レン耐参戦記2018春〜125ccクラス初参戦で乗ったグロムの感想〜
こんにちは。当サイトの執筆担当をしているブルです。
私は若い頃はGSX-R750で富士スピードウェイの本コースライセンスを取ってサーキット通いをしていたこともあったのですが、結婚を機にバイクのスポーツ走行とレースから遠ざかっていました。
やっぱりサーキットを走るようなバイクに乗りたいと思って、中古の安いスポーツバイクの購入を検討したのですが、今の環境では乗れるのは年に2、3回ほど。
バイクを保有すると乗っている時間よりもメンテナンスにかける時間の方が多くなってしまいます。
そこで興味を持ったのが、レンタルバイクでレースに出れるLet’sレン耐です。メンバーを集めて2年ほど前から毎年春と秋の年2回のペースで活動しています。
2018年から125ccクラスの参加制限が撤廃された
2017年まではメンバー全員がレン耐参戦3回以上ないと125ccにエントリーできませんでした。
私は2018年春(5月6日筑波)のレースで4回目。過去3回のレースは全て100ccクラス(エイプ100)での参戦でした。
新メンバーもいてチーム員全員が3回の条件をクリアしていなかったので、今回も100ccにしようかと思ったのですが、5月6日の筑波は、初心者90分の100ccと125ccクラスが新設されていました。(2月の筑波大会にも用意されていました)
初心者クラスなら125ccに参戦できかもしれないと思い、運営に問い合せたら、2018年から125ccクラスをはじめ参加回数の規定が撤廃されて誰でもエントリーできるようになったと回答がありました。
併催される4時間耐久レースの参加もできたのですが、筑波と125ccが初めてだったことと、初心者90分であれば午前中で終わるスケジュールにも魅力を感じて、初心者90分125ccクラスにエントリーしました。
昨年までは、3回以上の参戦経験が必要だった影響もあり、用意されるバイクの2/3はエイプ、1/3がグロムという内容だったところが、今回のレースは2/3がグロム、1/3がエイプでした。
参加制限を撤廃したことで、グロムを大量に導入したみたいです。
また、Gromカップマシン125クラスという、Gromカップにそのままエントリーできるエンデュランス製サイレンサーとハイグリップタイヤを装着した、中・上級者向けのクラスも新設されていました。
グロムに乗った印象
レースの前には10分の練習走行がありました。そこで初めてグロムに乗ったのですが、乗った印象はトルクはあるけどパワーはない感じでエイプとは違うフィーリングで戸惑いました。
練習走行は2周走っただけだったのですが、上手に乗れず本戦に不安を残しました。
フレーム剛性は高く、足回りはしっかりしている印象はありましたが、エイプの感覚に慣れているとスピードを乗せてバンクしてコーナーに進入するのが怖かったです。
本戦では私がスタートライダー(第1ライダー)を務めました。スタートは耐久レースでは定番のル・マン式です。
ル・マン式スタート
スタートはちょっと失敗したのですが、その後は順位を上げて全体2番手で走行できました。
ちなみに1台だけGromカップマシン仕様のマシンがいてトップを走っていました。直線は通常のグロムクラスのマシンより、かなり速いです。
初心者クラスの中では、経験値が高いこともあって、通常仕様のグロムの中ではトップで第1ライダーの役目を果たせて一安心です。
タイム的には、後半に走った時に比べて遅い内容(50秒ほど)で、レース後半になると47秒くらいまでタイムを縮めましたが、他のライダーに抜かれる場面もありました。
グロムのフィーリングに苦戦していたのは私だけではなかったということでしょう。グロムを乗りこなすのはコツがいりますが、30分前後走れば要領が分かってきます。
最高時速
レン耐の中でも筑波1000(ショートコース)は広いコースです。ホームストレートの後半ではエンジンが吹け上がりメーター読みの最高時速は90kmほど(MAXで92〜93kmくらい)。
1.2コーナーは複合の高速コーナーなのですが、2コーナーを過ぎた立ち上がりでも時速90kmくらいは出ています。80km前後でバンクしてコーナーを駆け抜けられるのは、かなり楽しかったです。
エイプの最高時速はざっと80kmちょっとくらいです。
エイプとの違い
グロムとエイプ
エイプとグロムは以下の違いを強く感じました。
・ブレーキがよく効く ・・・ エイプはドラムブレーキ、グロムはディスクブレーキ
・足回りがしっかりしている ・・・ エイプは正立フォーク、グロムは倒立フォーク
・ステップが擦らない ・・・ エイプはノーマルステップをショートステップに変更、グロムはバックステップ装着
・右コーナーも安心 ・・・ エイプ100は右コーナーで大きくバンクさせるとマフラーが地面に簡単に擦れるが、グロムは私の技量でマフラーの擦れることはなかった
タイヤについては、エイプとグロムともに共通でノーマルよりもグリップ力の高いバイアスタイヤに変更されています。タイヤは温まればしっかりグリップして、走行中に不安を感じることはありませんでした。
過去にエイプで出場した3回は3時間と4時間耐久で、グロムで参戦した今回は90分なので明確な比較はできませんが、エイプでタイトなコーナーが多い桶川スポーツランドを走った時は、レース後半にブレーキが垂れて全然効かなくなっていました。
