バイクレースのおおまかな種類
レースは基本的に、ヨーイドンでスタートして一番早くゴールした人が勝ちになる競技ですが、オフロードのトライアルレースやタイムトライアル形式レースなど特別なルールがあるレースもあります。
ここでは、バイクレースの種類についてまとめました。
このページの目次です
ロードレース
ロードレースは、アスファルトに舗装された路面で、オンロードタイヤを装着したロードバイクで行うレースです。バイクレースの中でもメジャーで、鈴鹿やもてぎ、富士スピードウェイなど大きいサーキットで行われるレースは、全てロードレースです。
ロードレースの中でも、ライダー1人の「スプリント」や、団体戦で行う「耐久レース」をはじめ、様々な種類があります。
スプリントレース
参加バイクが一斉にスタートして、サーキットの規定周回数を誰が一番最初に駆け抜けるか競います。
ペナルティや雨による車両交換を除いて原則ピットストップはなく、スタートからゴールまで走りっぱなしです。
世界最高峰のバイクレースのMOTOーGPもスプリントレースに区分されます。
ヨーイドンでスタートして、誰が一番速いか決めるシンプルなルールで、バイクレースといえばスプリントレースを思い浮かべる方も多いです。
耐久レース
参加バイクが一斉にスタートして、周回数ではなく制限時間内にどのチームが一番多くの周回数をこなせるかで勝敗が決まります。
ロードレースの中でも団体戦と表現することができ、1チームに複数名のライダーがいて同じバイクをピットでライダー交代して走ります。
国内では鈴鹿の8耐が有名で、アマチュアが気軽に参加できるお手軽な耐久レースも多数あります。
レースレギュレーション(ルール)によっては、燃料やピットストップ回数の規定があり、燃費走行やライダー交代のタイミングなど戦略がレースの勝敗に大きく影響するのが特徴です。
タイムトライアル形式
タイムトライアル形式はスプリントレースの1種で、1台ずつスタートしていき、もっとも速いタイムを出した人が勝ちます。
主に、マン島TTなどの複数台での並走が危険な公道レースで行われます。
ほかのバイクとのバトルが無いですが、公道などスリリングな場所での限界走行が見れるのが魅力です。
お手軽にできるタイムトライアル形式のレースでは、カラーコーンで作られたテクニカルコースを規定の方法で周回するジムカーナが有名です。
ワンメイクレース
スプリントレースの一種で、参加バイクが全て同じ車種に限定されたレースの総称です。
トップレベルのレースでは、MOTOーGPのMOTO2クラスで採用されています。
参加バイクが同じ車種で、なおかつ改造制限を厳しくしてイコールコンディションにすることで、バイクの性能差ではなくライダーの腕だけで勝敗が決まります。
アマチュアの草レースでは、旧車のZ2シリーズや、レトロのスタイルが特徴のベスパ(イタリア製スクーター)など、個性的なバイクを集めてワンメイクレースを行うことが多いです。
ほかにもCBR250Rカップなど、手軽に購入できるバイクで、改造禁止にするなど、参加の敷居を下げる(お金持ちしか勝てないレースにはしない)目的で、ワンメイクレースにするケースもあります。
模擬レース
模擬レースは、アマチュアの走行会等のイベントの中で行われることが多いです。
参加バイクのレギュレーションやレース前の車検などもなく、通常はコースインするフリー走行を、グリッド整列からヨーイドンでスタートさせて、先頭か規定の周回数に達したら終了になります。
バイクイベントによっては、グリッド整列からの一斉スタート後は通常のフリー走行になったり、終了後に本格的なレースさながらの表彰式や賞品授与が行われる場合もあります。
模擬レースの定義は広いですが、アマチュア向けのレースの中でも、お手軽でルールが緩いレースと表現できます。
サイドカーレース
サイドカーレースは、その名の通りサイドカー付きのバイクで2名乗車にて行われるレースです。
パッセンジャー(サイドカーに乗る人)が思いっきり曲がる方向に体重をかけて走るのが特徴で、大規模なアマチュアレースで開催されることが多いです。
ドラッグレース
ドラッグレースは直線コースで停車時からゴールまでのタイムを競うレースです。
最高速よりも、加速性能が重要で、バイクのドラッグレースは極太タイヤや、ウイリー防止の補助フレーム・ロングスイングアームなど個性的な車両が多いです。
ゼロヨンと呼ばれる400mの直線で行われるレースが有名で、ほかにもミニバイク向け雑誌のモトチャンプが主催する、SS1/32マイルという50mの加速性能を競うお手軽ドラッグレースが人気です。
トラックレーシング
専用のオーバルコースを周回するレースです。
主に公営競技のオートレース(競輪のバイク版)を指し、危険度が高いので特別な訓練をされたプロのオートレーサーのみが行う競技です。
オフロードレース
