バイクの耐久レース参戦歴7回の経験者が教える耐久レース必勝法
私はレン耐4回、DE耐3回の耐久レース参加経験があります。耐久レースはライダーの速さだけではなく、作戦も重要です。
ここ最近はレン耐しか走っていませんが、回数を重ねる度に経験値が上がって効率よくレースに取り組めるようになってきました。まだまだ未熟で優勝するような実力は持っていませんが、私の経験の中で耐久レースを楽しんで効率良く上位を目指すコツを紹介します。
主にレン耐とDE耐のルールを経験をベースにお話します。
耐久レースで上位に入るコツは次の4点です。
・転倒しない
・ライダー交代のタイミング・作戦
・燃費走行
・練習して全員がある程度のタイムを出す
転倒すると一度ピットインをして、必要に応じて修復や調整の作業をしないといけません。レン耐の場合はオフィシャルが車体チェックを行い罰金を払う時間も取られます。どれだけ速く走っても転倒が多ければ上位に入るのは困難です。
レン耐やDE耐などの初心者向けレースの場合は、ピットインする際に制限の入るルールがあります。レン耐はピットイン3回ごとに、お題が出てクリアしないとコースインできません。
DE耐の場合は、ピットインして給油する際に10分停車しないといけないルールがあります。DE耐は燃費をよくして、給油回数を少なくできるかが上位入賞のカギです。
レン耐は基本的にレース中の給油はありませんが、ギリギリの量しかガソリンは入っていないので、途中でガス欠になるリスクがあります。ガス欠で再給油する際は、残り時間1分につき1周の減算になる厳しいペナルティを受けます。
このページの目次です
耐久レースに必要なツール
サインボード(ピットボード)
サインボードは走行中のライダーに以下の情報を伝えられます。
・ピットインの指示
・タイム
・順位
・前や後ろを走るバイクとの差
・ペース上げ下げの指示
アマチュアが趣味でやる耐久レースであれば、ピットインの指示とタイムを教える用途が中心です。ピットインの指示はサインボードがなくても、タオルを広げたり、手を振って合図するなど、チーム内でルールを決めてサインを出す方法もありますが、サインボードがあれば、あと何周でピットインなど細かい指示を出せます。
また、サインボードでタイムを出しておけば、常にピットを見る癖が付くので、ピットサインを見落としにくくなるメリットもあります。最もサインボードが重宝するのはタイムを伝えられる点です。
DE耐など自分のバイクであればP-LAP(タイム測定器)を付ければ、タイムを確認できますが、レン耐はマシンにP-LAPが付いていないので、サインボードでタイムを教えてもらえると、モチベーションに繋がります。走りながらタイムを確認できると、うまく走れた周回のタイムの違いを知ったり、ライン取りが成功した確証を得られるので非常に楽しいです。
レン耐のチーム員からも、サインボードでなるべくタイムを表示してほしいという要望が多いです。サインボードは完成品を購入する以外にも、ホームセンターで材料を買って自作することができます。
ストップウォッチ
サインボードで指示を出すタイムや、現在の時間などを管理するのに便利です。毎週のラップタイムを計測してサインボードで教えようとすると、結構ピットは忙しいです。ライダー以外のサポートメンバーがいればいいですが、少数のライダーだけだと、できる範囲も限られてきます。
私はストップウォッチの重要性を感じたので、2段表示でラップと総タイムを確認できたり、計測しながら時刻やラップタイムのメモリー呼び出しができる、ソーラー電源の高性能ストップウォッチを購入しました。(Amazonで6千円くらい)
バインダー、メモ用紙
ラップタイムの記録や、ピットインする時間など作戦を書いた紙とピットインの記録用紙など、耐久レースは書くものが多いです。ピットインした時間の記録は、各チームがレース中に記入して専用の申告用紙を提出するルールになっています。(レン耐・DE耐の両方であるルール)。
バインダーは必須アイテムで、タイムを記録するならエクセルなどで作成したフォーマット用紙を用意しておくと便利です。
ピット、パドックの装備
耐久レースは長丁場になって、レース以外にも受付からの待ち時間が長いです。快適に過ごすには、テント、テーブル、椅子を用意しておくと便利です。
基本的にピットとパドックは火気厳禁ですが、電気系のものは使えます。ベテランチームは、発電機にケトルやホットプレートなどで、ホットコーヒー、カップラーメンを作ったり、焼きそばなどプチBBQをしている方もいます。
サーキットによってはピットにコンセントが用意されています。自分のバイクを使うレースであれば、レーシングスタンド、空気入れ、工具、タイヤウォーマーなどもあると便利です。
ピット作業はみんなで協力する
