょう。
遅くても上位入賞のチャンスはある
レン耐はライダー交代のためのピットインで3回に1回お題が出ます。お題はあっち向いてホイとか、知恵の輪など毎回さまざまなレクレーション的なお題を用意してくれます。お題をスムーズにこなすのはもちろん、ピットインした時に前のチームがお題をしていると、それが終わるまで後ろで待たないといけないルールがあります。つまり、ピットインするタイミングが重要です。
また、転倒するとピットインして罰金の支払いとバイクの軽整備を行うので大きなタイムロスになります。タイムが遅くても転倒せずに、ピットインのタイミングさえ良ければ上位入賞のチャンスがあります。
おわりに
私がレン耐に参加しているチームは8名ほど在籍していますが、みんな参加して思っていた以上に楽しかったと満足しています。初心者も多く、転倒の影響もあって毎回満足の行く結果は出ていませんが、レースは必ずしも上位に入ることだけが醍醐味ではありません。
私がレン耐に出たいと思った理由は、バイクを乗る時間が少ないからです。安いボロボロのバイクを練習用に買ってもいいのですが、サーキットをメインに年間数回しか乗れないと、整備する時間の方が長くなってしまうため、レンタルバイクの耐久レースに魅力を感じました。私のようなリベンジライダーは少数派で、多くの人は普段乗るバイクも持っているなかでレン耐に参戦しています。
ミニバイクには大型バイクとは違う魅力もあって、普段はリッタークラスのスポーツバイクに乗っている方でも満足できるレースです。レン耐に興味を持ったら是非参戦を前向きに検討してみてください。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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