DUCATIのバイクレース実績、参戦状況、レーシングチームの特徴

ドゥカティはロードバイクを専門にしているイタリアのバイクメーカーです。2017年は、Moto-GPでドヴィツィオーゾが最終戦までマルケスとチャンピオン争いを行ったトップチームです。

ここでは、ドゥカティのバイクレース参戦状況や過去の実績をまとめました。

ドゥカティ(DUCATI)のレーシングチーム

ドゥカティは、オートバイレース関連を担当する子会社の「ドゥカティ・コルセ」が、ワークスチームの運営やプライベーターのサポートを行っています。ドゥカティ・コルセのワークスチームは、現在Moto-GPのみです

2010年まではSBK(スーパーバイク世界選手権)に参戦し、黄金時代を築いていました。2019年よりパニガーレV4をベースにしたマシンでのSBK復帰を目指しています。

Moto-GP ドゥカティ・チームとしてワークス参戦。
2017年ライダー部門2位(ドヴィツィオーゾ)、マニファクチャラーズ・ランキング3位、チームランキング3位。
2007年ワールドチャンピオン獲得(ケーシー・ストーナー)。
スーパーバイク世界選手権(SBK) 2010年シーズンをもってワークスチームの参戦を休止。
SBKワールドチャンピオン14回(最多優勝メーカー)。
2019年より復帰の可能性をドゥカティ・コルセ、スポーティング・ディレクターのパオロ・シアバッティより言及。
マン島TTレース 現在はプライベーターのサポートのみ。
ワークスチームが多数参戦していた1978年には、優勝候補のホンダRCBを破りNCRの900SS(マイク・ヘイルウッド)で優勝。

Moto-GPでの歴史は浅い

ドゥカティが、初めてMoto-GP(ロードレース世界選手権)に参戦したのは2003年です。日本メーカーのスポーツバイクやロードレース世界選手権のレギュレーションは、かつて2ストエンジンが主流で、4ストエンジンを得意にするドゥカティはSBKを主戦にしていました。

ロードレースのレギュレーションが4スト有利に変更し、WGP500ccクラスからMoto-GPに移行したことで参戦を決めました。参戦初年度はカピロッシとベイリスの2名体制で挑み、開幕戦の鈴鹿でいきなりカピロッシが2位表彰台を獲得、さらにカタルニアで初優勝をあげ、シーズンランキングはカピロッシ4位、ベイリス6位、マニュファクチャラー部門2位の結果を残します。

2007年には、Moto-GPクラスのレギュレーションが800ccに変更となり、ドゥカティは早い段階で開発に力を入れていた800ccエンジンが好調で、その年に新加入したケーシー・ストーナーによって初のワールドチャンピオンを獲得します

しかし2008年以降はチームが低迷し、一時は当時最速ライダーと呼ばれていたバレンティーノ・ロッシが加入するも、2年でチーム離脱をするなど苦戦が続きます。2017年はマシンの戦闘力もあがり、ドヴィツィオーゾが覚醒したこともあって、2007年以来のチャンピオン争いを繰り広げました

2018年は、最高峰クラス参戦以来2回目の年間チャンピオンを狙える優勝候補の一角です。

Moto-GPマシンのデスモセディチとは?

デスモセディチの語源は、ドゥカティエンジンの代名詞でもある「デスモドロミック」のデスモと、バルブ数の16をイタリア語にした「セディチ」を合わせたものです。日本語に直訳すると、強制開閉16バルブエンジンになります。

デスモドロミックは、吸排気弁をバルブスプリングに依らず、カムとロッカーアームの機構によって閉じる機構です。ドゥカティは、1956年にWGP125ccクラス用マシンにデスモドロミックを採用した歴史があり、その技術に磨きをかけて、現在も最高峰のバイクレースで戦っています。

デスモドロミックは1950年代にはプジョーやベンツも開発していましたが、量販に初めて成功したのは1969年ドゥカティ・マーク3デスモで、その後はドゥカティエンジンの代名詞になっています。ちなみに、国産メーカーでは、ホンダ・モンキーの社外部品で、武川よりデスモドロミックヘッドを販売されています。

