バイク初心者がツーリングデビューするための準備
ツーリングは長い距離を走るので、リスク管理と快適な環境作りが必要です。
初心者の方は、まずは近場の手軽に参加できるツーリングから始めましょう。
ここではツーリングに必要な装備や準備、心構えについて紹介します。
このページの目次です
ツーリングに必要なバイクの点検や装備、グッズ
ツーリングデビューに必ず必要な準備は、バイクの点検整備です。ツーリングは普段よりも1日で長い距離を走ります。最低限、ツーリング先でバイクのトラブルが起きないように点検整備を行っておきましょう。
初心者の方は、なるべくハードルが低い近場なツーリングから初めて、回数を重ねながら距離を伸ばしたり、快適装備を揃えていくようにしましょう。
ツーリング前の点検整備
ツーリング先でバイクのマシントラブルや事故を起こすと、ツーリング仲間全体に迷惑がかかり、せっかくの楽しいツーリングがすべて台無しです。
普段よりも遠くに行くツーリングは、出先で事故や故障した場合に、自走して帰れない状況になるリスクが高い事を理解しておきましょう。
ツーリング前に最低限行っておく点検整備について解説します。
タイヤの点検
ツーリング前の点検整備で重要なのがタイヤです。タイヤの残り溝が少ない状態や、劣化でヒビ割れを起こすなど、交換時期が近いタイヤでツーリングには行かないようにして下さい。
タイヤに不安があれば、必ず新しいタイヤに交換しておきましょう。ここで全くの新品タイヤも、表面のコーティングが取れるまでは、非常にスリップを起こしやすいので、コーティングが取れるまで慎重に走らせる「皮むき」を行うようにします。
タイヤに問題がなければ、空気圧のチェックをします。ガソリンスタンドや整備ショップ等でタイヤの空気圧を規定値になるよう調整しておきましょう。
タイヤ空気圧の規定値は、ノーマルバイクであればスイングアーム付近に空気圧規定値が記載されたシールが貼ってあるケースが多いです。バイクに空気圧の規定値の記載がない場合は、整備ショップに問い合わせをしたり、ネット検索で情報を仕入れましょう。
高速道路をたくさん走るツーリングでは、タイヤの空気圧を上げることで燃費や直進性を高め、峠道など山に行く時は、標高が上がると空気が膨張する特性があるので、若干低めにしておくと山に行った時にちょうどよくなります。
また、空気圧を若干低くすると、グリップ力が高く衝撃吸収効果が高まるため、舗装が悪いアスファルトやコーナーが多い峠道に最適なセッティングになります。
ブレーキの点検
ブレーキはタイヤと並んで重要な点検項目です。最低限、タイヤとブレーキの点検さえしておけば安全にツーリングに行けます。
ブレーキの点検は、まずブレーキパットの残りを確認します。ほとんどのバイクが、ディスクブレーキの外側からライトで照らしながら中を除くとブレーキパットの残りを確認できます。
わからなければ、整備ショップにいって簡易点検してもらったり、ブレーキパットの点検方法を教えてもらいましょう。
ブレーキの点検で怠る方が多いのが、ブレーキオイルです。特に山道を走る場合は、下り坂が多くブレーキオイルが古いとブレーキの効きが悪くなるペーパーロック現象が起こりやすくなります。
ブレーキオイルの交換頻度は走行距離ではなく乗り方と経過時間で決まります。1年以上交換していない場合や、普段からブレーキの使用頻度が高い場合は、ツーリング前にブレーキオイルの交換もしくは、点検をしておきましょう。
クーラント(冷却水)の確認
ツーリングは長い時間連続運転するので、クーラントが入っていないと、すぐにオーバーヒートを起こします。クーラントはタンクに目盛があり、目盛の中間が適正値です。
クーラント(冷却水)の残量をチェックしておきましょう。極端にクーラントが少ない場合は、クーラント漏れを起こしている可能性があるので要注意です。
エンジン不調は入念な整備を行う
エンジンは普段の日常使用で問題がなければ、オイル漏れなど簡単な点検のみでOKです。
エンジンの始動不調や吹け上がりが悪いなど、調子が悪いと感じる事があれば、整備ショップ等を利用して入念に点検整備を行いましょう。
ツーリングに必要な装備
ツーリングに必要な装備は、様々な便利グッズや快適グッズがあり、あれば良い物を挙げるとキリがないです。
