マルク・マルケスの経歴、特徴、エピソード

※2017年12月13日現在

氏名 マルク・マルケス(Marc Marquez Alentai)
所属チーム レプソル・ホンダ
生年月日 1993年2月17日(24歳)
出身地 スペイン・サルベーラ
主な実績 Moto-GP年間チャンピオン4回、Moto-2年間チャンピオン1回、WGP125ccクラス年間チャンピオン1回

最終戦までチャンピオン争いがもつれ込んだ2017年シーズンのMoto-GPも、マルク・マルケスがチャンピオンに輝き、若干24歳にして4回目の世界王者となりました。24歳の若さにして、早くも歴史に残る名ライダーの仲間入りをした現役最強ライダーです。

マルケスは、2008年に15歳でレプソル・KTMチームからロードレース世界選手権125ccクラスにデビューして、第8戦イギリスGPでは史上2番目の若さ(15歳126日)で3位表彰台を獲得しました。ロードレース世界選手権1年目の年間ランキングは13位でしたが、2度の骨折で序盤(1、2戦)と終盤(17戦以降)を欠場しています。

2年目にはファクトリーチームのレッドブル・KTMに移籍して、スペイン人史上最年少でのポールポジションを獲得するなど、順調な成長を見せて年間ランキングは8位でした。

3年目からはKTMの撤退もあり、アジョ・モータースポーツチームに移籍しデルビのマシンを操ることになります。3年目のシーズンで覚醒して、第4戦イタリアGPで優勝すると、そこからロッシ以来となる5連勝を達成するなど、年間10勝をあげて年間チャンピオンを獲得します。

翌年はMoto2に昇格し、1年目から年間2位、2年目で年間チャンピオン、2013年にはMoto-GPのレプソル・ホンダに移籍していきなり年間チャンピオンを獲得しました。20歳の時に大型ルーキーとして、レプソル・ホンダからMoto-GPに参戦することでも話題を集めた天才ライダーで、20歳266日での最高峰クラスタイトル獲得は史上最年少記録です

Moto-GP2年目は、開幕10連勝を含むシーズン13勝を挙げ、マイケル・ドゥーハンが1997年に記録したシーズン12勝を上回るシーズン最多勝記録を更新しました。2015年のMoto-GP3年目は年間ランキング3位に沈みますが、再び2016年でチャンピオンに返り咲いています。

このまま大きなスランプがなければ、数々の記録を塗り替える歴代最強ライダーの称号を手に入れる可能性もあります

根っからのバイク好きで、何をやっても速い

マルケスのバイク好きは有名で、暇さえあればモトクロスやフラットトラックに乗っています。どの分野でもバイクに乗れば、世界トップクラスのライダーにヒケを取らない走りをする天性の才能を持っています。

ちなみにマルケスの幼少期の経歴は5歳からバイクに乗り始めますが、当初はポケバイではなく、エンデューロバイクをやっていました。9歳からロードレースに転向して、11歳からエミリオ・アルサモラ(元WGP125ccクラスチャンピオン)の指導を受けるようになります。13歳からスペイン国内選手権(CEV)125ccクラスに参戦しシリーズランキング8位を獲得しています。

子供のころから大人に混ざっても互角の勝負をしていて、日本人ライダーにもここまでの才能を持っている人は見たことがありません。さすがバイクレーサー王国のスペイン出身で天才と呼ばれる逸材です。

覚醒のキッカケは成長が止まったこと??

マルク・マルケスがロードレース世界選手権にデビューした当初は、まだ15歳で体重は40kgしかありませんでした。125ccクラスの最低制限重量である136kgを満たすために、21kgのバラストを、マシンやツナギの中に仕込んでいたエピソードがあります。

体重移動で曲がるバイクレースにおいて、21kgの重りを背負って表彰台に上がる成績を収めたのはすごいことです。初心者から見れば、1年目の年間13位の成績は大したことないと思われるかもしれないですが、サテライトチームで欠場レースも多い中で素晴らしい成績です。

デビュー1年目は身長148cm体重40kgでしたが、2年目には身長161cm体重51kgと大きな成長を遂げます。1年で身長が13cmも伸びていたら膝の成長痛もあったことでしょう。ステップにつま先立ちして踏ん張りながら曲がるバイクレースでは、膝に痛みがある状態で走るのは大変なことです。

また、日々大きくなっていく身体とバラストを減らしていくことで、バイクに乗るフィーリングも少しずつ変わっていきます。身体の成長とも戦っていたことで2年目も年間ランキング8位とファクトリーチームにしては物足りない結果でした。

ちなみに現在の身長は168cmで体重59kgです。3年目の17歳になって、身体の成長が落ち着いたことによって覚醒した可能性が高いと見ています。

ヨーロッパでは子供から絶大な人気

日本では、生ける伝説と呼ばれるバレンティーノ・ロッシが、Moto-GPライダーの中では絶大な人気を誇っていますが、マルケスはヨーロッパでは子供からの人気が高いです。もちろん、4回の世界チャンピオンを獲得している世界トップライダーなので、老若男女問わず世界中にファンはいますが、バイクに乗っている子供からの人気が際立っています

人気の要因は、素晴らしいキャリアもさることながら、イケメンで走っているライディングフォームもカッコイイことです。マルケスの走り方は、とにかく身体を内側に入れるスタイルでレース中に肘をガッツリ擦りながら走ることもあります。コーナーにあるゼブラで肘擦りすることはMoto-GPの世界でよくありますが、マルケスの場合はゼブラのない路面上でも普通に肘擦りをします。