もともとブレーキの効きはあまりよくなくて、通常ロードバイクのサーキット走行はフロントブレーキしか使わないのですが、エイプのときは前後のブレーキを使わないと止まれませんでした。
グロムはフロントブレーキだけでも、必要な制動力を確保していて、90分の中では制動力の落ちる感覚は伝わってきませんでした。
足回りはしっかりしていますが、エイプの場合は車高が低いので走りやすさはあります。グロムは車高が高くてバックステップが入っているので、バンク角を出しやすかったです。
私はエイプに乗った際、右コーナーでマフラー擦りながら、さらに強引に攻めて転倒した経験を持っています。
エイプ
エイプ100はマフラーが大きくて低い位置にあります。エントリー代金は若干グロムの方が高いですが、転倒リスクが少ないのも魅力です。
ちなみに筑波1000はコースが広くて路面状態も良いので、90分耐久の125ccクラスは転倒者がいませんでした。(桶川と秋ヶ瀬で出場した時はドライでも転ぶ人が結構います)
エイプの良いところ
エイプ走行(桶川スポーツランドでの走りの様子)
エイプの良いところは、以下の3点です。
・エンジンフィーリングが良い ・・・ トルクよりも馬力で走っている感覚が伝わる
・車高が低いので乗りやすい ・・・ 雨が降るとグロムよりもエイプの方が有利という説もあります
・転倒時のリスクが低い ・・・ 最低ペナルティの5,000円で済むことが多い
エンジンフィーリングは個人的な感想です。
レン耐に初めて参戦してエイプに乗ったときは最初から快調に走れましたが、グロムの時は慣れるまで時間がかかりました。
レン耐事務局は乗っていて楽しいのはエイプと紹介していますが、納得できる部分があります。
過去に大雨になったレースがあり、うちのチームは転倒続出で結果は出なかったのですが、エイプクラスで全体2位に入ったチームがありました。
雨のレースの表彰式では主催者の青木拓磨さんが、「雨の日はエイプの方が有利だ」とコメントしていました。
レン耐は転倒すると1回5千円の罰金があるのですが、必ず5千円で済むとは限らず、損傷状態によっては修理費用の実費を負担しないといけません。
修理費用の負担は、工賃も取っていない格安価格ですが、過去には10万円の支払いになった事例もあるそうです。(ブリーフィングの説明より)
また、レン耐常連チームの方は、「エイプの方が転倒を気にせず思いっきり走れるから楽しい。グロムは転倒すると高いよ・・・この前も知り合いが3万円取られていたよ」と話をしていました。
私のチームは過去の3レースでそれぞれ転倒者を出していたのですが、全て5千円の罰金で済みました。
今回のグロムでの初参戦では転倒者が出なかったのですが、常連の話を聞くと不安になりますし、エイプの時に比べて限界まで攻める気持ちを持てませんでした。
気になるレース結果は?
転倒もなく順調にレース運びをしたのですが、ライダー交代や3回ごとのピットインで出されるお題に苦戦して、入賞はしたものの後ろから数えた方が早い順位でした・・・。
前半はトップ争いをしていたのですが、うちのチームはピット回数が多かったのがネックでした。レン耐はライダーの平均体重で最低ピット回数が決まります。(女性は一律100kgカウント)。
90分耐久ではツナギなどの装備も含めた体重が90kg以上だと、最低ピット回数は3回、90kg未満75kg以上で6回になり、うちのチームは6回のピットインをしました。
90分でピット3回と6回はだいぶ違うので、かなり善戦したと自負しています。上位チームは本当にピット3回の体重?って思うところもありますが、うちのチームコンセプトは上位を狙うよりも、みんなが平等に楽しくレースを楽しむことを目的にしています。
上位を目指すだけが目的でないのもレン耐の魅力です。
なお、今回でレン耐は4回目でしたが、ひとつ感じたのは経験値はとても大切ということ。私はレン耐に出る前にも、ツインリンクもてぎの本コースで開催されるDE耐に3回出場した経験があります。
上級者と呼べるほどの経験値はありませんが、過去7回の耐久レース参戦から得た、楽しむコツと上位に入るためのポイントを紹介していますので、併せてご確認ください。
バイクの耐久レース参戦歴7回の経験者が教える耐久レース必勝法
おわりに
レン耐で初めてグロムに乗った印象は、やっぱり性能が良いのでエイプよりも面白いと感じました。今回から初参加で、まだエイプに乗っていないメンバーもいたので、秋のレースでは100ccクラス(エイプ100)にしようという考えもありましたが、レースを終えてメンバーから次回もグロムという声が非常に大きかったです。
私はレン耐を始めたときは、参戦回数を重ねて125ccクラスにステップアップしたいと考えていました。今回から従来のルールなら125ccの出場資格を得られるところで、参加回数の制限撤廃になったため、タイミングが悪かったという思いもありますが、レン耐はより魅力的なレースになったように感じます。
初心者で125ccクラスにエントリーする人もたくさんいますし、私も100ccと125ccでしたら125ccクラスでの参加をオススメしたいです。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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