初心者の方は、無理に最初から全部揃えるのではなく、ツーリングを体験しながら不便に感じた事を改善できる物を揃えていきましょう。
ツーリングに必要な最低限の装備は、ライダーの服装など身の回りのものですが、その他にも、あると便利なグッズを含めてツーリングに必要な装備を解説します。
ツーリングに最低限必要な装備
ツーリングに必ず必要な装備を理由を添えて紹介します。
- フルフェイス
- 普段は半キャップのヘルメットを乗っている方もツーリング時は、雨風から目を守る環境を作りましょう。
晴れた日でも、長時間運転していると目が乾燥するなど風が苦痛になります。
飛び石や虫、砂ホコリのリスクもあるので、できればフルフェイスやジェットヘルメットなど顔全体を保護できるタイプが望ましいです。 - 長ズボン
- ツーリングは夏場でも必ず長ズボンを履くようにしましょう。
長ズボンを履く理由は、万が一の転倒時のライダーの保護です。
また、長時間運転すると、ミッションバイクの場合は、エンジンの熱が苦痛に感じてしまいます。 - グローブ(手袋)
- グローブは防寒効果だけではなく、スロットルとブレーキレバーの操作の疲労軽減や、汗による誤操作防止効果もあります。
私は普段、夏場は素手でバイクに乗る事がありますが、ツーリング時は必ずグローブを着用しています。
季節ごとに最適なグローブを揃えておきましょう。 - 靴
- スクーターの場合は靴にこだわる必要はありませんが、ミッションバイクはギアチェンジを頻繁に行うので靴も重要な装備品です。
バイク用のスニーカーやブーツが理想ですが、最初から無理に揃えなくて問題ありません。
ツーリングはシフトチェンジ操作が多いので、普段使いの高い靴を履いていくと、シフトチェンジ操作する部分が擦れてしまいます。
ギア操作をしても疲れにくく、ダメージを受けてもいいような、使い古した靴でツーリングデビューするとよいでしょう。 - レインコート
- レインコートは必須ではありません。
私も近場で天気予報に問題がなければレインコートは持って行きません。
ただし、山は雨が降りやすい特性を理解して、少しでも雨の懸念があれば必ずレインコートを持っていくようにしましょう。
ツーリングであると便利なグッズ
ツーリングに最適な便利グッズを紹介します。
- ETC
- バイクは高速道路の料金所で現金のやり取りをするのが面倒です。
ETCがあると快適ですし、スマートインターの利用などツーリングコースの選択肢が広がります。 - バイク用カーナビ
- バイク用カーナビも普及率が上がり安くて高性能の商品が増えてきました。
- トランシーバー
- ツーリング仲間とツーリング中に会話をする事ができます。最近はスマホアプリのグループ通話とハンズフリーキットを併用してコミュニケーションを取る方も増えています。
- 収納用品
- キャリアボックスやキャリアバック、タンクバックなどバイクに荷物を積載すると、多くの装備品を持ち運べるようになります。
タンクバックなどを利用して、身につける荷物を減らすと負担軽減にも繋がります。 - カッコイイ服
- 革ジャンやブーツなどツーリングに行くと、ライダーの服装が素敵な方をたくさん目にします。
慣れてきたら、服装にもこだわると、よりツーリングが楽しくなるでしょう。
初心者の方は、むやみに最初から揃えるのではなく、ツーリング仲間から話を聞いたり、自分で不便と感じた事の対策として少しずつ装備を揃えていきましょう。
まとめ
ツーリングに初めて行く時は緊張すると思いますが、こうした緊張感も大切です。慣れてくると緊張感がなくなって、点検整備を怠ったり運転が雑になってしまう方が多いです。初心者の気持ちを長く忘れないようにする事が、無事故・無トラブルでツーリングを続ける秘訣です。
最初は不安な事もあると思いますが、ツーリングは手軽に楽しめるものです。いきなり無理することはなく、初心者は軽装備でも問題がない近場のツーリングから始めてみてください。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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