オフロードレースとは、未舗装道路をオフロード用バイクで走るレースです。
基本的には公道走行できない競技専用車両のみが参加できますが、レースによっては保安部品を外したり破損防止のテーピングをすることで公道走行車両の参加を認めていることもあります。
ロードレースのように、スタートしてゴールするまでの速さを競うものもあれば、厳しい岩肌が剥き出しになった悪路を走破できるか競うトライアルレースや、自然のコースを大移動するラリーやエンデューロレースなどがあります。
私もモトクロスを一時期やっていた経験がありますが、オフロードバイクの悪路走破性能は見た目以上に高く、絶対に登れないと思っていた崖を初心者でも簡単に登りきることができるなど、非常にやり応えがある競技でした。
モトクロスレース
モトクロスレースは、オフロードレースの中で一番メジャーで人気が高いです。
未舗装で、かつ人口的にジャンプ台になる丘や傾斜が付いたコーナーなどがあるコースを周回して、早くゴールを駆け抜けた人が勝ちます。
スタートは最大で30台ほどのバイクがスタートラインに横1直線で並んで行われ、ジャンプや密集して行われる激しいバトルで見ごたえがあります。
国内で流行したオフロードレースで、モトクロス用コースも国内に多数あります。
ダートトラックレース
ダートトラックレースとは、2本の直線と半円を2つ組み合わせたオーバルコースで、砂や砂利などの未舗装の路面をオフロードバイクで走る競技です。
公営競技のオートレースのオフロード版といえばわかり易いです。
シンプルですが、ブレーキやコーナリングが舗装道路に比べて難しく奥が深いレースです。
ダートトライアルレース
オフロード版のタイムトライアル形式のレースです。
コースに1台ずつ(レースによっては時間差でコースに2台入ることもある)はいって、走破タイムの速さで勝敗を決めます。
エンデューロレース
オフロード版の耐久レースです。
モトクロスコースをぐるぐる回るものや、1週数十kmのコースで行われるものがあり、モトクロスレースに比べて1周の長さやレース時間が長いのが特徴です。
耐久レースの要領で複数名のライダーが交代して行うチーム戦や、1名のライダーが指定の休憩場所で休みながら乗り続けるものがあります。
国内にはエンデューロコースがないため、モトクロスコースで行われる耐久モトクロス的なエンデューロが主流です。
ラリーレース
ラリーは大自然のコースをコンパスなどを頼りに遠く離れたゴール地点も目指すレースです。
ラリーは車の方が有名で、車の場合は助手席にナビゲーターがいて走行ルートを指示しますが、バイクは原則ライダー1名で行うので過酷です。
ラリー用のバイクはコンパスを頼りに長距離走り続けるので、大型トリップメーターを取り付けます。
近年は数百kmのコースではなく、数十kmの短いコースの走破タイムを競うスプリントラリーを何度も繰り返すレースが主流です。
エンデューロレースはコースが指示されていますが、ラリーはコースの指示がないので、速さだけではなく正確に最短ルートを通れるかがカギになります。
ラリーも国内には本格的に行える場所がなく、海外で盛んなモータースポーツです。
まとめ
バイクレースはこのように様々な種類があります。
こういったオートバイのレースは以下の4つに大分類できると言われています。
・オンロード
・オフロード
・トラックレーシング
・トライアル
レースの楽しみ方は観戦と参加の2種類がありますが、MOTOーGPのテレビ中継やYouTubeの動画でレースを見ていて楽しいと感じたら、是非サーキットにも足を運んで生で観戦してみてください。
レース車両の排気音の迫力やコーナーを駆け抜ける速さなど、生で見ないと伝わらない迫力がありますよ。
レースをはじめることに興味があれば、事前に情報収集をしっかりして、やりたいレースに合ったバイクを購入するとよいでしょう。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
こちらの記事もあわせてどうぞ
- ハ゛イクの楽しみ方
- バイクの楽しみ方は人それぞれです。ここでは、ツーリング、バイクレース、レンタルバイクなど、バイクの楽しみ方を紹介しています。
ハ゛イクの楽しみ方 - 初心者「マメ」の「バイクはじめました!」のコーナー
- バイク初心者の「マメ(私)」が、バイクの免許取得とバイク取得に挑戦します。バイク購入やバイクの乗り方なども紹介。
初心者「マメ」の「バイクはじめました!」のコーナー - メーカーごとのバイク車種一覧とその特徴
- メーカーごとにバイクの車種の特徴や、販売金額、売却予想金額などをまとめました。
メーカーごとのバイク車種一覧とその特徴 - バイクの最新ニュース
- バイクの新型モデル情報、バイクグッズや法律動向などバイクに関わるバイク業界関連情報、バイクレース情報の最新ニュースを紹介しています。
バイクの最新ニュース