SBKでの黄金時代

市販バイクによる最高峰レースSBK(スーパーバイク世界選手権)において、ドゥカティのVツイン1,000ccエンジンは長年、頂点に君臨していました。SBKの始まった1988年より参戦を開始し、3年目の1990年にはじめて年間チャンピオンを獲得します。

1990年から2008年までの19年間でライダーチャンピオンを13回獲得。マニファクチャラー部門では1998年から7連覇を達成します。ドゥカティがMoto-GPに参戦をはじめた2003年は、ロードレース世界選手権が4スト有利のレギュレーション変更されたことをうけて、ライバルの日本メーカーはSBKのワークスチームのサポートに限定的になります。

ドゥカティはMoto-GP参戦の中でも、SBKに重点サポートをするワークスマシン(ドゥカティ・999)を2台送り込んで、年間24レース中20レースで優勝。さらに残りの4チームもドゥカティマシンに乗るサテライトチームが優勝して、シーズン全勝を達成します。

しかし、リーマンショックの影響が残る不況の中で、市販車レースのはずがプロトタイプに近いレースになり、コストが上昇していることを理由に、2010年シーズンを持ってSBKのワークス参戦を休止(プライベーターのサポートは継続)しています。

現在は、新型パニガーレに採用されるV4エンジンを開発したことを受けて、2019年よりSBK復帰を目指してドゥカティ・コルセではSBKマシンの開発を行っています。

独自エンジンによるハイパワーが特徴

ドゥカティエンジンの代表格は、L型ツイン(2気筒)エンジンです。2017年モデルのラインナップや、SBKに参戦するエンジンをみても、Lツインのみを扱っていてポリシーを感じます。

本来、大排気量バイクは4気筒エンジンの方が効率が良いとされていますが、V型よりも広げたL型エンジンとデスモドロミック機構、そしてレースレギュレーションで優遇される排気量の拡大によって4気筒マシンと同等以上のパフォーマンスを実現しています。

Moto-GPで使われるデスモセディチGPは、当初Lツインエンジンを採用する噂も囁かれましたが、結果的にはL型4気筒エンジンの採用になりました。当時はドゥカティ初の4気筒エンジンということで話題を集めましたが、最高峰クラスのMoto-GP参戦1年目から活躍しています。

2009年以降はMoto-GPで低迷する時期もありましたが、直線ではドゥカティが一番速いという評価を得るほどエンジン性能は優れています。効率化などセオリーにこだわらない独自の開発路線で、ホンダやヤマハのトップチームより「直線が速いマシン」を作るドゥカティの開発力には脱帽です。

デスモセディチGPでMoto-GPデビューしてから15年が経過して、遂に市販車にもパニガーレV4で4気筒エンジンの量販を開始します。2018年のパニガーレV4のデビューと、2019年以降のSBK参戦動向に注目です。

おわりに

世界のバイクレースをリードするのは、ホンダ・ヤマハを筆頭にした日本メーカーですが、ドゥカティは日本メーカーにとって最強ライバルと呼べる海外メーカーです。Moto-GPの年間チャンピオンは800cc移行初年度の1回のみですが、2017年には1,000ccでもチャンピオンまであと一歩のところまで詰めてきました。

SBKにおいては現在カワサキが黄金時代を築いていますが、2019年にパニガーレV4で参戦すれば驚異になるでしょう。今後もMoto-GPとSBKの世界において、優勝争いをするチームとして君臨し続けて、日本メーカーとも切磋琢磨するライバル関係を続けていくことになるでしょう。

ドゥカティの市販車はハイパフォーマンスと、やみつきになる乗り味を併せ持っていて、オーナーからの評価は非常に高いです。日本メーカーのバイクにはない魅力があり、長年熟成を重ねてきたデスモドロミック機構など、他のメーカーが簡単に真似のできない技術を持っているのが特徴です。

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