レン耐の場合はピットロード、DE耐は給油エリアにおいて、バイクを押して歩かないといけないルールです。走り終えたライダーは疲労が蓄積されているので、休んでいるライダーやサポートメンバーがバイクを押すのを手伝ってあげましょう。
レン耐はピットを手押しで走るので、体力のある人が全力疾走するだけで数秒の時間短縮になります。レン耐はお題を他のメンバーも手伝ったり、自前のバイクのレースならピットで微調整など軽整備をすることもあります。
ライダーは休憩ばかり取らず、ライダー交代のタイミングはピットで待機するなど、チーム一丸になって効率よくピットやライダー交代をこなせるように取り組みましょう。
レン耐のお題
レン耐では、ピット3回ごとにお題が出て、いかに早くクリアできるかがポイントです。
過去4回の参戦で行われたお題の一例を紹介します。
・レン耐の様子をSNSにアップ
・ふがしを水なしで一本食べる
・知恵の輪
・あっち向いてホイ(オフィシャルと相手)
・レン耐の用意しているキャンギャルからケツキックを喰らう
ライダーのみで対処しようとすると、SNSアップのお題が出た時にスマホを取りに行く手間もあります。ある程度のお題を想定して、スマホ持参、ふがし対策で事前に水を飲んで口の中を潤しておくなど、準備をしておくとスムーズです。
耐久レースの走り方
耐久レースは燃費走行と転倒リスクを減らした走りを求められます。ミニバイクなどパワーのないバイクであれば、なるべくコーナーはスピードを殺さずに通過できるようにして、ギアを下げて立ち上がりで全開加速する機会を減らすのが理想です。
なるべく高いギアを維持して、コーナーの出口でスピードの乗った状態にできると低燃費でタイムも出ます。特にパワーのないバイクで行うレースは、前を走るライダーをコーナーで抜かすのは難しいので、ストレートで抜かす機会が増えます。
同じクラスだと加速性能と最高速に差が出ないので、コーナーの出口でいかにスピードを乗せてストレートに入れるかが重要です。コーナリングやブレーキングよりも、直線のスピードがタイムに一番大きな影響を与えます。
低燃費走行を目的にプロのライダーがよく使われる、前のバイクの後ろにピッタリ付けるスリップストリームという方法もあります。スリップストリームはお互いがプロのライダーで信頼関係があるからできる手法です。
レン耐やDE耐などの初心者もいるアマチュアレースですので、スリップストリームを使うと、接触事故になるリスクが高いので絶対にやらないようにしましょう。
ある程度のライダースキルも必要
耐久レースはピットインのタイミングや回数、給油量によって上位に入るチャンスはありますが、上位を狙うならライダー全員が一定の水準に達していないと難しいです。
たとえば1周平均1分のコースで平均タイムより5秒遅いと、12周ごとに周回遅れになる計算です。時間にして12分でトップチームと1周の差になるので、数時間の耐久レースでは、この積み重ねが大きな差になります。
順位にこだわるなら参加ライダーを厳選したり、速い人の走る時間を増やす作戦が効果的ですが、私はシビアな作戦を取った経験がありません。耐久レースは上位を目指すだけが醍醐味ではなく、仲間と一緒にワイワイ楽しく楽しむことも重要と考えています。
私はそこまでガチなチームに所属した経験はなく、初心者を受け入れたり、走る時間は全員均等にする作戦で耐久レースを楽しんでいます。
チームの方針は様々ですが、メンバーで上位を目指すか、楽しさ優先なのかを明確にしておかないと不満を抱くメンバーも出てきます。メンバー同士でモチベーションに差があると、チームは長続きしません。耐久レースは継続して出場を続けることにも意味があると思うので、自分に合ったチームを探しましょう。
おわりに
私の耐久レースのスキルは中級者レベルです。本格的に上位を目指すトップチームは、耐久レース専用にワンオフのパーツを作成するなど本気度が違います。どこまでやるかは人それぞれの価値観や資金力、時間によって変わってきますが、最初はなるべく敷居の低いクラスから始めた方が入賞のチャンスは高いです。
レン耐であれば、125ccクラスより50ccや100ccクラスの方が入賞チャンスはあります。私は上位入賞に強いこだわりは持たずに耐久レースを楽しんでいますが、やっぱり入賞すると楽しいものですし、レース中は順位を気にします。
レン耐については参戦するごとに、コツが分かってきて少しずつ成績も上向いています。これから耐久レースの参戦をする初心者の方に少しでも参考になってもらえれば幸いです。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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