また、マルケスの出身国でもあるスペインは、バイクレースの熱狂的なファンが多く、結果を出さないとシビアな対応をすることでも有名です。マルケスはレースで抜群の安定感を誇っていて、2017年シーズンもドヴィツィオーゾと優勝回数6回で並ぶ中で崩れるレースが少ないことが決め手になってチャンピオンを獲得しました。

結果を求めるコアなファンの期待にも応えるため、レース本場のヨーロッパでは日本以上にマルケスは高く評価されています。

弟のアレックス・マルケスはMoto-2で苦戦中

マルク・マルケスが、Moto-GPで2年連続となる世界チャンピオンを獲得した2014年には、弟のアレックス・マルケス(1996年4月23日生まれでマルケスより3歳年下)が、Moto-3クラスで年間チャンピオンに輝き話題になりました。

兄弟揃ってのMoto-GPの世界チャンピオン誕生も期待されましたが、翌年の2015年にMoto-2に昇格してからは、年間ランキングで1年目14位、2年目13位と苦戦しています。2017年は日本GPのMoto-2クラスを制すなど、年間3勝の活躍を見せ年間ランキング4位に入りました。

ただ、兄のマルク・マルケスと比べると見劣りして、Moto-GP王者を目指す者としては苦戦しているのが現状です。2018年シーズンもMoto-2クラスの残留が決まっています。

来シーズンも上位に入ることができれば、2019年からMoto-GPクラスに昇格する可能性が高まるでしょう。いつかは世界最高峰の舞台で、兄弟による優勝争いが行われるレースを見てみたいものです。

将来的な移籍はあるのか?

2016年には、既に2回の年間チャンピオンのキャリアがあったマルク・マルケスは、ヤマハやドゥカティに2017年シーズンから移籍する噂が出ていました。結果的にレプソル・ホンダに残留して、2018年まで契約延長しました

2017年シーズンを終えて、すでに4回の年間チャンピオンを獲得しているため、2019年シーズン以降は移籍の可能性も考えられます。2016年の移籍報道の時は、本人からヤマハと接触していたけど今はなくドゥカティとの接触は認める発言をしています。

もし、マルケスがドゥカティに移籍して2017年に躍進したドヴィツィオーゾとコンビを組むことになれば、日本メーカーのチームにとっては大きな壁になるでしょう。日本メーカーを応援したい私としては、ホンダを出るならせめてヤマハに行ってもらいたいと思っています。

ちなみに歴代のMoto-GP年間チャンピオンを見ても、多くのライダーがキャリアの中で一度は違うメーカーに移籍しています。年間チャンピオンの看板を持って移籍すると、年俸の交渉が有利になる面もありますが、複数のチームで優勝することによって、マシンではなくライダーの実力で勝ったことを証明することにもなります

生涯ホンダで数々の記録を打ち立てていくようなキャリアは考えにくく、まずは2019年シーズンにどのチームに在籍するかが見ものになります。もし2018年も3年連続5回目のチャンピオンを獲得する流れになれば、去就の注目度はさらに高まるでしょう。

WGP・MOTO-GPでの年間成績

シーズン クラス チーム マシン 優勝回数 ランキング
2008年 WGP125cc レプソル・KTMチーム KTM・KTM125 0回 13位
2009年 WGP125cc レッドブル・KTMチーム KTM・KTM125 0回 8位
2010年 WGP125cc アジョ・モータースポーツチーム デルビ・デルビGP1 10回 1位
2011年 Moto-2 モンラウ・コンペティチオン スッター・MMX 7回 2位
2012年 Moto-2 モンラウ・コンペティチオン スッター・MMX 9回 1位
2013年 Moto-GP レプソル・ホンダ ホンダ・RC213V 6回 1位
2014年 Moto-GP レプソル・ホンダ ホンダ・RC213V 13回 1位
2015年 Moto-GP レプソル・ホンダ ホンダ・RC213V 5回 3位
2016年 Moto-GP レプソル・ホンダ ホンダ・RC213V 5回 1位
2017年 Moto-GP レプソル・ホンダ ホンダ・RC213V 6回 1位

おわりに

マルケスは、素晴らしいキャリアの割には、母国のスペイン以外では人気が薄いです。若くてイケメンで走り方もカッコイイなど好条件が揃っているのですが、レースやシーズンをつまらなくするほど勝ちすぎるところがあるのです。

特にシーズン最多勝記録を更新した2014年は、もてぎで早々に年間チャンピオンが決まり、全体的には盛り上がりに欠けるシーズンでした。2017年も「結局またマルケスかよ」と思われた方も多いはずです。

人気の高さでは頭一つ抜けているロッシも全盛期は強かったですが、バイクから降りるとユーモアと愛嬌のあるキャラクターだったので人気が高かったです。ホンダで3年連続チャンピオンを獲得して、すぐにヤマハへ移籍したことも人気の衰えない要因の一つだと言えます。
マルケスの場合は、マジメでバイクに対してストイックなのですが、圧倒的強さをもってキャラクターに可愛げがないと評されることもあります。

2017年シーズンは最終戦までチャンピオン争いがもつれこみ、日本GPではドヴィツィオーゾと最終コーナーまで勝負の決まるドッグファイトを繰り広げて観客を熱くさせました。ライバルの出現によって、来シーズンも熱いバトルが増えていけばマルケスの人気も増えていくでしょう。

圧倒的な強さを見せないで欲しいというのも、おかしな話ですが、見ていて楽しい見応えのレースをこれからも繰り広げてもらいたいです。

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